ヤフオク!などを中心に、正常に動作しない、または故障している状態を示すジャンク品でも値段がついて頻繁に取引をされる商品が存在します。
一方で、状態が悪いこともあり、説明が「ジャンク品のためノークレームノーリターン」といった部分がメインで簡略化されており、あるいはジャンク品(扱い)になることを隠して出品したために、後々トラブルに発展しているケースも見かけます。
今回はジャンク品を出品する、購入するの両面から、注意すべき点を紹介します。
ジャンク品の定義とは?
ジャンク品は以前記事にした新品/中古品の定義と同じく、表記する方によっても認識の違いがあるので、その意味合いは商品を出品する方によっても異なります。
何かしら傷や故障などの使用等に伴う劣化が見られる商品や、未使用品でも新品としての保証期間がないものがジャンク品として流通するケースがあるため、分類上は中古品の一種として考えることが可能です。
元々の「Junk」には、ゴミ、ガラクタを指すため、ジャンク品との表記されている商品は、廃棄品・故障品と考えると自然です。
しかしながら、説明文にもよりますが、ヤフオク!などでの「ジャンク品」とは以下のような状態のものを示します。(取引されるケースの多い、電化製品の場合について記載します)
<ジャンク品として扱われる場合>
・使用上影響がないものの、故障・破損部位が存在する場合
・動作不良で部分的にしか動作しない場合
・動作の一部/全部が未確認(確認不能)の場合
・動作せず修理が前提となる場合
・未使用品などで提供後の動作を担保しない場合
(一般的な中古品でも返品不可で動作保証を行わない場合)
・中古品の相場価格で売却したいが、返品は受け付けたくない場合
ジャンク品も実は幅広い意味でつかわれており、廃棄寸前の粗大ごみのような扱いを受けるものから、中古品として動作するものであっても、返品を受け付けるのがめんどくさいからか、ジャンク品扱いとなっているものまで様々で、出品者によっても使い分けが異なります。
1つの商品の中にも利用することができる中古品の部分と、故障しているジャンクの部分が混在していることが多く、部分的にジャンク箇所がある(と扱うと判断した)商品はジャンク品として認識されている傾向にあります。
(ジャンクでなく状態の悪い中古品として出品されている場合もあります)
また最後の「未使用品などで提供後の動作を担保しない場合」に関しては、説明文中にジャンクと表記されておらず、場合によっては外観の状態から新品表記にとともに出品されることもありますが、ノークレームノーリターン・返品不可+αという表記をもとに、ジャンク品と判断できる場合が含まれています。
ジャンク品の購入時に注意したい5つのこと
売買する際に注意すべきことを、購入者側の目線より紹介していきます。
付属品は原則写真や説明文に記載があるもののみ
ジャンク品の常として、必ずしも動作を担保する必要はないので、説明文も簡略化される傾向にあります。
出品者は大きな売り上げは期待できないものの、少しでもお金に変えられればと、なるべく手間はかからないように出品しているケースも多いです。
そのため、動作を担保していないどころか、部品が揃っているかどうかまで記載されていないことも多いので、注意が必要になってきます。
場合によっては出品者で付属品のリストや、欠品リストを作成している場合がありますが、提供される付属品に関しては、自己責任での確認が必要になってきます。
事前の説明や価格によっては、部品が欠品していても、ジャンクだからと補償を行う必要がない場合もあります。
<出品者側の注意点>
文章でも付属品のリストや、欠品リストを作成しておくと、誤購入になりにくく、丁寧な印象がある。
動作保証範囲に関しては通常の中古品
ジャンク品といえども、一部でも動作を保証して販売される部分に関しては、一般的な中古品と変わりありません。
電化製品であれば、電源が付くかつかないか、また物理的な破損があるのかないのかでもジャンク品としての価値が変わってくる場合があります。
ジャンク品と書かかれていても、正常に動作しない部分があるだけで、目的の用途では問題なく使える場合には、一般的な中古品と同じと認識することができます。
もちろん動作保証されている場合でも、到着後1週間程度までの場合が多く、それ以降はむしろ故障しやすくリスクも大きくなりますが、同じジャンクの中でも比較的購入しやすい部類のものも存在します。
<出品者側の注意点>
必ず動作保証範囲を明記する。すべての動作を担保する必要はないですが、より多くの動作確認・保証を行うことで、より高値で購入してもらえる場合がある。
故障品を動作未確認とする等、不良を隠す行為はよくある
ジャンク品の場合、明らかな故障品を状態未確認として、利用できる・正常に動作する可能性があるように期待さるような説明文ともに出品されている場合があります。
様々な事情で動作が未確認の場合、故障があって当然という前提のもとに出品されているので、通常よりかなり安く落札できる場合もありますが、基本的には購入後に期待どおりに動作しなくても自己責任となります。
ただ、明らかに故障しているものを動作未確認として販売していたり、動作不良の程度を軽度に見せかけ少しでも高く売ろうとする悪質なケースもあるので、不明な要素があったり、説明に怪しさを感じた場合には購入を避けたり、入札や価格交渉の際の予算を下げるなど自衛が必要になってきます。
また、返品返金を受け付けないために、未使用品や一般的な中古品でも、あいまいな説明とともに「いかなる場合もノークレーム・ノーリターン」と記載して実質的なジャンクと同じ扱いとなっている場合もあるので、出品者の選別は必ず行うようにしましょう。
<出品者側の注意点>
説明がいい加減だと、誤魔化しを疑われやすくなりがち。
どこまでの動作を担保するかあるいはまったく担保しないか、正確に説明に記載することが求められます。
動作を保証する範囲に関しては事前に確認が必要
ジャンク品として販売されているもので、意外とあるのが説明文はいい加減で都合の良い部分がピックアップして書かかれているのに、価格だけは結構いい値段というパターンです。
その価格であれば、ほとんど動作する、場合によっては動作する中古品よりも高い値段がつけられている場合がありますが、説明では問題なく動作するのかどうか確認できない場合があります。
こういった場合には意図的に記載をしていない場合や、知識がないなどで正確に記載されていない場合もあるので、どこまでの動作を保証するか事前に明確にさせておくことで、商品到着後のトラブルを回避することにつながります。
事前に質問をして、回答をもとに購入の判断をすればよいのですが、勝手に期待して購入し、後に期待どおり動作しなかったと、身勝手なクレームを入れている方を見かけるので、ジャンク品に手を出す場合には動作保証範囲を中心に、責任の所在を明確にしておくことをお勧めします。
<出品者側の注意点>
付属品の時と同じく、動作が確認できた範囲、あるいは動作が確認できてない範囲を記載するなど、状態を誤認されない、あるいは誤認されたとしても出品者側に責任がないような説明文が理想的です。
過度な期待を避け最低限の機能を評価するべき
こちらもありがちなのが、ジャンク品なのに思ったより状態が悪かったという印象を抱くケースです。
もちろんジャンク品と記載があるものは通常よりも安値で取引されるため、安く入手したい場合にはこの上ないですが、動作が担保されてない部分にお金をかけるのは賭けのような側面があります。
極端に安く手に入るようであれば、動作が保証されてなくても入手を検討しても良いと思いますが、人気のある商品は必ずしも安くはないので、利用価値のあることが確実な部分のみをもとに価格などの評価をするとよいでしょう。
<出品者側の注意点>
過度に期待させるような表現は控え、「○○の部分には問題はあるものの、△△といった用途には問題なくお使いいただけます」、「動作不良があり破損や欠品もあるため、修理を前提としてご検討ください」といった形で、最低限実現可能なことを提案するくらいが、説明文として適切ではないかと感じます。
まとめ
ジャンク品はその定義があいまいになりがちですが、何らかの故障や不具合、あるいは動作確認ができないなどで商品の状態を担保できない場合に、「ジャンク品」として、あるいはジャンク品相当の商品として出品されます。
正常ではない部分は含まれるものの、その部分を除けば単なる中古品の取引なので、注意すべき点にはさほど変わりありません。
商品に対する知識は必要ですが、正常ではない部分と正常な部分の境目をはっきりさせることで、出品者にとっては意外と高値で販売できる、出品者にとっては必要なもの・部品などを安く入手できるのがジャンク品の魅力なので、取引する際には正確な表現・判断を心がけてみてはいかがでしょうか。