2015年、退職直前のサラリーマン時代に開始した都内中古ワンルームマンション投資の物件情報、1年目、2年目の収支について紹介します。
現在の所有物件情報
自身が所有している物件および管理費など諸費用についてまとめます。
項目 | 詳細(2部屋分) |
---|---|
所有物件 | 23区内中古1R2部屋 (築12年前後(2017年現在)・2015年取得) SRC造(法定耐用年数47年)、25m2前後 |
物件価格 | 2部屋合計4290万円(2000万円台×2部屋) (自己資金250万円) |
月額賃料 | 2部屋合計19万円台 |
ローン返済 | 元利均等35年、利率:2.2~2.3%(契約時) 月々返済額:約14万円 |
表面利回り | 約5.5% |
管理委託費等 | 約12000円/月 |
管理費・修繕積立金 | 約28000円/月 |
固定資産税 | 年間約10万円 |
月間収支 | +15300円(税引き前) |
年間収支 | +約80000円(固定資産税反映後) (※更新料を反映すると年間約12.5万円) |
どちらも都内・23区・人気エリア、築10年前後の中古1Rマンションで、当時の年収でぎりぎりローンを組める金額での物件を所有することになりました。
いずれも都心部の駅近で設備が整った1R物件です。オーナーチェンジ物件で現在までのところ継続して入居いただけています。
単純な年間収支は+8万円なので、実質利回りは0.2%ほどでしょうか?
空室が生じにくい地域のため、頭金が5%前後では+収支になれば十分という形でスタートしています。
更新料も含めると、月々1万円が毎月入金され、自己資金に対する利回りは5%前後と、自身の株主優待銘柄を購入する際の目安の利回りと遜色ない利回りです。
今後は緩やかではありますが家賃の下落に伴う利回りの低下が起こるため、繰り上げ返済を行いながら+収支を維持しつつ、早期に1物件目のローン完済を行うことが1つの目標です。
1年目の年間収支(実質5か月分)
1年目といっても、取得時期の関係で半年ほどしか稼働していません・・・
諸経費は不動産会社側持ちだったので、不動産所得の赤字申告による損益通算での所得税の還付は狙えませんでしたが、ローンの返済開始時期が1か月遅れだったこともあり、年間の収支は+で終えることができました。
項目 | キャッシュフロー | 所得上の収支 |
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営業収入 | 1138362円 | |
管理委託費等 (固定資産税清算分含) |
193634円 | |
管理費・修繕積立金 | 112860 円 | |
不動産取得税 | 234269円 | |
ローン返済 | 596835円 | – |
ローン金利部分 | – | 343646円(※) |
減価償却費 | – | 283000円 |
合計 | 764円 | 0円 |
※合計すると約3万円の赤字となる。赤字の場合、借入金の土地部分に関する金利は経費算入ができないため、収支の計算上は314599円を経費として計上。
年末の忘れたころに会社員時代の手取り月収ほどの不動産取得税がやってきたので、意外とダメージが大きかったですが、更新料の入金もあったため、若干の+収支となりました。
同じ支払金額でも物件価格が割引され諸経費部分(約100万円)を自身で支払い経費計上できた場合、約80万円の赤字となるので、所得税の還付と住民税の低減効果で12万円前後の収入アップとの試算もあり、購入の仕方によっては不動産取得税の一部が取り戻せるといった感じの収支になります。
諸経費や不動産取得税がある分、1年目の収支はあまり出ないか-(マイナス)になる場合も多いと思います。
自身は不動産取得税をクレジットカード(REXカード)で支払ったので、還元されたポイント分(1.75-約0.8(支払手数料)≒0.95%)も考慮すると、年間収支は+3000円になりました。
2年目の年間収支
実質ここからが本来の収支が分かる最初の年で、不動産取得税や赤字申告の影響のない収支が出る年です。
不動産取得税がなくなったり、管理費等の金額が12か月分になるため個々の数字が変更になりますが、それぞれの支出項目に対する金額の変更はありません。
項目 | キャッシュフロー | 所得上の収支 |
---|---|---|
営業収入 | 2352000円 | |
管理委託費等 | 150984円 | |
管理費・修繕積立金 | 343620円 | |
固定資産税 | 104000円 | |
ローン返済 | 1673208円 | – |
ローン金利部分 | – | 852157円 |
減価償却費 | – | 681000円 |
合計 | 80188円 | 220239円 ⇒0円(経費計上後) |
計算した結果、2年目はキャッシュフローで+8万円、経費計上前の所得で+22万となりました。
ここから上記以外の経費を計上して、支払うor還付・減額となる所得税・住民税を反映させたのが最終的な利益、所得となります。
自身の場合は、保有している物件は事業規模となる5棟10部屋未満の2部屋しかありませんが、別途個人事業主として開業しているため青色申告を行うことで最大で65万円の所得控除を受けることが可能です。(その他の不動産収入に直接影響しない支出も経費計上が可能になります)
その結果、計上できる経費を最大限活用し、税金を計算するうえで必要な不動産所得は0円、キャッシュフローは+8万円で確定になりました。
一方でサラリーマン大家の場合(事業的規模でない場合)、不動産収入に直接関係する経費は少なく、計上できる経費が限られてきます。
経費計上できるものとして代表的なのが青色申告の10万円分ですが、そのほかでは不動産収入を得るために支出した直接的な経費が計上できるのみで、家賃、通信費の一部などは経費とみなされない場合もあります。
例えば物件を自主管理していて、管理業務のため自宅から物件まで移動した場合の交通費など、必要不可欠なものは経費計上することで支払う税金を少なくすることが可能です。
単純に不動産所得の22万円に所得税・地方税合わせて20%の税金がかかるとすると、それだけで4万円以上の税金が発生するので、手元に残るキャッシュが減ってしまいます。
返済が進むと、ローン返済額における元本部分の割合が増えて行くので、年々経費計上できる金利が少なくなり不動産所得が増加していく傾向にあります。
事業的規模(5棟10部屋)になる、不動産業以外の事業所得を得る事業を始める、節税を学ぶことで税制上有利に運営を進められるので、特に2年目以降は節税に関する勉強をしておいたり、専門家に相談しておくことをお勧めします。
1年間(2年目)の運用による資産構築額の試算
不動産投資で手元に残る金額が少なすぎる・・・と感じた方も多いかと思います。
手元に残る金額は確かに少額ですが、同時にローン返済の一部が資産構築に寄与しているので、ローン完済まで保有すれば、投資した不動産が丸々自分の物になります。
ただし、購入した金額よりは価値が下がるのが一般的で、自身の場合ローン完済時の物件の築年数がちょうど法定耐用年数と同じなので、単純に土地部分の価格(購入時の4割)が資産構築に寄与すると考えます。
返済の元本部分は約82万円なので、1年間で約33万円分の資産がローンの元本返済に伴い増加したと考えることも可能です。
手元に残るキャッシュと合わせると40万円近くの+になります。
ここまで見ると、投入した金額に見合う数字になってきますが、ローンを組むと金利返済の割合が大きく非効率なので、いかに早く1部屋目のローンを完済できるかが自身の運用上の課題です。
サラリーマン時代に不動産投資を開始するまでの経緯は以下のページにまとめています。
中古ワンルーム投資の収支・運用実績まとめ
自身の所有する都内中古1Rマンションの収支を紹介しました。
現在はかろうじて+収支ですが、空室が出るといつ-に転落してもおかしくないので、繰り上げ返済を活用して早めに完済することを現在の目標にしています。
現状投下した資本に対して文句のない収益が得られているので、+のキャッシュフローを維持しつつ、安定した運営が行えればと思っています。
思ったほどキャッシュフローが出ない、場合によっては毎月赤字で運用している場合もあるのが都内中古1Rですが、人口(入居対象世帯)の増減やメンテナンス費用も踏まえて選ばれている面もあります。
高利回りをとるか低利回りでも安定性を取るかは投資する人それぞれですが、1部屋からでも事業なので、氾濫している情報や都合の良い勧誘に流されず、目的に合った運営の参考にしていただければ幸いです。