ヤフオクや、メルカリをはじめとしたフリマアプリを利用した個人間取引(C to C)が増えてきて、気軽に不用品の販売ができるようになってきている中、できるだけ多くの方に住所・氏名等の情報を知られたくないという意見もちらほら見かけます。

自身もお取引において(主に販売する側ですが)、相手が虚偽の電話番号を記載していたために連絡がつかなかったり、住所が不完全で発送前に届くか確認する必要があったり、営業所止めや私書籍宛の発送といったケースもありました。

今回はネット上の個人間取引における住所・氏名・電話番号についてまとめてみます。

ネット取引では電話番号・住所・氏名は開示が義務?

ネットショップ、ヤフオク、フリマアプリ等での電話番号・住所・氏名の記載についてまとめてみました。

ネットショップ(事業者として出品する場合)

個別のサイトや、ショッピングモールに事業として出品している場合をネットショップとして表記しています。ヤフオクストアやヤフオクの個人形式で事業出品をしている場合もこちらの分類になります。

⇒特定商取引法の規制対象となるため、販売前に販売者の情報が確認できるように記載が必要

会社の場合は氏名の部分は会社名・代表者名・担当者名等に置き換わって記載されています。

詳細はこちらでも紹介しています。

特定商取引法(特定商取引に関する法律、特商法とも、(制定時は訪問販売法))は1976年(昭和51年)、訪問販売等、業者と消費者の間におけるトラブルが生じやすい取引について、トラブル

記載がない場合は、特定商取引法違反として処罰される場合もあります。

ヤフオク(個人出品)

ヤフオクのガイドラインや利用規約、未着・未入金トラブルお見舞い制度などから、ヤフオク!では取引相手の住所、氏名、電話番号の開示・確認を推奨しています。

社会通念上、取引相手の住所・氏名・電話番号を確認せずに取引をした場合は、利用者が通常求められる注意を欠いたと認められるため、未着・未入金トラブルお見舞い制度の対象外となるといった内容の記載もありました。

現在は取引ナビで自動的に情報が開示されることがほとんどのため、個人情報を開示しない場合よりも虚偽の内容を開示する場合のほうが多いのかもしれません。

最終的に購入側から個人情報開示の要求があっても出品者側が公開しない場合は「社会通念上」も出品者側に問題ある行為となるようで、利用者のほとんどはこういった認識にあるのではないかと思われます。

メルカリ等のフリマアプリ

ヤフオクとの大きな違いはすべてのお金のやり取りにエスクローサービスのみを使用する点です!
(ヤフオクはスマートフォンなどの一部商品のみ)

エスクローサービスを簡単に説明すると、購入者が運営会社あてに代金を支払い、取引が正常に完了した後に運営会社から販売者へお金を受け取れる権利(売上金)が渡るというものです。

メルカリやラクマ、フリルといったフリマアプリでは、商品購入時に出品者の方にのみ取引相手の住所が伝わる仕組みになっており、発送に必要な最小限の情報が開示されるようになっています。

虚偽の情報を登録することは禁止されており、また普通郵便や宅急便等でも正確な住所・氏名を記載しないことによって、商品のあて先不明による返送ができなくなってしまうことから記載自体は必要になります。(電話番号までは必要ないようです)

一方で、個人情報を知られずに取引したいという方のために、正確な住所・氏名を登録することを前提に、メルカリの「らくらくメルカリ便」にて、購入者、出品者ともに個人情報を知られずに商品を送付できることから、正確な情報登録があり、問題なく取引が成立する場合には(運営会社側が情報を管理することを前提に)、開示が免除される場合もあるようです!

場合によってはトラブル等で取引者間のやりとりで開示が必要になったり、警察など公的機関からの要請で運営会社から情報提供という形で情報開示がなされる場合も考えられますので、100%匿名という認識は逆に問題になる場合もありそうです。

個人間取引における購入側の確認推奨事項

個人的には、個人間取引においても「トラブル防止のために制定された特商法」に従った、または特商法に準じた対応が重要と考えています。

公的機関の作成した個人間取引における住所・氏名・電話番号に関する注意事項を見ると、確認事項についてはおおむね以下のような記載があります。

**************

・相手の住所、氏名、電話番号を必ず確認する
・住所が実在するかweb検索やgoogle map等で確認する
・直接電話等で相手の電話番号を確認する

⇒虚偽や間違いがあった場合には出品者へ確認を行ったり、信用できない相手と判断して取引を行わないことが必要

**************

ここまでをまとめると、最低限出品者側は取引の申し込み後に住所、氏名(+電話番号)を開示するか、匿名発送サービス利用でも後日請求があった場合には開示に応じる必要があることになります!

個人的には住所、氏名(+電話番号)の公開は「ネット上の商取引における責任の所在を開示する」という意味があると思っています!

個人情報を悪用されたくない場合は、販売側ではリアルなフリマで販売したり買取店などの信頼できる業者に依頼する、購入側は実店舗・フリマで買えば済む話でもあります。

特に販売側がネット上で個人情報を伝えずに取引したいという考えは、ただ単に自身に都合のいいだけという面があり、ネット上で販売して利益を得る以上はトラブル防止の観点からもふさわしくないと考えています。

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自身が経験した住所・氏名・電話番号に関係する事例

最後に、住所、氏名、電話番号に関連する自身のネット上での取引における体験談を紹介します。
※必ずしも悪意をもってというわけではないので、お取引の際の参考としてお考えください。

購入者側の住所不完全(@メルカリ、ラクマ)

メルカリの購入後のアラートで、「購入者の住所が不完全の疑いがあります」のような表示が取引画面でされていました。

相手に届かないと困るので、確認したところ、集合住宅の部屋番号が抜けているために購入者側に聞いたところ、それで届くためOKとのことでした。

郵便物が届けばOKという感覚や、変に住所がばれて詮索されたくないといった理由から、部屋番号まで記載なかったのではと推測しています。逆はNGですが、途中までという方は(意図的にも不注意の場合にも)意外と多いのかもしれません。

もう一つ、ラクマでデータを中心にやり取りされている方がいて、町名までの住所記載でしたがそのまま書いて定形郵便で発送してしまったことがありました。その後、こちらのミスとまでは言えない部分ですが、郵便局に電話して無事に発送完了できたことがありました。

営業所止め・私書籍・レンタルオフィス宛(@ヤフオク)

ヤフオクで多いのがこのパターンで、自宅の住所は開示したくないために、配達する営業所等の住所のみを記載している場合が時々あります。

伝票番号から配達状況が確認でき、自宅でなくとも問題なく受け取れるため利用している方は一定数います。
(仕事で受け取りの都合上、取りに行った方が便利という場合もあります。)

色々と事情があると感じる面はありますが、そうしてでも購入してくださるのはありがたい面もあります。

転居時の登録情報変更忘れ(@ヤフオク)

たまにあるのが、郵便番号と住所が一致しないというパターンで、私書籍あてでもなさそうなケースです。

埼玉県の固定電話番号で、別の100kmほど離れた地域でとても本人に届かなさそうな住所だったため確認でメールしたところ、さらに500kmほど離れた地域が現住所とのことでした。

届かない住所に送ってしまっても逆に未着の原因となり問題なので、自身は確認後に対応するようにしています。

まとめ

ネット上の個人間取引においては社会通念上、住所、氏名(+電話番号)を確認しての取引が求められています。

詐欺等のトラブル未然防止・トラブル時の責任の所在となる情報を明かすためや、届け先情報が不完全であった場合の返送先や、発送前の発送側のチェックとしても活用する場合があります。

必ずしも開示が必要でない場面もありますが、いざというときには匿名では対処できない場合もあるのでご注意ください!