メルカリに連動したスマホ決済サービスが開始され何かと話題になっていますが、今回は利便性の議論はあまりせずに、手数料・ポイント還元から考えるメリット・デメリットについて紹介します。

メルペイの基本情報

メルペイはメルカリの売上金や、銀行残高より手数料無料でチャージを行うことで、メルカリ内の支払いだけでなく、電子マネーiDの機能にて実店舗での支払いにも対応した決済手段です。

基本的な情報を整理しておきます。

メルペイ
還元率  0%
手数料 ・チャージ手数料:0円
(※決済手数料(店舗側負担):1.5%)
チャージ手段 ・メルカリ売上金
・銀行口座
電子マネー  実店舗ではiDとして支払いが可能

使い勝手については議論しませんが、銀行口座からのチャージ手数料が0円であること(コンビニ・ATM払いに置き換えて利用できること)、メルカリ売上金およびチャージ残高をメルカリ内でも実店舗でも使えるようになったのが、これまでとの大きな違いです。

また決済手数料が1.5%と安価なので、店舗側にとっては導入しやすいというのも特徴です。

ポイント還元がないことはデメリット

「メルペイ」は使われる決済として宣伝されていますが、クレジットカード保有者や、高額な売上金を得ている方にとって利用機会が多くないのでは?というのが自身の印象です。

その大きな理由は「金銭的なメリットが感じられないこと」です。

具体的には、①支払い利用時にポイントが付与されない②売り上げ金を「メルペイーメルカリ内部」に拘束されてしまうという点です。

後者の方に関しては、売上金を振込申請してからのタイムラグとの比較にはなりますが、普段からクレジットカード決済で支払いを行っている場合、一括払いであれば支払いを手数料なく後回しにしてポイントまで獲得できます。

もう一歩踏み込むと、クレジットカード払いが当たり前の方にとって、ショッピングサイトでのクレジット払い・実店舗では余分な手数料がかからないことは常識ですし、手数料がかかったりポイントが付与されない決済手段を使う方がそもそも損になってしまうので、単にスマホ決済に対応しただけという認識になってしまいます。

なので多少時間がかかってもカード利用代金の引き落としまでに出金できれば、メルペイをわざわざ使うメリットはなく、売上金を拘束される方がデメリットになります。

自身がメルカリに出品する場合は、1個1万円以上の売り上げになる商品を中心に販売するか、売上金が残っている状態で安価な商品を売却してまとめて出金するので、今後1%のポイント還元が開始されるようなことがあっても、使う機会があまりなさそうな印象を受けます。

そのほかにも、スマホユーザーに限られてしまう点や、対象端末が限られてしまう点はデメリットともなりますが、今回は言及は行っていません。

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少額売買には大きなメリットに

メルカリの売買で多くみられるのが5000円前後までの安価な商品で、出品者によっては1000円以下の少額の商品取引が主流な場合もあります。

そういった場合、10点近く販売してもメルカリ便送料の関係もあり、売上金が1万円に満たない場合も多く、従来のままだと手数料を払ってでも出金するか、メルカリ内の他の商品を購入するかになります。

経験がある方も多いと思いますが、特に安価な商品で「売上金が○○円なので○○円になりませんか?」といった購入者都合の交渉が来るのは、出金手数料も関係している場合があります。

メルカリの出金時の手数料体系は以下の通りです。

1万円未満で出金 1万円以上で出金
通常時 210円(0円扱い) 0円(違いなし)
お急ぎ出金 410円(0円扱い) 200円(0円扱い)

ここで、普段から現金払いを利用する利用者の場合、メルペイを利用した場合には手数料がかからないということが大きなメリットになります。

具体的にはカッコ内で記載した通りで、メルペイでの支払いでは換金時の手数料がかからなくなる分、少額取引を中心に行う方はメルペイの方が楽チンでお得に感じる状況が生じます。

加えて売上金が足りないなどの理由で、従来通りコンビニ払いを行う場合、決済時に手数料100円が別途かかってしまうので、メルペイ利用でメルカリでの支払いでも余計な手数料を回避できることにメリットを感じる利用者も存在します。

クレジットカードユーザーで売上金も1~2週間で難なく1万円を超える利用者の場合には、メリットがあまり感じられないと思いますが、利用者によっては銀行口座へ出金するユーザー、クレジット払いユーザーとは異なった視点でお得になるのが、メルペイのサービスの特徴になるのではと思います。

自身の場合、少額な商品の出品は売上金が十分に残っているときか、1万円以上残っている場合に限って行っていましたが、安価な商品でも1点から出品しやすくなるのは、利用者に限らずメリットを感じられる部分です。

数百円の売上金でも、すぐに手数料を取られずに実店舗で幅広いお支払いに利用できるという点では、メルペイの利用価値が高いように感じます。

メルペイ社側のメリットは手数料収入やデータ活用

メルペイ社側もプールしている売上金を早期に失うことにはなってしまいますが、メルペイでの支払いが行われることによる手数料収入が見込めますし、他の電子マネーと同じく決済情報をもとに収集できるデータ活用でのマーケティングへの応用が可能なので、全体的にはメリットになることが想定できます。

現時点ではただ単に「メルカリでの売上金が手数料なく実店舗で使える」というキャッシュレス決済サービスのままですが、今後の自治体との提携や、メルペイでの決済情報をもとにメルカリに出品できるようになれば、より多くの利用者にもメリットを感じられやすくなっていくものと思います。

メルペイの他決済サービスとの違いは、メルカリでの取引情報をサービスに反映・活用可能な点なので、その点でも特徴のあるサービスが提供されるかどうかが、手数料がかからないことにメリットを感じる一部の利用者にとどまってしまうか、これまで銀行口座へ出金していたユーザーもサービスへ取り込めるかの分岐点になると予想しています。

まとめ

メルペイのサービス開始直後の内容をもとに、主に手数料・還元率の面より考えるメリットデメリットについて紹介しました。

現状でメルペイの利用メリットがあるのは、売上金が1万円に満たない状態でメルカリ以外でのお買い物に利用したい場合と、コンビニ払い・ATM払い・売上金を出金しても普段から現金払いを行う場合のみで、支払いによるポイント還元がない状況ではメリットに感じるかどうかは意見が2分される状況です。

支払い自体はとても便利に使えるように設計されているので、手数料がかからない点や、売上金をすぐに店舗での支払いにも利用できることにメリットを感じる場合には、乱立するスマホでの決済手段の1つとして取り入れてみてください。