ヤフオク!、メルカリ、その他フリマアプリなどなど、個人間取引で商品をやり取りする際は、お店や大手企業をはじめとした事業者から購入するよりもトラブルが発生しやすいですね。
大手ニュースサイトでも2017年1月に取り上げられいました。
最近、色々なサイト、取引の評価で見かけるのが、「メルカリで返品不可と書いてあったのでしぶしぶ評価しました・・・」といった内容や、「返品したいのですが可能なのでしょうか?」といった内容です。
メルカリのルールではいかなる場合も返品には応じないことは禁止されていますが、取引は買い手と売り手が合意して成立しているので原則として返品不可ですよね・・・
今回は、メルカリで双方合意の上で10回以上「購入側でのトラブル→返品」を行った経験と、ルール・規約・法律をもとに、返品が認められる状況において返品するまでの方法を紹介します。(ラクマ・フリルといったほかのアプリでも同様に活用できます。)
メルカリで返品要求が起こりうる状況
返品してほしいと連絡が来る(連絡する)場合、大きく分けて以下の2通りが考えられます。
簡単ではありますが考えられるケースを紹介していきます。
出品側の都合(不備)による返品
購入前の説明と受け取りの商品に違いがみられるとき(不具合があった、商品数が足りない等)
≒商品に説明・画像では判断・予想できない隠れたる瑕疵がある場合等
(民法570条 隠れた瑕疵による契約解除が可能)
この立場で返品が起こる状況として、考えられる主な項目は以下のとおり。
・商品の機能に影響する部分に説明にない不具合がある
・動作するものとして取引が成立したが届いた際には壊れている
・個数に不足がある、商品の一部が足りない
・洋服に説明のない穴・汚れなどがある
・スペック、色が異なる、偽物であるetc・・・
出品した商品と手元に届いた商品に相違がある場合や、梱包の不備による破損・出品者側の宛名書きのミスなどの不備により商品の未着が起こった場合が考えられます。
商品説明と照らし合わせて不備が認められる場合や、発送事故等で運送会社に非がない場合には出品側が返品に応じる必要がある可能性があります。
(梱包の不備による破損は発送側の自己責任)
参考情報として関係する省庁関連の資料がありますので、出品者の不備かどうかの判断基準の参考にしていただければ幸いです。
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/130917shiryo4-4.pdf
ほかにも民法95条(電子消費者契約法3条) 錯誤無効が有効でキャンセルが可能といった考えや、説明通りの商品が届いていないという見方から債務不履行により主張できる場合も考えられます。
ゆえに出品者がクレーム・返品を受け付けないと書くのは自由だと思いますが、ミスがゼロとは限らないので、相手の主張を全く聞き入れない行為には問題があります。
購入側の都合(不備)による返品
購入者の一方的な思い込みや都合により、商品が不要になる場合等
説明文にはしっかり書いてあったが商品の大きさが合わなかった、購入後にもらったプレゼントが被ってしまい購入したものが不要になったといった場合が考えられます。
メルカリでは非営利目的の個人間の不用品の取引がほとんどのため、この場合返品に応じる必要はありません。
例外として、相手が事業者と認められる場合(古物商や運営店舗の表記がある≒事業出品、新品商品が数百という単位で大量出品されている等)、購入側の都合による返品に関する記載がない場合には、(慣例的には商品の現状維持を条件に)受け取り後8日以内であれば送料・手数料を購入者が負担することで返品可能となります。(特商法15条2)
他にも、状態の分類で傷や汚れの程度が一致せず、出品側の都合か購入側の都合かの判断がつかない場合も多いのではと思われます。いい加減な説明で出品している場合は、基本的には出品する側の問題のように思いますが、認識に相違が起きやすいので、事前に質問するなど、購入者側でも不明な点を解消する努力が必要ではあります。
基準は人それぞれですが、記載から想定される範囲や、取引価格と市場価格との差額から商品の状態に対して妥当な金額かどうかで判断するなど、客観的に判断することが求められます。
一方的な要求や、都合の良い部分を切り取って判断・要求される方もいると思いますが、そういった行為自体ふさわしくない場合もあります。
お互いに認識が異なる部分はあると思いますが、返品を要求する場合も、受けない場合でも説明文等を踏まえて、一致していない(不備のある)部分を明確・合理的に写真等も含めて説明するとよいかと思います。
商品購入時の注意点!
前項で述べましたが、条件によっては返品の要求が通る場合もあります。
その際、どのような条件(合意)のもとに取引が成立していたかということと、実際に届いた商品の状態の差を比較して明確な主張を行う必要が出てきます。
メルカリなどのフリマアプリでは簡単に出品できる反面、説明が不十分な場合も多く、認識の相違からトラブル自体が起こりやすくなっています。
返品を受け付けないために意図的に細工をする出品者もいるため、自身の経験や上記のフリマアプリに多い傾向をもとに注意点を述べます。
コメントでの補足説明をスクリーンショットで保存しておく
出品者が後々都合の良いようにコメントを削除し、責任逃れをする場合があるため、追加で確認を行った内容についてはスクリーンショット等で確認できる状態にしておくと交渉しやすくなります。
良い出品者は、そもそもコメントでの補足説明が不要な説明文であったり、商品説明に補足してくださる場合が多いので、コメントでの重要事項のやり取りは必ず購入前に残しておくと後々スムーズです。
コメント欄への内容追記が必ずしも悪いわけではありませんが、のちに購入後、コメントを削除してから発送して商品に問題があるということを何度か体験しました。
返品になると、評価に反映されず、取引の履歴自体がなかったことになるので、評価の内容・数よりもコメント対応や出品時の説明文等で判断すると良いと思います!
別出品での専用出品ページからの購入には応じない
別途専用作りますという出品者の方もおられますが、肝心の説明文や画像が残らなくなってしまうので、特に画像を削除してしまう場合は後々不利になります。
(名前くらいの変更であれば問題ないかと思います)
専用出品自体が規約違反になってしまうので、受け入れてもいいのはまとめて買う場合や、発送方法の変更、地域別送料の反映などで取引金額を調整する場合のみではないかと思います。
どうしてもといわれた場合には同じくスクリーンショットで説明文、画像を保存しておきましょう!
説明に不足がある場合はあらかじめ質問して明確にしておく
これも簡単な説明で出品されている方が多いため、できれば傷、汚れの程度など気になる点は確認しておきましょう。
自身の場合はスマートフォンやタブレット端末を取引する機会が多かったので、傷や使用するのに影響があるような不具合は質問して確認してから購入していました。
もちろん人気で複数の購入者から交渉が入っている商品は、コメントを待っている間に売り切れになる場合もありましたが、後々のことを考えれば質問の回答を待ってからのほうが断然安心です。
あまりに簡素な説明文で出品している場合には、お取引になれていなかったり、トラブルに合う可能性が高まるので避けるという選択肢もあります。
評価、プロフィールを確認する
評価は事務局キャンセルになった場合履歴が残らないので参考になってない部分もありますが、それを飛び越してもきっちりとコメント満載の「悪い」評価とその内容が書かれている場合も見受けられます。
○○@プロフ必読、規約などを無視したマイルールがプロフに存在する方は後々トラブルになりやすいので避けたほうが無難と自身は感じます。
@プロフ必読とあっても、出品する商品や、発送のタイミングなど細かく表示してくださる場合もあり、必ずしも悪意のある行為ではなく、むしろ上手に活用されている場合もあるので、一度見てみるとその方のお取引への姿勢がわかって安心して取引できるできないの判断基準にもなると思います。
ただし、取引がキャンセルになった場合の履歴は残らないので、問題があり返品対応になった数までは確認できないので評価だけで信頼するのは問題な場合もあります。
メルカリでよく見かけるマイルールに関しては以下の記事にまとめています。
着払いでの購入を避ける(任意対応)
これは自身の経験に基づく部分なのですが、お金を得ることが第一優先な方ほど適当な出品で後々返金になるケースが多い傾向にあるからです。
お金に余裕がないこともあってか、また送料を調べることが面倒ということもあり着払いのみという方も見受けられます。
着払い発送が悪いことではないのですが、返金となった場合、送料込みでの取引の場合は事務局キャンセルのみで代金が戻ってきますが、着払いの場合キャンセルに加えた送料の返金手続きが発生する場合があり、あまりお勧めはできません。
+αで雑に大きな箱に入れての発送のため、実際の想定料金よりも料金がかかってしまう場合も考えられます。
たいていの場合送料を想定できるように最低でも発送時のサイズを明記すべきと思いますが、小さなものを大きな箱に入れて送ったために余分な料金がかかったために悪い評価がついている方も数人見かけました。
元払いにしておけば、余分なスペースによる加算分は出品者側に発生するので、少し記事の趣旨とはずれますが送料に関連するトラブルを回避することが可能になります!
2、3万円する商品の200円、300円なら許容できる場合も多いかもしれませんが、1000円前後の商品で、送料が200円、300円変わってくると不快な方は多いのではないでしょうか。
今はらくらくメルカリ便を使えば、自動的に売り上げから送料が差し引かれるため、一時的な建て替えを行わなくて済むので、着払いのみという方にはメルカリ便での発送をお願いしてみるのもいいかもしれません。
返品の手順
返品できるかどうかの確認~実際メルカリ上で行う手順を紹介します!
ケースバイケースですが、ここでは一般化して紹介します。
受け取り~商品確認~出品者と協議
実際の商品を運送会社や投かんされた郵便受けから受け取ってから確認を行います。
知り合いに話を聞く限りでは、不具合等問題のある部分について記載があっても、無理やり返品を要求された場合もあるようで悪質な事例も見られるようです。
また逆に、「不明点は事前に必ず質問してください」や「個人の商品のため返品に応じられない」としている出品者もいますが、不具合箇所や不備のある部分、性能・価値を担保できない部分は記載しておくか、説明から判断できるようにしておく必要があります。
出品者が返品を受け付けないとしている場合であっても、必ずしも返品を受け付けなくて良いというわけではないので、商品説明と食い違う部分が有れば評価を保留して交渉してみましょう。
出品者側はいかなる場合も返品不可、ノークレーム・ノーリターンと思って出品している場合もあると思いますが、この対応に関する記載はメルカリの規約上でも違反行為となっており、商品に問題がある状況では意味のない文面となります。
通常、返品不可、ノークレーム・ノーリターンは、あくまでも商品が問題なく提供された場合に有効となるので、商品に問題がある場合、評価を保留して出品者と交渉を行うのは落札者側の権利です。
ヤフオク!のように、問題があっても一定期間経過後に自動的に出品者に入金されてしまうのではなく、交渉・対応が完了するまで売上金が出品者側へ支払われるのを止めることができるは、メルカリ(フリマアプリ)の特徴の1つです。
不具合・不備があると感じた場合、自身は以下の対応を行いました。
※今回は不備がある・ないの根拠については省略します。
不具合・不備がある商品の写真撮影を行い現状維持で保管
(到着した箱や・伝票とともに商品の)不具合部分がわかるように撮影します。
届いたその日に評価を要求してくる方もいるので、原則到着日、遅くても翌日までには確認して連絡すると、不具合・不備に関する要求が通りやすくなるのではと思います。
箱に極端な凹みなどがある場合、開封前から変な音がする場合、運送中の取り扱いに起因する場合がありますので、受け取り時に指摘して確認することも1つの手です。
メルカリではありませんが自身は運送会社から配達中に荷物を落としてしまって、状態を確認してもらいたいと電話がかかってきたことがありました。
飲み物でしたが、飲めれば問題ないので、液漏れしてなければ配達してくださいと言って対応したことがあります。
他にもこちらが発送側で、割れ物が箱の中で破損してしまって、お届け時にありえない割れたような音があったため、最終的に運送会社で補償をする形になったこともあります。
出品者へ不具合・不備があり評価を保留し、対応を協議したい旨を連絡する
この段階で、簡単でも構わないのでこの部分が○○で××で元々の説明と異なる(不具合箇所がある)といった理由を明記しておき、必要に応じて写真を出品者様専用として出品して確認していただくことも可能です、といったコメントを添えておくと早いです。
なお、個人的な見解ですが明らかに出品者に非がある場合、きちんと対応できる方は電話番号をお伝えして電話をかけてきてほしいと伝えればかかってきますし、そうでなければ「トラブル防止のため~~」と言ってトラブルが発生しても、メールで済ませようとする傾向があります。(時間帯にもよります)
あまりかかわりたくない場合は取引画面からでもOKだと思いますが、相手によっては返品に応じることに乗り気ではないため、どうしても無駄に時間がかかってしまう傾向にあります。
出品者から連絡がない場合は事務局にも連絡
出品者の都合の悪い部分に対応したくないと考えている場合や、用事などでメルカリの画面を見れていない場合には、受け取り評価をしていなくても返事が返ってこない場合も考えられます。
通常遅くとも3日以内には返事が返ってくると思いますが、解決が見込めない場合には評価を保留していることともに、事務局にもお問い合わせで連絡してみると良いかと思います。
返品のために勝手に返送するのはNGで、出品者が出品者自身の住所を正確に記載していないため伝票の住所に送り付けても相手に届かなかったり、相手に受け取り拒否をされる可能性もあります。
元々個人間取引(特にメルカリといったフリマアプリ)では不備のある商品が届くのはリスクの範囲内と思うので、返事が返ってくるのが遅くなっても、汚い言葉は使わずに、丁寧な文面で淡々と主張していく話が伝わりやすくなります。
返品に合意後、着払いで返送して事務局へキャンセル依頼
双方返品で合意の上、出品者許可の元で宅急便・ゆうパック等の着払いにて相手の住所宛に返送します。この際事務局でも確認できるように必ず伝票番号を記載しておきます。
ゆうパケットなど補償のない発送方法を利用する場合、破損に関しては免責にしてもらうなど注意が必要です。
返送の発送した段階で、メルカリ事務局にキャンセル依頼を行い、相手にも返送完了後事務局にキャンセル依頼を行うように伝えます。メルカリで返送完了後再度連絡するようにとあった場合には、指示通りに対応しましょう。
キャンセル依頼は「お問合せ→お問合せ項目を選ぶ→トラブルがあった→購入者側→お問い合わせをする」より実施が可能です。ほかにも事例に応じた対応が細かく記載されていますので参考にしていただければと思います。(最近では取引ページ上から申請できるように、より使いやすくなっているようです)
相手から受け取り連絡がない場合には、伝票番号をもとに事務局に再度依頼すると事務局で確認の上、キャンセルを行ってもらえます。
残念ながら、キャンセルが完了するとお取引がなかったことになってしまうので、ヤフオク!みたいにどっちが原因で取引がキャンセルになったかが公開されないようです。
着払いの発送方法は以下のページも参照してください。
なお、TwitterやYahoo!知恵袋への質問内容をみていると、何かあったらとりあえず事務局へ連絡という考え方の利用者が多いようですが、取引の主体はあくまでも当事者のみです。
客観的に見ればどちらかに非がある場合が多いと思われますので、できる限り双方で返品・取引キャンセルで解決するかどうかを決定すべきで、キャンセル申請や事務局へ連絡するのは報告のみといった形にするのが理想です。
受け取り評価後2週間以上が経過した場合
現在はメルカリの仕様で評価後2週間、または最終取引メッセージより2週間経過するとコメント欄が消えてしまってやり取りができなくなってしまいます。
このころになると、偽物だったり、商品の欠品が発覚したり(受け取り直後の確認が困難な部分)といった極端な理由になると思いますが、全くゼロというわけではないと思われます。
一方で評価した段階で原則として確認しうる欠陥・故障について問題ないことを認めたことになるので、返品を要求できる場合は限られてしまうと思われます。
後々偽物であることが発覚した場合や、発覚が遅れるような特殊な状況でない限り、出品者側の不備かどうかの判断がつかないために、難しい事例なのではないかと思われます。
ただ、この場合に関しても状況によっては、出品者が返品を受け付ける必要がある場合もありますので、権利を主張できる範囲であれば交渉してみましょう。
自身はメルカリ運営に取引メッセージ欄の復活可能か確認を取りましたがNGでしたので、運営にも許可を取って相手の別の出品商品より連絡を取り、コンビニ払いで購入手続き後、支払いをせず取引メッセージ欄にてやり取りを行いました。
ブラックリスト入りにされてしまうとメッセージ自体のやりとりができなくなってしまうので、不具合・不備のある商品を返品する場合は評価しないで交渉する場合が一番だと思われます。
評価後は出品者が逃げ切りやすい形になっていると思うので、購入する際は十分注意が必要です。
例外:無在庫販売でアマゾンから商品が届いた場合は?
この場合も評価・受け取りをする必要はないので、返品したい場合は出品者側の規約違反である理由とともに、返送先を聞くと良いでしょう。
amazon(ギフト発送形式)をはじめ別のショップなどから送られてきた場合も同様です。たいていメルカリを通さず、購入もとで商品を探すことで個人情報を流出させずに安く購入できます。
対処法の詳細は以下のページを参照ください。
最近はラクマ、フリルでも増えてきているようですので、メルカリ同様に対応すると良いでしょう。
まとめ
メルカリの不具合・不備のある商品を返品する方法を紹介しました。
購入する時点ですでに気を付けておかないといけない点もありますので、お取引の参考にしていただければ幸いです。
自身もよほど説明との相違がある場合のみ行ってました!過度な要求を控え、一方的な発言にならないように気を付けつけるとよいと思います。
時間はかかってもルール・規約に従って冷静に必要な主張をするようにしましょう。