2017年6月22日、メルカリで一部ユーザーの個人情報が流出したとの報道がありました。

パソコン版(Web版)での利用者約5万4千人分が対象となり、自身も普段は利用しなくなりましたが、たまたまメルカリにアクセスしたために個別でメッセージが届いていました。

時期を同じくメルカリボックスというメルカリの利用に関するQ&Aサービスも開始されましたが、運営側がよくある質問&回答集を作るのを手を抜き、ユーザー同士での解決を促すという名目で運営側が責務を放棄しているような面もあります。

今回はこの2件に関して、運営が機能していないと感じる点について取り上げます。

メルカリでの個人情報流出内容

(写真は実際の届いたメッセージのスクリーンショット)

メルカリでの個人情報流出対象となったのは、6月22日の障害発生時にパソコン版(Web版)にアクセスした利用者約5万4千人です。

閲覧された可能性のある個人情報と人数の内訳は以下のとおりです。
メルカリエンジニアブログより)

 影響範囲 アクセス数
名前・住所・メールアドレス・電話番号
(※登録しているお客さまのみ)
459名
銀行口座情報、クレジットカードの下4桁と有効期限
(※登録しているお客さまのみ)
1855名
購入・出品履歴 22458名
ポイント・売上金、お知らせ、やることリスト 53816名

NHKをはじめ大手ニュースサイトが取り上げるなど話題になっていましたが、悪用されやすいクレジットカード番号までは流出していないので、流出したことによる直接の被害はあまりないだろうと思われます。

名前・住所・電話番号(メールアドレス、銀行口座は場合による)は元々お取引で開示することが原則なので、流出がなくとも出品を行う場合には第3者(購入者側)からは取得可能な情報です。(※匿名発送の方がイレギュラーなため)

一方で、購入専門にしている方にとっては、メルカリ側による余計な個人情報の流出によって不快な思いをされているかと思います。

メルカリ側から送られてきた個別メッセージには、一連の騒動の顛末が書いてありましたが、内訳が確認できないのかどの範囲までの情報にアクセスされたかまでは記載がありませんでした。

漏れた個人情報に関しては議論を行いませんが、個人情報を運営側自ら流出可能な状態にしてしまったことが、今回の騒動に関する一番の問題点のように感じます。

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メルカリボックスの開始と運営の手抜き

情報流出と時を同じく、6/21にメルカリボックスというQ&Aサービスがメルカリ内に新設されました。

「メルカリでわからないことをみんなで相談できる」というコンセプトは理解できますが、個人的には以下の点から、現状は運営の手抜きのためのサービスであると感じています。

ヤフー知恵袋の機能をメルカリ内に劣化移行したサービス

メルカリボックス内のコメント・制度を見ると以下のような特徴がありました。

・質問内容が重複&過去の投稿をチェックしてない
・利用者側のメルカリのガイド内容確認や、規約理解、知識の不足
・一般利用者の善意での回答がメイン(内容保証無し)
※必要に応じてメルカリが介入

制度的にはYahoo!の知恵袋サービスがメルカリ内にもできたという印象ですが、重複した投稿が多すぎるのでかえって質の悪いサービスになってしまっています。

これまではメルカリボックス内のコメントの多くがメルカリ運営へダイレクトにあったとなると、サポートも相当な労力を割いて対応しているものと思われますが、内容を見る限り大した内容でないものがほとんどです。

利用者のレベルにも差があるので仕方がない部分はありますが、メルカリ運営側も簡単なガイドしか掲載しておらず、簡単に出品できることはPRするものの、結局のところ販売する場所を提供して利益を上げることに重きが置かれている印象があります。

簡単に出品できることでメルカリに集まってきた知識の浅い利用者に対しても、メルカリ側が丁寧な説明で理解を促してユーザーの疑問を解消してもらう必要があると思いますが、その機能を今回のメルカリボックスにゆだねようとしている部分が見受けられます。

運営側はまずガイドから改善すべき

メルカリで色々と問題が噴出している理由の1つは、スマホでかんたんに売り買いができて分け隔てなく利用者を集めたからではないでしょうか。

最近では現金出品が話題になるなど、敷居の比較的高いヤフオクではあまり見られない、メルカリならではといえる問題が起こってきています。

メルカリで現金の出品が流行しているのが話題になっているようです。 自身もアクセス数の変化から気付き、調べてみると額面の2割増しでも購入者がいる模様でした。 ぞろ目でも、エラー紙

ヤフオクで取引できるだけの知識を持ったユーザーであれば、メルカリでも問題なく利用できますが、メルカリボックスの質問内容を見る限り、そうではないユーザーも存在します。

個人的にガイドを改善するだけでも、「メルカリでわからないこと」を解決できる面も大きいと思っているので、先に利用者同士で解決させようという点は運営側の手抜きのようにも思えます。

脱税・犯罪や犯罪まがいな行為を助長するかのような面もあり、利益を巻き上げるよりも、もっと適切な対処方法があるのではないでしょうか。

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不正利用者や規約違反者への対応は後手後手

今回話題にした2点だけではなく、過去にも色々と問題行為が話題になっています。

最近では無在庫転売の本格的な規制もあり、対応が追い付いてきた部分はありますが、利用者の敷居を下げたことによるトラブルが相次いでいるように感じます。先ほどの現金販売にしてもそうです。

また、別の角度から言えば、生活保護受給者の闇口座になっていたりするなど、メルカリのアプリの設計が逆に不適切な方向に利用されてきてしまっています。

説明文がいい加減な出品者も多く、またノークレームノーリターン表記でジャンク品のように商品を販売しようとするなど、自身は取引がまともにできない出品者が多いと感じたので、ある日を境にメルカリでの購入はほぼは使わなくなってしまいました。

トラブルがあって返品・キャンセルになったとしても評価に反映されることはないので、あんしん・あんぜんな取引が見込めるかは疑問です。

結局、運営にとって手数料収入が見込めるため、野放しになっている利用者もいるなど、ここ最近の話題も含めて運営が適切に機能しているとは言えない部分も多くあります。

利用する場合には、こういったサイトの特徴を踏まえたうえで、うまく利用者を選んだり時には購入を見送ることも重要になってきます。