携帯キャリア決済は、利用者からすればクレジットカード払い代わりに便利に利用できるものの、個人的には(年齢や自己破産などで)クレジットカードを発行できない方々が主に利用する印象があり、利用者の金融リテラシーが相対的に低くなる傾向にあるように感じてしまいます。

今回は携帯キャリア決済のデメリットについて、身近に感じることとともに紹介します。

メルカリで出資法違反での逮捕者が

本日(17年11月16日付)のニュースで、メルカリ内で繰り返し現金を販売していた男女4名が警察に逮捕されたと発表されました。

いずれも、現金を額面の120~130%もの価格で販売したことで、現金を額面以上で販売したように見せかけて法定上限を超える利息を受け取ったとし認定され、出資法違反に該当したとのことです。

ニュースを聞いてもいまいちピンとこなかった方もいると思いますが、借りる側(メルカリで購入する側)から考えれば理解がしやすくなります。

例えば現金1万円を1万2千円でキャリア決済またはクレジットカードのショッピング枠で購入し、2か月後に返済した場合を考えます。

この時、購入者は目先の1万円を手に入れるため、2カ月後のクレジットカード会社や携帯会社への返済時には2000円の利息とともに元金1万円を返済し、年利約120%(1年あたり約1万2000円)に相当する利息が発生していることになります。

借りる金額が10万円未満の場合の法定金利は、現在年利20%になっているので、逮捕された際の利息計算とは若干異なるかもしれませんが、このように高利貸しとも変わらない状態になっています。

ちなみに偽装質屋でも年利109.5%なので、それと匹敵するくらいの高利貸しがメルカリ内で営まれていたとみなされたようです。

キャッシング枠(年利18%)を利用して2か月間借金をしても(借入、返済を2回ずつ行い2か月間借金する)、利息は3.6%にしかならないので、実質的な利息が20%、30%となる現金をクレジットカード払い、キャリア決済で購入する層は多重債務などでまともな借金ができない状態であることが容易に想定できます。

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キャリア決済ではキャンセルが多くマナーが悪い

先ほどのニュースではたまたまメルカリでの現金が話題になっていましたが、キャリア決済またはショッピング枠の現金化のために、現金のみならず換金性の高い商品を購入する場合もあります。

任天堂スイッチのように、定価を上回って利益が出るようなものはあまりないかもしれませんが、人気の最新商品は、自分自身で再販売することで購入金額の8割~9割近い金額で換金できる場合もあります。

ここで自身がフリマアプリでスマートフォン本体(最新の未使用品)や人気のゲーム機を出品していた時の話になりますが、出品して取引を進めていく中、決済エラーが生じてしまうこと多くありました。

返ってくるメッセージによると、その大半はキャリア決済が原因とのことで、無言のまま無視される場合も見受けられます。

加えて、メッセージがかえって来る場合には「キャリア決済ができないためキャンセルしてください」と、一方的な要求がセットになっていることがほとんどです。

別途出品対応を行うなどで支払い方法を変更することは可能なので、一般的な消費生活が行える方であればキャンセルで全く取引をしないことは必要なく、コンビニ払いなどで支払いが可能なはずですが、一発目からキャンセル依頼が来るあたり、現金化目的でのキャリア決済購入だったのかと思うことが何度もあります。

取引よりかは、いかに早く現金を手に入れるかが現金化での購入者の目的なので、発送を急かしてきたり、上記のようにキャンセルが頻発するなどマナーの悪さを感じます。

もちろん以下の記事の通り、本来はメリットのある支払い方法の1つですが、自身は利用しないことや出品時にキャンセルによる迷惑行為を多数受けていることにより、あまり印象は良くありません。

スマートフォンの普及に伴い、スマートフォン端末および回線の利用代金とともに通販やゲームの課金、フリマアプリなどでの代金を支払うキャリア決済が人気になってきています。 今回はキャリ

商品を販売する側からすれば、キャリア決済への対応により、より多くのお客さんに利用してもらえるというメリットがありますが、個人的にはデメリット部分が目立ってしまい、個別にできれば利用を拒否したい(≒拒否した方が時間的なメリットがある)と感じることもしばしばです。

キャリア決済現金化の前にすべきこと

キャリア決済やショッピング枠の現金化で借金を作ることは、ある意味まともな借金ができないことを示す行為で、それ自体実践すべき行為ではありません。

キャリア決済での現金化利用者に向け、余分な借金をしない、借金を返済するためにすべきことを3つ紹介します。

キャリア決済ができる端末・回線契約は不要

キャリア決済での現金化が話題になっていますが、そもそも現金化するほど手元にお金がないのに、費用が割高な場合がほとんどの携帯電話回線を契約している時点で、身の丈に合っていない生活をしている場合がほとんどではないでしょうか。

借金を返済することを第一目的にすれば、最低限の電話・通信機能があれば十分なので、格安SIMやプリペイド式ケータイで十分です。

ライフラインとして必要と考えている方がいるのはわからなくもないですが、あくまでキャリア決済ができる立場の方は、まだ贅沢をしていると思っています。

当然、毎月の回線費用が安くなったり、端末を売却すれば返済するための現金が用意できるので、一番最初にすべきは、キャリア決済ができない状況を作り出すことではないでしょうか。

合わせて身の回りの最低限の生活に必要のないものは、売却してしまいましょう。

借金を背負う前に、時間にゆとりをもって売り切ってしまうのがベストですが、切羽詰まった場合にはヤフオクやフリマアプリでの安売りなり、中古店への一括売却などで素早く処分し、借金返済のために働く時間に充てる方が現実的だと思います。

ちなみに、こういったお金に困って身の回り品を販売している方をヤフオクやメルカリなどで見かけますが、手元のお金がない事情を背景に「着払い」での取引になることが多いので、自身は商品を購入先を選定する上で、対応が悪くトラブルが起こりやすいと考えできる限り取引を避けるようにしています。

朝・昼・夜と働けば借金は返すことができる

借金の額にもよりますが、100万円~数百万円前後・平均年収程度の場合には、身を粉にして働けば返済できない額ではありません。

昔のテレビ番組で、「早朝は新聞配達、昼は会社で働き、夜は居酒屋や土木工事のバイトをすれば借金は返せるはず」と断言する会社社長の発言を耳にしたことがあります。

現在では労働時間上の問題もあり、おすすめできない部分もありますが、借金を返すには寝る間を惜しんで働くことが必要というのを強く感じます。

賭博黙示録カイジという漫画に「金は命より重い」というフレーズもある通り、返済するつもりがあるのであれば、金額にもよりますが必死に働く必要があるのは言うまでもありません。

キャリア決済やショッピング枠の現金化で気軽な借金を重ねる方々には、この点の必死に働いてという部分が欠落している方が見られるように思います。

自己破産や任意整理などの活用も

中には不慮の事由により、やむを得ず借金を背負ってしまった方もおられるかと思います。

キャッシングやカードローンで限界まで借入してしまった方のすべきことは、現金化による新たな借金ではなく、自己破産や任意整理といった法的に認められた制度を活用することです。

現金化による割に合わない借金には、現在のバランスの崩れた生活を継続する以外あまりメリットがないので、積極的に認められている制度を活用することをお勧めします。

まとめ

携帯キャリア決済のデメリットを、最近話題となったメルカリの現金取引による逮捕者とともに紹介しました。

現金化を行うあたり、まともな経済生活がおくれているとは言えないので、商品を販売する側からすれば対応が悪い傾向があるように思います。

正規の方法で借金ができなくなった場合には、現金化以外の対応が必要となるので、必死に働くなり、また周囲の人間が辞めるようにアドバイス&場合によっては救済措置を行うなどで、解決を行うようにしましょう。