新品パソコンと比較して価格は安いものの様々なリスクが付きまとうのが中古パソコンです。
中古パソコン専門店より購入する場合は、知識がなくても比較的安心できる場合がありますが、個人間取引で購入する場合はよりリスクが高まる傾向にあります。
今回は、中古パソコン専門店などでネット上で買う場合と比較しながら、ヤフオクやメルカリで買う場合の注意点と正しい選び方について紹介します!
中古パソコン販売時の一般的な商品説明
新品パソコンの場合、「商品情報(型番・スペック・付属品など)+メーカー保証期間(+PR文章)」といった説明が一般的です。
一方で中古パソコンの場合は、「商品情報(型番・スペック・付属品など)+状態の劣化や不具合がある部分の記載(+PR文章)」といった具合に、どの程度の状態であるかの記載が必要になってきます。
説明のため、最低限必要な情報を表形式でまとめます!(自身所有のvaio proを例に紹介)
ソニー製 vaio pro SVP132A1CN | |
OS | Windows10 pro |
CPU | インテル Core i7-4500U @1.80GHz |
メモリ | 8GB×1 (増設不可) |
SSD | 256GB(ハイスピードSSD (PCIe 20GB/s)) |
ディスプレイ | 解像度:1920×1080ドット(フルHD)、タッチパネル有 |
ドライブ | 無し |
重量 | 約1.06kg |
Officeソフト | Home and Business 2013 欠品 |
付属品 | 本体、ACアダプター、元箱、説明書 |
商品(状態)説明 | ・保証期間:到着後1週間以内
・バッテリーは消耗品のため保証の対象外 ・全体的に小傷有、天板に5cm程のひっかき傷有、キーボード側左下側面部に落下に伴うフレーム歪みあり(詳細は写真を参照) ・動作問題なし(HDMI出力のみ未確認) |
場合によっては内容を画像にしてしまうケースもあると思いますが、ある程度必要なスペック等の情報を記載すると上記のような内容になります。
メーカーの市販モデルでスペックが型番のみで確認できる場合にはスペック部分を省略可能ですが、中古パソコンの値段を決める性能面に関しては記載しておくと良いでしょう。
※もう少し省略したり詳しく記載する場合もありますが、今回は個人的な見解で記載項目を選んでいます。
中古パソコン販売時の暗黙の了解(注意点)
中古パソコンの場合、商品説明に特段記載がなくても、暗黙の了解(通例)として事前に同意したとして取り扱われる項目があります。
購入時の説明に記載がなくても注意したい点について紹介します!(大手の販売店ではたいてい記載してくださっています)
バッテリーの容量の保証がない(消耗しているのが前提)
メーカーではバッテリーは消耗品との位置づけになっています。
一度でも使用された場合、バッテリーの消耗(劣化)が始まっているため、自然と新品時よりも性能は劣ります。
使用年数・期間に応じて劣化が進んでいくので、発売時期、購入日(確認できる場合)、バッテリー交換有無にて大まかに見積もる必要が生じてきます。
バッテリーが充電されない場合や、バッテリーが10分程度で落ちるなど極端な状態でない限り、記載されていなくてもバッテリーの消耗(劣化)が生じているのが常です。
故障のリスクが高まり、相対的に寿命は短め
最近のパソコンは4~5年以上経過しても使えることも多いですが、中古パソコンの場合すでに2~3年、場合によっては4~5年ほど利用されてから中古市場に流通する場合もあり、故障しやすかったり、小さな不具合が発生しやすくなっています。
価格が安い分、リスクも高まり寿命が短くなる傾向にあるので、その点も踏まえて購入判断を行いましょう。
動作保証は受け取り後~記載の期間まで
新品パソコンの購入時は、メーカーでの1年保証が付きますが、中古パソコンの場合は販売側の独自での動作保証の場合がほとんどになります。
保証期間は多数出品されている方の説明文をみると3日・1週間~6か月が一般的で、それ以降の故障等の不良に関しては対応が効かないため、メーカー並みの保証を受けることは難しい場合も。
また新品・未使用の区分で出品されているもので納品書、購入時に発行される保証書が付属する場合も、基本的には転売品(厳密にいえば中古品)となるので、保証が受けられない可能性があります。
ヤフオクやメルカリでの個人間取引の場合、そもそも説明文にどの範囲まで確認が行われたか記載がないことも多く、受け取り直後の確認時以降の不良の場合には購入側の責任となる場合・受け取り側に責任を押し付けられる場合もあるようです。
1点もののため不具合時には返品返金対応も一般的
中古パソコンの取引が成立後も、精密機械ということもあり常に故障のリスクがつきまといます。
販売側が意図せずに故障が生じてしまうこともありますが、その際に同じ商品のより状態の良いものへの交換や、グレードアップ品の代替提供、修理費用の負担といった商品提供を優先する対応もあれば、代替品が準備できなくてキャンセル対応となる場合があります。
キャンセル時の販売側の返金対応は商品代金+送料程度までにとどまり、また対応までに数日を要するので、急ぎでパソコンを入手する際は店頭で動作確認を行った後に入手するほうがより確実です。
中古パソコン購入時の選び方
新品と比較して消耗・劣化がある点を除けば、新品や新品同様のきれいな商品と選び方は同じで、作業内容(必要スペック)、使用年数および使用頻度、予算等をもとにに決定していきます。
新品や新品同様のパソコンをもとにした選び方は以下のページを参照ください!
追加で検討すべき項目は以下の通り。
製造・販売されてからの年数
販売されてからの年数に応じて、価格も下がる分、状態も悪くなってきます。
販売後1年は中古でも比較的値段が下がりにくい場合もあるので、少し価格が落ち着いてくる2年目以降を狙うと良いでしょう。(1年以内のモデルであればアウトレット品を買うという手段もあります)
⇒比較的長く使いたい場合は販売から2~3年までの新しめの商品を、安さを優先する場合は価格を重視して4~5年以上という選び方も選択肢の1つです。
傷の状態や不具合部分+動作確認範囲の確認
傷やキーボードのテカりなど、外観と使用状況は関連している傾向にあるので、状態を判断する要素として確認しておくと良いでしょう。
特に個人出品の場合ノートパソコンにおける外部出力など、新品と同じ範囲まで動作確認されていない(できない)場合もあるので、使用箇所・用途に合わせた不具合がないか確認しておきましょう。
古い商品の場合は無線LAN対応かどうかも重要な部分です。
(動作を確認した部分が記載してあったり、一部ジャンク扱いとなっている場合もあります。記載がない場合には一般的に動作不具合がないとみなせますが、ヤフオクやメルカリの場合は事前に動作を確認した範囲を確認しておくと良いでしょう)
付属品の確認
ACアダプターやケーブル類、Officeソフト、保証書等
故障や紛失、廃棄の関係で欠品の場合もあるので、注意しておきましょう。
欠品しているものが記載されている場合と、欠品がない場合が記載されている場合と両方があります。
個人的には用途に合ったものが適切な価格で手に入ればOKという考えなので、同じような性能の商品や、新品に近い後継製品の価格とも比較しながら購入を決めると良いでしょう。
個人間取引で購入する場合の注意点とリスク
ヤフオク、メルカリをはじめとしたフリマアプリで購入する場合には、より安く買える反面それ相応の注意点やリスクが生じます。
具体的な内容を紹介していきます。
説明文が不十分かつ返品不可
スペックの部分は説明されている場合がほとんどですがで、まれに型番、スペックなどの性能を決める部分が記載されていなかったりします。
さらに動作確認については、範囲の記載なく不明であったり、一部動作のみ確認であったり、動作確認はしたが見落としがある場合があるといった具合にあいまいな場合が多く、加えてノークレームノーリターンや、発送後の責任はないとする記載も含めると、動作する中古品として出品されていても総合的にはジャンク扱いと読み取れる場合も。
悪質な場合もあるので、ヤフオク、フリマアプリではほかの取引での評価も確認しておきましょう。
動作確認は大手ショップほど入念にではなく、確認環境の関係もあって実用的な範囲で確認が行われていることも多いので、必要な機能が使えるかどうかは事前に確認しておくようにしましょう!
誇大表現や根拠のない曖昧な表現が多い
サクサク動く、高性能・ハイスペック、爆速、大容量メモリ、HDD etc・・・
いずれも性能がよく見える表現ですが、最新の機種と比較するとそうでもない場合も多くあります。
誇大表現と思える部分もあり、主に個人間取引で商品の状態をよりよく見せようと使ってる場合がありますが、あまり参考にはなりません。
サクサク動くは特にひどく、現在のエントリーモデルに満たない商品でも使われているので、逆に購入者をうまく誘導して高値で買わせようとするための表現としてとらえることもできます。(※100%ではないのでご注意ください)
同じく現在のエントリーモデルのCPUと同等クラスのCore-i7 CPUが最上位クラスのCPUと紹介されていたりするので、個人間取引は恐ろしいと思いました。
まっとうな業者は特商法の観点から誇大表現は行わないので、性能をよく見せるためのこれらの表現を見かけた際は注意して確認すると良いでしょう。
知識がない場合も、一度は最新のパソコンのスペックを調べてみましょう!PassMarkなどで調べれば、大まかな性能比較は可能です。
違法ソフトがインストールされている場合が多い
上記2点と合わせて気を付けてほしいのが、違法ソフトで、Microsoft Office⇒Windows⇒Adobe (Photoshopなど)の順番に多くなっています。
特にMicrosoft Officeの場合はメルカリのOffice付きPCの半数以上が違法ソフト、ヤフオクの場合数が多いので、NEC・ノート15インチ以上・中古個人出品+商品タイトルに「Office」がある商品を対象に調査したところ、8割以上か違法ソフトかその疑いのある商品でした。
メルカリを調査したときの結果は以下のページを参照ください。
Office 2013、2016の偽物の一般的な見分け方は以下のページも参照ください。
Microsoft Officeの場合はたいていProfessional Plusという企業向けのボリュームライセンスがインストールされていて、正規認証との説明で紹介されている場合も多いですが、「正規認証?&違法流通」になるので、使用はできても価値のない商品になります。
Officeが非正規品の場合、Windowsも一緒にダメな場合が多いようです。(特にProfessional版やPro版)
正規品の場合は説明とともに写真でパッケージが写っていることがほとんどです。
パッケージがなく以下のような説明文の場合には、違法品の場合が多いので注意ください。バージョンが特定できない不正確な場合も多いです。
・Office 2013 正規認証済み(ワード、エクセル、パワポ等)
・Office 2013 Pro (Proの代わりにProfessional、Pro+等)
・Office 2013認証済み(キーコード無し)
※個人間取引で購入する場合は、パッケージがあるものまたは自分自身で別途調達&インストールを行うことをお勧めします。
注意点と選び方まとめ
新品よりも比較する項目が多いので、実は買うのが難しいのが中古パソコンです。
安いのはとても魅力的ですが、自身は普段使うパソコンにはきちんと動くもの安心して買いたいので、新品や新品に近い状態が良いものを買うようにしています。
10万円程度までであればネットショップでのポイント還元をうまく利用すると、実質的に安く入手することが可能です。
リスクも大きいですが、うまく選べれればお買い得なことも多いので、注意点もしっかり把握して購入すると良いでしょう。
知識のない方には全くお勧めできないので、店頭や企業が運営しているショップを利用することで、性能相応の価格で購入してください!