メルカリで現金の出品が流行しているのが話題になっているようです。
自身もアクセス数の変化から気付き、調べてみると額面の2割増しでも購入者がいる模様でした。
ぞろ目でも、エラー紙幣といったレア紙幣でもない単なる変哲な現行紙幣や、プレミアのついていない1世代前の旧紙幣が、まるで付加価値のついたような価格で取引されているようで、ある意味衝撃的でした。
クレジットカードのショッピング枠現金化が絡んでいるようですので、原理やこういった出品/購入が起こるヤバさについて説明します。
(写真は実際に出品されていた現金の実例のスクリーンショット)
クレジットカードのショッピング枠現金化とは?
クレジットカードを発行する際、ショッピング枠とともに付与されることがあるのがキャッシング枠です。
自身の発行するカードの場合、利用可能額=ショッピング枠>キャッシング枠という形です。
良くあるのが、利用可能額=ショッピング枠:50万円、キャッシング枠:10万円といったものです。
このキャッシング枠は、カード発行時の与信に基づき、無担保でお金を借りることができる金額の上限額を表します。
自身の認識におけるショッピング枠の現金化は、様々な事情により銀行やカードローンで借金できず、キャッシング枠を使い切った方が、さらなる現金を借金して手に入れるために行う行為です。
この際、例えば1万円分の商品をクレジットカード(ショッピング枠)で購入し、商品を第三者に買い取ってもらい、即座に8000円ほどの現金を手にするというものです。
一時的にでも手を出すような手法ではなく、繰り返し行う場合、まともな経済生活が送れていない自己破産、債務不履行や犯罪に手を染めるの一歩手前の状態であることを意味します。
金融機関がお金を貸してくれない状態でも借金ができてしまうのが大きな特徴で、手を染める方は後を絶たないように思います。
カード会社ではるショッピング枠の現金化は禁止されており、勝手に借金を重ねることは金融機関からお金をだまし取るような行為だといえます。
メルカリでは現金が額面の25%増しで売れている
自身が驚いたのは、メルカリでただの単なる1万円札が1万円分に対し、1万2000円~1万3千円ほどで販売されていることです。
世帯年収が下がっている影響もあり、消費が低迷している中、なんとも景気の良い買い物だと思ったのが理由の1つです。
出品されている理由、購入されている理由を調べてみると、先ほどのショッピング枠の現金化に行き当たりました。
個人的な推測も含みますが、購入する理由、出品する理由は以下のとおりです。
<購入する理由>
割高なコストを払ってでも、目先の現金が必要なほど経済状況が逼迫しているから
<出品する理由>
お金儲けができれば何でも良いというモラルの欠落した行為が許容できるから
個人闇金業・貸金業まがいな方法を用いてもリスクなく儲けたいから
購入する側も出品する側も、世間一般の通常の経済生活が送れている方にとっては、お金に関して「まともでない方々」といった認識になるのではないでしょうか。
借金ができない方、借金ができない方からお金を巻き上げる方といったほうが、まともでないの部分を適切に表現しているように感じます。
そして実生活では、付き合いを避けるべき方々の場合が多いように感じます。
残念ながら、お金に汚い方が一定数いることはこういった事実からも読み取れるので、今回はメルカリでの出品・購入が話題になりましたが、一般的なことであることは覚えておいて損はないでしょう。
ちなみに、現行紙幣を送れるのは現金書留だけで、ほかの方法での現物送付は郵便法違反となるので、今回の件に関連して知っておくと役立ちます。(振り込め詐欺でのレターパックでの現金送付も郵便法違反)
メルカリで現金を買わずにすべきこと
メルカリに現金を買いに来ていることからして、まともな借金ができない他、銀行口座が利用できないといったこと(多重債務状態であること)が推測されます。
一方、メルカリで買い物をできる時間や環境が確保できているのであれば、ほかにもっとすべきことがあるように思います。
メルカリよりも優先度合いが高いことを4つ紹介します。
メルカリを利用できる端末を売る
スマートフォンを利用している場合、パソコンを利用できる環境にある場合、そういった端末を保有することよりも借金を返済することが優先事項ではないでしょうか。
販売開始から4年経過したiphone5sでも1万円前後で売却することができます。
人によっては最後に残ったお金になる財産なのかもしれませんが、借金で返すために働く、または借金を返せず自己破産や債務整理をする以外の選択肢は不要に思います。
現状の生活を維持する必要はないので、多重債務状態で現金を買うまで追い詰められている場合、メルカリを利用できる端末は一時的にでも不要であることはお分かりいただけると思います。
昼職以外に朝・晩も働く
借金を返すつもりがあるのであれば、新たな借金をするよりも働いてお金を生み出す方に少しでも時間・労力を割くべきであろう。
過去にTVで見たとある社長の発言に、借金を返す気があったら、朝の新聞配達、夜の飲食店・土木関連バイトも並行して行うなど、人一倍の努力が必要というものがありました。
ここ最近の長時間労働が問題になっていることとは反する考え方かもしれませんが、借金を返すことは利息があることもあり、貯金するよりも遥かに大変な作業で、納得できる部分のある発言です。
自己破産や個人再生
いわゆる借金の支払いに関して全部またはその大部分に関して、合法的に免責を受けるということである。
ここでの対応の効果は、無理をして割高な現金をクレジットカードのショッピング枠で生み出さずに済むというものです。
こういったクレジットカードの現金化を継続して行っている限り、給料の手取りが目減りしていくことになるので、最低限の生活をおくれるだけの収入があれば、生活環境は改善していきますしこういった闇金のような現金化に手を出す必要もなくなります。
車がないと困るから現状を維持しようとする消費者もいるようですが、借金を踏み倒された方々はもっと困ることになるので、早期の判断は消費者もより早く生活を改善できお互いにとって良い結果につながることになります。
どうしても現金化する場合は極力自力で90%以上で
収入の見込みが立っているものの、どうしても現金が足りない場合、緊急的に行うことは必ずしも悪とは言えない面もあるように思う。
ただせっかくやるのであれば、2割、3割も目減りした現金を受け取るより、できるだけ等価に近い現金を得たいものです。
理想的なのは、飲み会や家族・知り合いの買い物の支払いを建て替え、現金を得るというもの。
支払額と同じ額の現金を受け取れるのであれば、カード会社からのポイントも含め割の良い現金化の1種とみなすこともできます。
もちろん、世の中でも一般的なことなので、あまり罪悪感を感じずに実施できる方法です。
他にも、切手ショップでの82円切手シートや新幹線の回数券(買いすぎるとカード利用が停止される恐れあり)→金券ショップ、amazonギフト→amatenなどのギフト券売買サイト、楽天などで安く買うゲーム機→個人売買などであれば購入額に対して90%以上の換金率になる場合も多くあります。
といっても、一般的なのはプレゼントしたけど余った場合などで数万円までで、それ以上は非常に怪しい話になるので、上記の現金化に関しても、建て替える場合以外には非効率な経済活動で、金融機関で借入する場合に及ばないことは把握しておきたい。
借金をする場合は金融機関の限度額まで
お金を借りすことはだれでもある話なので、悪いことではありません。
ただ借りるのであれば、できるだけ低金利で借りるというのが鉄則です。
銀行やカード会社で一般的に借り入れできる金利をピックアップしてみました。
カード会社の12回分割払い(楽天カード)
実質の年利は14.75%で、仮に10万円の支払いを12回分割払いにした場合、支払い手数料は合計で8160円です。
トータルで8%ほど割高な買い物をしたことになります。
住信SBIネット銀行のフリーローン
10万円~年利12%以下で借り入れが可能です。
こちらもカードの分割払いよりかは安くなりますが、取扱手数料の関係で10万円を12回・元利均等でっ借入した場合の支払手数料の総額は8000円ほどになります。
他の銀行でも同じような利率になると思うので、代表例として掲載しています。
日本金融公庫の教育ローンや生活福祉資金貸付
これらの制度の場合、国が関連しているローン・制度であるため、民間業者よりも安い利率で貸し出しを受けられます。
具体的な金額は計算しませんが、利率2~3%という条件もあるので、支払手数料の総額は8000円の半分以下になる場合も出てきます。
メルカリの割高な現金購入の手数料は高すぎ!
ここまでの説明を元にメルカリで販売されている高額な紙幣を考えてみます。
購入する側が、10万円分の現金を12万5千円、クレジットカードの12回の分割(返済額8%増し)で購入したとして計算してみます。(付与されるポイントは返済額の増加率で調整したとして無視します)
購入する側は、購入金額の他に、1万円の分割手数料を支払うので、返済が完了した時点で合計で13万5000円を支払うことになります。
きちんと返済ができる場合、逆に考えると1年で10万円が13.5万円に化けるということです。
ちなみに、1年で返済総額が13.5万円となる場合は金利約59%、12.5万円だったとしても金利43%となるので、恐ろしく割高な商品を購入しているということになります。
ポイントの現金化であればまだわかりますが、クレジットカードの現金化のみを目的として購入している場合には、消費者金融で借りた方が良いという話になります。
ちなみに売る側、メルカリ側の収益についても計算します。
メルカリは販売手数料10%を手にするので、取引が成立したとすれば12500円が収益となります。
販売側は手数料を差し引いた金額より送料(500円とします)を差し引いた金額より、現金の値段を差し引いて12000円を利益として得ます。
ここまで説明すれば、メルカリで現金が購入される場合、いろいろな意味で問題のある行為であるということは理解できるかと思います。
お金を借りるのであれば、是非とも返せる範囲・金融機関で借りれる範囲までを守ることをお勧めします。
メルカリでの現金出品まとめ
メルカリで現金の出品される理由や、現金を購入する前にすべきことを考えてみました。
今回はショッピング枠の現金化が話題となりましたが、詐欺のような行為や商品説明に不備があってキャンセルになる割合も高く、また匿名で発送できることもあって無資格な方々の転売も横行していることから、よろしくない行為の温床になっているように感じます。
すでにマネーロンダリングに活用される恐れから、2017/4/22に現行紙幣の出品は禁止され、削除が行われ始めているようですが、これもフリマアプリ特有の簡単に出品できるという敷居の低下が招いた1面があるように思います。
今後もメルカリを中心に、モラルの無い出品者・購入者に遭遇する機会はあると思いますが、他者とやり取りを行い責任が伴う以上、最低限の法律やルールは守られ、ポテチの買占め・転売なども含め悪い話題がニュースにならないことを期待したい。
<4/25追記>
他サイトでも相次いで取り締まりが行われていたり、現金に代わりチャージ済みsuicaが転売されていたりと、いたちごっこのような様相です。
ここまでくると、売る側にも現金を商品化しなければいけない事情(盗品などの可能性)がありそうなので、一般の方同士の売買には事業者が販売する上に問題が多い気がします。
メルカリでは販売許可はなくても誰でも(自分自身の持ち物として)出品可能なので、こういったレベルの話が話題になるのであれば、購入する際はなおさらトラブルに巻き込まれないように注意が必要です。