最近、メルカリをよく見ていると、1、2万円台~3万円くらいのノートパソコンがよく売れていますね!
初心者向けにカスタマイズしていると説明文に書いている商品が数多くありますが、説明文を確認すると、正規認証をうたって一般市場に出回らない企業向けの「microsoft office 2013 professional plus」および「2016 professional plus」というバージョンがインストールされて出回っているようです。
今回はメルカリで販売されているパソコンを対象に調査してみました!
office professional plus流通の違法性
この「office 2013(または2010、2016) professional plus」というバージョンですが、企業向けの商品で一般消費者向けには販売されていないバージョンです!
マイクロソフト社のHPにも以下のような記載があります。
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/2013/prodinfo/default.aspx?navIndex=3
出所については諸説ありますが、倒産企業のライセンスだったり、中国などで違法コピー(またはクラッキング)が多いようです。
そして、professional plus版のプロダクトキーはボリュームライセンス版(1回限り認証可能なライセンス)としてのみ販売されているので、使用可能なのは契約した企業自体または個人(事業主)に限定されます。プロダクトキー自体の複製は問題ないのかもしれませんが、professional plusをインストールする際に、ソフトをダウンロード(コピー)をしなければならないため、著作権違反となってしまうようです。
ヤフオク、メルカリなど様々なサイトでprofessional plusがインストールされているパソコンが販売されていますが、知らずに購入して使用すると直接の罰則はなかったとしても、著作権違反や詐欺行為をはじめとした犯罪行為に間接的に加担していることになってしまいます・・・
そしてprofessional plusのコピーDVDやインストールしたパソコン販売では実際に逮捕者も出ています。
<パソコン販売>
http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2015/1191.php
<ソフトウェア販売>
http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2014/1158.php
実際につかまったと報道されている方が少ないのは、パソコン・ソフトウェア購入者に知識がなく訴えがなかったり、詐欺を前提として商売をしているため住所・電話番号が異なっており逮捕につながっていないという現状があるからではないかと思います。
下手をすればソフトウェアの価格以下でパソコンが入手できるケースもあり、安さというメリットは十分にあるかもしれないですが、絶対に手を出してはいけない商品です。
正規認証を謳っていても、違法流通しているという部分を隠して販売が行われてしまっています。
オフィスソフトの見分け方はこちらでも解説しています!
メルカリのパソコン屋さんを調査
割合がどの程度か調査するため、以下の条件でメルカリで販売されたパソコンを調査してみました。
なおメルカリを選んだ理由は、ヤフオクと比較して、知識の少ない初心者が多く参加しているという側面があるからです。
検索条件
今回は以下の通り条件を設定してみました。
1.価格帯:2万円~4万円、販売済みのノートパソコン
2.対象:売れたパソコンを直近のものから調べていき、累計10台以上販売している出品者の直近に売れた1台をその出品者の調査対象とする。
3.調査数:合計20出品者分(20台)
4.調査日:2016/5/6
調査結果
office 2013 pro、office 2013との表記のオフィスソフトで確認の取れないものはすべて違法インストールされたソフトとの認識で解釈しました。
officeバージョン | 備考(プロフ等) | 判定 | |
---|---|---|---|
1 | Office2016 | 良質なPC業者を主張 | × |
2 | Open office | officeバージョン記載無し | ○ |
3 | 不明 | officeバージョン記載無し | × |
4 | Open office | なし | ○ |
5 | なし | なし | ○ |
6 | Office2013 professional | officeバージョン記載不備 | × |
7 | Office2016 | 初心者へ良質パソコン販売を主張 | × |
8 | Office2013 | 初心者に大人気のサポート有 | × |
9 | Office2016 | officeバージョン記載無し | × |
10 | Office2016 | 良質なPC業者を主張 | × |
11 | なし/2003/2007 | officeバージョン記載無し | ○ |
12 | Office2013 | officeバージョン記載無し | × |
13 | キングソフトOffice 2013 | officeバージョン記載無し | ○ |
14 | Office2013 | マイクロソフト社正規認証主張 | × |
15 | Office2016 | officeバージョン記載無し | × |
16 | Libreoffice | なし | ○ |
17 | Office2016 | officeバージョン記載無し | × |
18 | Office2013 | マイクロソフト社正規認証主張 | × |
19 | Libreoffice | なし | ○ |
20 | Office2013 | マイクロソフト社正規認証主張 | × |
出品者20名中13名の方が違法officeをインストールして販売
officeソフト調査の結論
調査時点で半分以上の出品者が提供するパソコンは違法なソフトが使用されているものでした。
もちろん絶対数での調査結果ではありませんが、おおよそ今回の調査結果のような比率になってくるのではないかと思います。
初心者の方、知識がない方は信頼のおけるパソコン屋から購入するかoffice無しで購入するのが最良と思われます。
他にもOEM版や市販されているバージョンのオフィスソフトでは本物の画像を利用し、キーコードだけを販売・送付する場合もあるようですが、同じく問題のある可能性が高いです。
windowsもPhotoshop、Illustratorもコピー?
※2016/9に追加調査した内容を反映しています。
他にも、届いてみないと分からないwindowsの不正インストール(期限切れが起こる商品)や、Adobe社のPhotoshop、Illustratorが不正インストールされて流通している場合があるようです。
元々のパソコンにソフトをインストール・カスタマイズして販売している場合は一見便利そうに見えて、実は不正なソフトウェアを販売している場合が多いので注意してください!
他にも「適当な説明+サクサク動く」といった表現や、「core-i7搭載」といった簡素な記載で実は一番性能が悪い初代のCPUであることを誤魔化していたりといった方に多く見られます。
手元にあるデータを見比べていたら、退会処分を食らっている方が復活している事例も確認できたので、運営の対応にかかわらず接する機会は完全には0にはならないと思われます。
officeソフトが一番見分けやすいですが、ほかにも多数のソフトウェアをインストールして10個20個とパソコンを販売している場合も同じような確率と思われます。
officeソフトのプロダクトキーの不正コピーに関する2次被害に注意!(2017/1/12追記)
ここまで紹介したコピー・不正インストールされたofficeが出回っていることもあってか、「officeソフトのプロダクトキーの不正コピー」に関する偽メールが出回っているようです。
参考画像:マイクロソフトサポート公式twitter(2017/1/12)
該当のメールは削除してくださいとしていることから正式なメールではないようです。
こういった被害に巻き込まれないためにも、安さだけに着目してヤフオク!・メルカリといったところで出品している怪しいパソコン業者から買わず、正規品を入手するように心がけてください!
どうしても中古で安く購入したい場合は以下の記事も参考に。
メルカリでもついに逮捕者が(2017/9/28)
メルカリの場合、比較的知識の浅い利用者がぼったくり価格で購入していたり、本人確認もSMS認証くらいで匿名性が高いことから、違法ソフトをインストールしたPCを販売しやすい環境となっているように感じます。
またヤフオクのように悪評価が履歴として残れば、他の購入者が購入を避けるきっかけにもなるのですが、キャンセルまたは購入・評価完了後に気が付くと、悪評価が残ることはあまりないので(付いたとしても2週間ほどすれば商品削除が可能で、履歴すらわからない状況となります)、メルカリの制度自体が悪質販売者に有利に働いてしまっています。
この記事を作成して1年以上は逮捕者が出たという報道がなかったことから、ヤフオク同様にメルカリでもほとんど野放し状態になっているものと思います。
2017年9月に逮捕されたとの報道があったのは以下の記事にある1件のみとなりますが、今も大量に違法なPCが出品されている状況です。
http://bsa.or.jp/news-and-events/news/bsa20170928/
知らずに購入してしまった場合
今回述べたように、インストールされているofficeソフトが違法であることを知らずに購入してしまった場合、出品者に返品返金を要求できるものと思われます。
出品者が不当に利益を得ていることになると思いますので、可能な限り返品・返金を要求したいところです。
出品者の詐欺行為を理由にするケース
詐欺行為または意思表示に対する要素の錯誤を理由に契約自体の無効を主張することが可能な場合があるようです。(民法95条、96条)
私自身は法律の専門家ではありませんが、不当に安く入手したソフトウェアをインストールして販売していることから十分主張が可能な事例と思います。
使用しているライセンス自体が違法と知れば購入しない人は多いと思いますし、また違法であること・逮捕者が出ている事例であることを認知している人も少ないのではと思いますので、対象となる方は多いのではなないでしょうか?
以下のリンクも参照していただければと思います。
http://www.ecnetwork.jp/public/netshop/houritsu002.html
商品提供の瑕疵を理由にするケース
こちらはNCNR特約とも関連してくる話と思います。
もちろん上記のパソコン販売時には違法に流通しているソフトウェアをインストールした商品とは書かれていないので、またprofessional plusとは説明がない場合がほとんどのため、正規に一般市場へ流通しているpersonal、home and business、professionalというエディションがインストールされていないことを理由に、商品提供の瑕疵を主張できるのではないかと思います。(民法570条)
商品自体が正しく提供されていないので、対象の期間内であれば法的に出品者側の不備による責任を追及できるものと思います。
ただ、必ずしも相手が対応してくれるとは限らないので、やむ終えず泣き寝入りになるケースもあるかと思います。
民事の場合はあくまで、相手の住所がわかっていることが前提なので、途中で訴訟等できずに止まってしまうな場合があります。
(詐欺行為をしている相手なので、法律を守ってくれない場合も多いかと思います)
相手の住所や電話番号がはっきりとわかっている場合は、法律をもとに主張すると話が早いのではないかと思います。
どちらにせよ、まずはトラブルに巻き込まれないことが先決ですので、怪しいパソコンは購入しないようにしましょう!
はじめまして
色々調べていたらこちらのサイトに行き着きました。
1カ月前にメルカリで購入したオフィス付きのPCの画面にWindowsのライセンス有効期間がもうすぐ切れますという表示がでてきました。PC初心者の私には何をどうしていいのか分からず、調べてみるとどうやら罠にはまってしまったようです。
情けない話なのですが、まだ少しの可能性を信じ、私の買ったPC業者がサイト主様が調べたリストの中にあったら教えてほしいです。
あと1番に何をすればいいのか分かれば教えてほしいです。
支離滅裂な文章で申し訳ないのですが、もし分かることがあれば返事を下さい。よろしくお願いします。
コメント確認いたしました。
個人的にトラブル時は「事実と正当な権利のもとに主張・交渉を行うことが必要」と考えております。
具体的なお返事内容はご連絡のアドレスに返信いたしましたので、ご確認いただければと思います。
設問の答えを丁寧に返していただきありがとうございます。
メルカリ事務局の方にコメント欄復活の願いを伝えたのですが、できないそうで他の商品のコメント欄に書いてみてのことでした。でももしブロックされたら終わりだなと冷や冷やしてたのですが1年間は不具合があれば請求できるかもしれないんですよね?なのでメルカリ事務局の方に今度は不具合があったので返金ないしはコメントの復活を要求しようと思います。(前回は出品者と再度話したいことがあるからとしか伝えていません。)
これが偽物かどうかのやり方は教えてもらった方法ではよく分かりませんでした。すみません。購入したパソコンの画像はあるのですが貼り方も分からないので
今回お金は返ってこないのかもしれないですが、ここで買ってる人は私以外にもたくさんいて騙されている人がこれからも増えていくと思うと悔しいです。
まだ確定した訳じゃないですがきっとこれは黒ですよね笑。事務局に聞いて返答が同じようなら出品者の他の商品のコメント欄に相談してみます。
もう少しお付き合い下さい!お手数おかけしますがよろしくお願いします。
説明の無い瑕疵により、黒であることが確実であれば最大1年間は返品等対応を主張することは法律上可能です。
「不具合で出品者側の対応が求められる事項についてやり取りをしたいこと」を伝えて対応を待つとよいかと思います。
自身の感覚では50%以上の確率で「黒」と思っています。
ただ騙されているけど気づいていない人のほうが格段に多いのではないでしょうか?
画像のほう未着のため運営のアドレス宛に直接貼り付けて送付いただければお返事いたします。
メルカリの事例をお示しくださり,ありがとうございます。
Amazon で購入したOffice搭載ノートパソコンでトラブルになりました。
具体的なやり取りを少しずつアップしていこうと考えています。
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
簡単にですが、内容を把握させていただきました。
自身の知る限り、国内向けパッケージ(OEM版含む)・DL版以外でのWindows向けの「Office 2016」には、「Home and Student」という海外版もあり、「OA-PLAZA」など、中古PC販売店でもインストールされたものが販売されているようです。
(サポートは恐らく無効でも、ほかの並行輸入品と同じような位置づけになるようです。)
ProPlusやOffice365は、ヤフオク!でも単品で1000円前後で取引されていることからも容易に判断できますが、非正規流通に該当するので、PCに組み込んでの販売にも問題があります。
偽物注意!Office 2013 2016の正規品入手方法と見分け方
民法に関するの部分は十分な解説はできませんが、違法ソフトでのインストールを説明しないなど、取引上の相違が出品者原因で起こったのであれば、出品者費用負担で取引解除できる権利を購入者側が有します。
現実的には、かかわりを持たないというのが一番というのがこちらの考えです。
丁寧なお返事をありがとうございました。
Amazon様やMicrosoft様の力添えもあり,返品・返金処理を行うことができました。
しかし,Office Office 365 A1 Plus for students であること,非正規流通であることは認めることはありませんでした。今後,この業者が Amazonでの販売を取りやめることはないと思います。これ以上のかかわりを持つことはやめにします。
良い勉強になりました。
返品・返金処理となっただけでも十分すぎる結果ではないかと思います。
ヤフオク!やメルカリで取引が完了してしまうと、期待できない結果ではあります・・・
非正規流通を積極的に認める方はいないと思いますので、今後も様々なところで同様なOffice入りPCを見かける機会があると思いますが、ぜひとも関りを避けていただくのが最良と思います。