2016年からのマイナス金利・低金利の影響により、銀行の預金金利も大幅に下がり、大手メガバンクやゆうちょ銀行では年間0.001%という数字になっています。(2017年現在)
定期預金の場合は0.01%と上昇しますが、相変わらずの低金利で、資金が一定期間拘束されるメリットがあるのかどうか疑問に思えてきます。
預金で増やすというよりも、出入金手数料や振込手数料がかからない銀行をうまく選ぶのが、現在の銀行のお得な活用術といえる側面もあります。
そんな中、普通預金でメガバンク、ゆうちょ銀行の定期金利を大幅に上回る場合がある銀行が、楽天銀行とイオン銀行の2つです。
それぞれの金利や使い方について紹介します。
楽天銀行はマネーブリッジ設定で金利が0.1%に
楽天銀行の場合、同じ楽天グループの楽天証券に口座開設を行い、マネーブリッジという楽天銀行と楽天証券の口座の連携制度に申し込みを行うことで、優遇金利が適用されます。
元々普通預金の段階で金利が0.02%であったものが、マネーブリッジの設定により金利が0.1%まで高まります。
100万円を運用して1000円、1000万円でやっと1万円の利息になり、そこから20.315%の税金が引かれるため、手元に残る金額は下がってしまいますが、リスク・資金拘束なくお金を増やしたい場合の相場はこれくらいです。
1万円くらいの利息であれば、ATMの有料での利用回数が多くなっても、預ける価値はあると思いますが、0.001%の金利であれば1000万円・1年間の預金でも100円の利息にしかならないので、1回のATM手数料で赤字になってしまいます。
こうなると、振込・自動引き落とし以外の用途で銀行に預けておくと損になるケースも出てくるので、銀行に預けておくのがバカバカしくなってタンス預金が増えているようです。
同行間の振込手数料は無料でポイント獲得可
楽天銀行同士の振込であれば、常時無料で送金することが可能です。
ネット銀行の中でも楽天銀行の利用者数は多いので、オークションの取引でも役に立つ場合が多くあります。
他行からの送金受け取り時には、会員ステージに応じてポイントが貯まるので、預金額10万円程度と少ない場合は、獲得できるポイントが利息額を上回る場合もあります。
他にも送金受け取りでポイントが獲得できる銀行はあるので、とりわけ優れている点ではありませんが、送金を無料で行えなおかつポイントも獲得できる点は大手銀行と比較するとお得です。
楽天銀行の手数料を無料にする方法
せっかく金利が高くなっても手数料がかかっては意味がない・・・ということで、楽天銀行の各種手数料を無料にする方法を簡単に紹介します。
給料の受け取りで月3回振込手数料が無料
楽天銀行での給与/賞与/年金受取があった場合、翌月の振込手数料が3回まで無料になるというものです。
他行への資金移動にも利用でき、また余った分は一時的にでも貯蓄しておけば、0.1%での金利収入が得られます。
他行でも振込回数が無料になるところはいくつかありますが、資金移動に便利な銀行で、普通預金(マネーブリッジ後)の金利が比較的高い水準なのが楽天銀行の特徴の1つです。
ハッピープログラムで月7回までATM手数料が無料
楽天銀行での預金額やサービス利用状況、他行からの振込受け取り・他行への振込件数に応じてATM手数料、振込手数料が無料になります。
ATM手数料:最大7回まで
振込手数料:最大3回まで(給与受け取りも含む)
振込件数が多い場合には無料回数が足らないかもしれませんが、振込予定日に合わせて楽天銀行から出金し、手数料無料の銀行から振り込むようにすれば、普通預金の金利をほぼ維持したまま手数料がかからず、もしくは安価な手数料で運用することが可能です。
なお資金移動に便利な銀行は以下の記事にて紹介しています。
イオン銀行はイオンカードセレクト発行で金利が0.12%に
イオンユーザーご用達のカードがイオンカードセレクトで、メインの利用目的はイオン・マックスバリュなどのお買い物時に、waonへのチャージで唯一ポイントが獲得できるという所にあると思います。
waonチャージ時の還元率はほとんどの場合0.5%ですが、年間のお買い物額によっては獲得できるポイントが2000円、3000円分となる場合もあるので、イオン・マックスバリュユーザーにはメリットがあります。
もう少し詳しく説明するなら、お客様感謝デーの5%オフの日に、株主優待カードでの還元対象となり、waonボーナスポイントが獲得できる商品を購入する場合、イオンカードセレクトでの支払いが最もお得になるので、節約意識が高くイオン・マックスバリュ等でお買い物する機会がある方は保有している可能性が高いということです。
もう1つお得な特典に、イオンカードセレクトに付帯している、イオン銀行としての機能とともにイオン銀行の普通預金金利が0.12%(税引き前)と、他行と比較して高い水準になる特典があります。
イオン銀行は同行間振込・ATM手数料が無料
イオン銀行は、同行間の振込手数料が無料の他、イオン銀行の出入金手数料が24時間無料なのをはじめ、みずほ銀行、ゆうちょ銀行、三菱東京UFJ銀行でも無料で出入金できる時間帯があります。
楽天銀行のATM手数料は取引数や預金額に応じて無料になる場合があったのに対し、イオン銀行では元々手数料無料なので、頻繁に入出金する場合にはイオン銀行の方がメリットがある場合もあります。
個人的にゆうちょ銀行での出入金が無料で利用できるのは大きいと思うので、定期預金にしない貯蓄用の口座にも向いています。
イオン銀行の手数料を無料にする方法
イオン銀行をさらにお得に使えるように各種有料となる手数料を無料にする方法を簡単に紹介します。
給料の受け取りで月1回振込手数料が無料
イオン銀行の場合、給料の受け取りのみでは月1回振り込みが無料になるだけで、この点は楽天銀行と比較して見劣りする部分だと思います。
なお、イオン銀行の住宅ローンを利用中の場合、月3回まで振込手数料が無料になります。
元々振り込みをしない場合や、ゆうちょ銀行など他行を利用して振り込みをしている場合にはそれほどネックにはならないのではないかと思います。
イオン銀行ポイントクラブが最大5回まで実質無料
イオン銀行(イオンカードセレクト)では、6か月の利用金額に応じて振込・ATM費用の一部をwaonポイントで還元すると特典があります。
振込手数料実質無料:最大5回
ATM手数料無料~半額:最大5回
いずれもwaonポイントによる還元、またATM手数料に関しては実質無料とならない場合もありますが、イオンカード・waon・デビットの利用状況に応じてポイントにて還元してくれます。
イオン・マックスバリュユーザーの場合、メインの銀行としてもそん色なく利用できるので、毎月のお買い物金額で給料の振込先を調整しておくと良いかと思います。
またイオン銀行でも同じく振り込みを受け取ったりすることでポイントが獲得でき、お得になる場合もあります。
他にも0.1%以上での運用には貸株という選択肢も
最後に同じく金利0.1%に相当する、SBI証券などの貸株について考えてみます。
金利0.1%の株の多くは、取引数が少なかったりと株価の変動が少ない銘柄となります。
別途配当や株主優待がもらえるので、資金の運用利回りは普通預金以上となりますが、その分リスクも伴います。
安定した運用を期待しない場合には向きませんが、0.1%でも低いと感じている場合には、定期預金で資金を拘束されたり、株価の変動リスクを踏まえながら運用する必要があります。
短期的に見れば5%近くの利回りで運用できる銘柄も存在するので、興味があれば探してみてはいかがでしょうか。
データは最新のものではありませんが、以下の記事で紹介している銘柄も年間の利回り5%で運用できる銘柄です。
※紹介しているのは購入時のまま優待内容などに変動がなかった場合の利回りで、長期的な株価変動のリスクがありますのでご注意ください。
まとめ
低金利時代の普通預金でも、利率の良い楽天銀行、イオン銀行について紹介しました。
手数料を無料で利用することができれば、わずかではありますが金利の恩恵を受けることができるので、タンス預金や他行と比較しながら普通預金の利率の高い銀行も利用候補に組み込んで検討していただければ幸いです。
預金が100万円以下であれば、どちらかといえば利用全体での手数料がかからないことの方が重要になるので、様々な目的に応じた銀行選びをするとよいかと思います。