ここ最近、ブックオフの不振が連日ニュースになっています。
ブックオフはCMを打つなど知名度も抜群で、販売から数年たった本が半額ほどで購入できることもあり、中古本(主にビジネス書)を探す際に管理人も何回かお世話になったことがあります。
ブックオフオンラインヤフオク店をのぞいてみると、説明不足な中古品の出品が多いと感じたので、最近目にする個人のネット販売における説明不足な出品の特徴とともに紹介します。
ネット上の中古品販売時における説明必要事項
新品販売時は、原則として各商品における状態が一番良くなるので、商品そのものの説明を行えば説明が成り立ちます。
届いた商品がそのメーカーにおける新品と認識しておけば、輸送や取り扱い時の事故、商品に欠陥でもない限り、価値の下落はまず起こりません。
特定商取引法に基づく表記も含め、新品販売時の主な必要記載事項は以下の通りとなります。
・商品情報(画像、型番、サイズ、数量など内容が確認できる情報)
・送料(および発送サービス名(運送業者))
・支払方法(銀行振り込み、カード決済など)
・返品ルールや支払期限などの特記・注意事項
・販売者情報(個人出品の場合、匿名または落札時に開示するサービスも存在)
販売者によって書き方は異なると思いますが、適切な販売者であれば説明文や販売者情報を見ると最終的に上記の情報が把握できるようになっています。
中古品の場合、上記販売情報に加え、商品の状態(傷・汚れなど価値の下落や付属品の有無等)について記載する必要があります。
例えば中古のipadを販売する場合、商品の状態に関して以下のような表記が必要になります。
販売商品例:iPad Air2 wifi版 16GB ゴールド
<商品説明1>
・画面中央に1カ所1cmほどの線状の傷有り
・付属品はライトニングケーブル以外すべてそろっています
・動作は問題ありませんでした
<商品説明2>
・写真の通り何カ所か目立つ傷がございます(写真参照)
・付属品は写真にあるものがすべてです
・スピーカー出力不可(イヤホン出力未確認)、その他動作問題なし
上記のような内容または商品のランク分けに基づいた一律の説明がなされていることも多いです。
例えば「Bランク:小傷など使用感が見られる状態ですが、問題なくお使いいただけます等」
また写真を見ることで詳しく確認できるケースや、不具合箇所をピックアップして記載する場合も存在します。
環境によっては全部の動作が確認できないため、一部のみ確認している場合があるなど注意は必要になりますが、様々な表現で価値の下落部分が説明されています。
同じ状態であっても、表現の方法は2通り以上あるため、購入する側にも状態を正確に把握して申し込みを行う必要があることには注意が必要です。
一方で、説明に不備・不足があった場合には、販売者側が返品に応じるなど責任を負う必要があります。
ブックオフの業績不振とヤフオクでの評判
ブックオフの業績はここ数年下降気味になっており、不振の影響でトップが交代することになっています。
消費の低迷や電子書籍、フリマアプリ等の普及によるネット販売への敷居の低下、せどり屋のツール使用禁止など様々な要素が積み重なっていると思われ、どの要因が貢献しているか正確に言い表すことは困難です。
ブックオフに対する評判を調べてみると、元々中古本をメインに取り扱っていることから買取金額の安さが目立ったり、ネット販売における悪評が多く見受けられます。
今回はこの2点について掘り下げて考えてみます。
ブックオフの買取金額は安い?自分で売る方が得?
ブックオフの買取金額が安いと言われることは多いように思いますが、どんな本を買取に出したかが判別できないため信ぴょう性に欠けるように感じることが多いのではないでしょうか。
購入総額数万円の本を数十冊まとめて買取を依頼して1000円以下にしかならない・・・場合によっては1冊10円やそれに満たない場合がある、ぼったくり・・・といった評判をよく耳にします。
1冊数百円で販売される本であれば、販売価格に対して人件費や店舗の運営経費の割合が高くなるので、買取価格(商品の原価)として買取を依頼するお客さんに支払える金額はわずかしかありません。
運営経費や人件費について自分自身でネット販売する場合を考えてみるとわかりやすいかと思います。
出品に5分、取引の連絡に5分、発送作業に10分、合計20分が販売作業にかかったとして考えます。
売値が1000円、送料200円、手数料100円(10%)で考えると利益は700円、時給換算で2100円とまずまずの値になります。
売値が500円の本を販売した場合を同じように考えると、送料200円、手数料50円(10%)ですので、利益が250円
時給換算750円と最低賃金を割り込む数値となります。
同じ1冊を売っても売値が低い場合は、最低時給を割り込むことになり非効率です。
ある程度売値が高い商品であれば利益も見込めるため、買取価格へも反映可能ですが、安価な商品の場合買い取ったところで赤字か収支がトントンくらいにしかならないので、買取価格が安くなってしまいます。
実際の販売価格と見比べてしまうと、恐ろしく低額な買取価格の場合(例えば100円以下の買取で1000円で販売)もあり、「ぼったくり」や「ひどい」という印象の利用者も存在するようですが、その安い理由には売値(本の再販価格)と販売コストが関係しています。商品の価格は人気度合いにも左右されますが、中古品買取としては一般的なことです。
自分で売る場合、買取よりも高い収入を得ることができても最低時給を下回るような状態であればお得とは言うことができず、あながち買取価格が安すぎるとも言い切れないのではないでしょうか。
ただ単に買取金額と自分で販売した際の利益の数字だけを見ると、買取金額が安く見えてしまいますが、それぞれの行動にかかる時間も考慮したうえでメリットをある方を採用すれば良いだけの話です。
ブックオフのヤフオクでの評判の悪さと説明不足
ブックオフ(ヤフオク)の出品説明を見ると、簡素化された印象を受けます。
この点は大手の出品者でもよく見られるのですが、評価を見る限り、「在庫の管理不足」、「説明不足」による悪評が目立つ印象です。
中古で販売する以上、価値の下落分に関して説明義務があるのですが、写真や説明文を見ても判別できないものが意外と多いように感じます。
購入者はある程度の不足部分に関して問題なく利用できる(想定している状態である)と判断して申し込みをしているように思うのですが、ブックオフ側は写真や説明から判断できないものは一切関与しない方針なのか、ミスマッチが起こってしまっています。
お客を大事にするのであれば、この点に関して配慮が必要な部分だと思うのですが、大手で取り扱いが多いためか、スタッフの質の問題かわかりませんが、この点に関してはおざなりになっている印象です。
個人的には安心して購入できるとはいいがたい状況なので、少なくともヤフオクでの販売においては客離れが起こっているものと思われます。
お客側が勝手に悪い認識をしている場合もあるかもしれませんが、少なくともヤフオクでの販売に関しては評判を落とす要素が多分にあるように思うので、今後も説明不足の出品が続くのであれば注意が必要です。
個人出品者はさらに酷い場合もあるので要注意
ブックオフもネットの評判を見ると叩かれているケースも多いですが、それ以上に気を付けてほしいのが個人出品者(一般・素人)との取引です。
ブックオフをはじめとした事業者の場合、説明不足やいい加減な出品があったとしても特商法に従った対応を行うので、正当な理由がある場合、破損時の補償や、瑕疵があった場合の返品を受け入れてもらえることがほとんどです。
もちろん故障している商品等、返品できない商品に関しては事前に明記されているので、万が一商品に問題があった場合の対応について、事前に確認したうえで購入することができます。
一方で、個人出品者の場合、悪評の多いブックオフよりもさらにひどい出品も多く存在します。
多く存在するケースとして、説明不足、ノークレーム・ノーリターンの2つについて紹介していきます。
説明不足による2~3行での出品
メルカリをはじめとした簡単に出品できるフリマアプリの影響があるのかもしれませんが、タイトル+2~3行での出品で出品している出品者の方を見かける機会があります。
かろうじて商品内容は確認できますが、商品の特性(サイズや重量)、送料や価格の下落部分に関して一切説明のないものも存在します。
このような状態でも取引自体には影響のないケースが多いですが、勝手な出品者のルールがあったり、後々説明不足に起因するトラブルが起こりやすくなっているので注意が必要です。
送料が思った以上に高くなるケースや、送料無料の商品を勝手に普通郵便で発送して責任は購入者というケースもあります。
場合によっては物を売るレベルではない気もしますが、安さが魅力となって売れていきます。
説明に手を抜く場合、トラブル時の責任にも向き合ってもらえない可能性も相対的に高まる傾向にあるので、安心して商品を入手したい場合には取引を避ける方が無難です。
ノークレーム・ノーリターンの表記に注意
個人出品で多いのが、返品不可の表記とともにノークレーム・ノーリターンと記載があることです。
ジャンク品など商品状態の一部に対して責任を負わないためにノークレーム・ノーリターンが使われるのは一般的ですが、出品者に都合よく、「個人出品につき商品に対して・いかなる場合においてもノークレーム・ノーリターン」と記載している出品者の方が少なからず存在します。
もちろんある場合においては正しいのですが、「商品の提供が説明通り行われること」が前提条件となるので、先ほどの表現は誤りのケースも含めた形となります。
ノークレーム・ノーリターンの記載をひどく考えるとジャンク状態となるので、中古品でも動作するもの・通常使用には問題のないもの場合、あだ単に返品不可およびノークレーム・ノーリターンだけでは不適切な表現となります。
もちろん意図せずに、こういった表記が利用されているケースは多いと思いますが、正しい意味を分かっていない出品者も多いので、特に説明不足の出品には注意が必要です。
説明不足の出品には質問か購入見送りで対応
説明不足の出品への対応の1つに、出品者へ質問を行って認識の差を埋める方法があります。
返答の仕方によっても出品者の態度が読み取れるので、購入するかしないかの1つの判断材料になるかと思います。
ただ単に出品に慣れていない場合であれば、質問すればたいていの場合解決できることが多いように感じます。
返品不可の表記とともにノークレーム・ノーリターンがある場合には少々厄介ですが、万が一を想定したケースなどあまり相手に不快感を与えないように質問する配慮も必要です。
一方的に不備を指摘するような質問になってしまうと、相手としても厄介な相手を避けたいといった心理が働くので、お勧めはできません。
なお、こういった対応には総じて時間がかかるので、他の場所で買うことができれば購入を見送ってしまうのも1つの手です。
自身がメルカリ、ラクマで遭遇したトラブル、およびヤフオク購入側でのトラブルは以下の記事を参考に。
まとめ
説明不足な中古品出品・販売も増えてきていますが、トラブルにならずに済んでいるケースも多く、その影響は一部の取引にとどまるかもしれません。
ただ、過去にメルカリやラクマで取引した際はいい加減な説明文で出品している出品者も多く、トラブルが起こってもおかしくないように感じたので、安くても質問して内容を確認したり購入を避けたほうが無難と感じるケースは多くあります。
ネットでの中古品売買の場合、商品に対し認識の相違があると返品・返金や交渉に対しお互いに余分な時間(場合によっては費用)がかかることになるので、安さだけではなく相手が信頼できるかということを十分に判断して取引を行うことをお勧めします。
ブックオフも不振の影響でトップが交代することになったので、今後どのような変化があるか気になるところです。