2016/10/7 総務省は「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」に沿った端末購入補助の適正化に関連し、不適切・過剰な値引きを行ったとして、携帯電話事業者(docomo、au、softbank)への行政指導を行ったと発表しました!

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一括0円、実質0円での販売は、4月のガイドライン作成で消滅したかに見えましたが、まだ続いていたことは残念に思います。

この機会に簡単に問題点をまとめてみました。

過剰な値引きが不適切な理由

総務省作成の「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」によると、

1.端末を買うユーザーと買わないユーザーとの公平性

2.MVNO業者の新規参入・成長阻害

といった理由で、過剰な値下げ販売を禁止するガイドラインが作成されています。

一時期は、数台~数十台規模でMNPして入手した端末の転売を繰り返して、不当に利益を上げる方もいて、販売側でも対策がなされましたが、その後も今回の行政指導実施の理由となるガイドラインが作成・施工されるまでの間は高額キャッシュバックが続いていました。

もちろん、キャッシュバック原資がすべて販売店・大手キャリアや端末メーカーから出ていればいいのですが、実際のところは高止まりする通信費に反映されていることになります。

最新の iPhone7 の場合、最低でも定価で7万円台後半ですが、それが今回の行政指導で話題になった時点ではほぼ実質無料、または1万円近くキャッシュバックを受けられる事例もあると報道されました。

仮にiPhoneの耐用年数として想定されている3年が平均的な機種変更までの期間として考えた場合、安く見積もっても月々およそ2000円分が何かしらの形で料金プランに反映されている形になっています。

一方で中古で入手した端末や、平均的な機種変更期間よりも長期にわたって同じ端末を使用している場合には、機種変更やMNP転入時の広告費やキャッシュバック代金が上乗せされた「割高な通信費」を払っていることになります。

端末を定価販売、もしくはそれに近づける形で毎月の通信費を下げると、新しい端末が売れにくくなるといったことはありますが、端末代金負担の公平化といった面ではあるべき姿ではないでしょうか?

下がらない通信費と分割購入者優遇

先ほども述べたように、端末を買い替える客を優先すると、通信費の高止まりにつながってしまいます!

実質無料で端末を提供した場合でも、古い端末や中古で入手した端末を使ってはいけないとルールはないので、最新の端末が不必要の場合には「実質無料で提供した端末」を売却して実質の運用代金を下げるという選択肢もあります。

結局、これを是正するには、特に最新機種の場合、端末を定価販売もしくは新古品の買取相場よりも少し安くする程度に留めて、残りを通信費の値下げに転嫁する以外にはないと思うのですが、こういった歪んだままの状況が維持されてしまっています。

大手キャリア3社も結局新しいプランは作ったものの既存のプランでは値下げしなかったことからも、総務省の意向に沿っているとは言えない状況です。

最新端末が定価販売もしくは新古品の買取相場に近い金額で提供されるようになると、今度は型落ちした安い端末+格安SIM(MVMO)といった比較する選択肢が生まれてくるので、MVNO業者との自由な競争につながってくるものと思います。

他にも、大手キャリアでは端末の分割購入者を優遇しているように見える側面がありますが、これも何らかの形で解消してユーザー間での不公平さが是正されるとよいと思っています!

MNPを繰り返すユーザーとの格差を解消する点も含めて長期利用割引プログラムが始まってきていますが、さらに踏み込んで不公平さが解消することに期待です!