オークション、フリマアプリなどの出品側での取引の際、皆さんはどんな方法で発送していますか?逆に、購入側で発送方法が選択可能な場合、どんな方法で発送されていますか?

取扱商品に合わせて選択するのはもちろんですが、自身はポストまでの近さや、運送業者営業所までの距離を踏まえて以下のように選択しています。

<自身の主な発送手段>
「小物・軽量物」⇒クリックポスト@全国一律164円(保証なし)
「それ以外」⇒ヤマト運輸宅急便@地域別送料(保障あり)
いずれのサービスも追跡番号付きです。

適切に梱包して正確な住所を記載していればほとんど問題なく届くので、自身は保証の有無よりも商品の大きさや、到着までの日数が出品時に発送方法を決定する決め手になっています。

最近はオークションやフリマアプリでも購入時の支払い環境が整ってきているので、購入手続きと同時にお支払い手続きを完了される方も多く、中にはすぐに使いたいので早く送ってほしいという方もおられます。自身はあまり500円前後の衣類や日用品・雑貨類を販売したりはしないので、宅急便で送付するお取引がほとんどです。

ちょっとした小物・雑貨類、少し時間がかかってもOKな商品の場合は逆に「宅急便よりも安価な方法で送付してほしい」との要望もあるのでクリックポストで対応する場合もあります。

これでほとんどのお取引は問題なく完結できるのですが、中にはさらに送料を安くするため定型、定形外郵便(普通郵便)やゆうメール等のサービスで発送してほしいとコメントをいただく場合もあります。自身は最寄りの営業時間の長い郵便局まで遠いため宅急便をメインで使用しており、かつ切手を所有していない環境のためお断りさせていただいている状態です。

ただオークション、フリマアプリなどの出品を見る限り、指定の発送方法(またはその一部)として選択されている場合も多く、遠方でも送料が一律でお取引ができる点も含め需要の高い発送手段ではないかと思います!

一方で、オークションの評価欄やフリマアプリの評価コメント、知恵袋などでのを見る限り、保証のない発送方法であることも関係してか、商品の破損や未着によるトラブル履歴が数多く確認できます!自身は色々な評価欄などを見る限り、商取引のルール(出品者責任の有無・免責事項)がしっかりと記載されていないケースが多いと感じるので、自身が学んだことについて解説します。

普通郵便発送事故

普通郵便での適切な取引

まず自身の普通郵便で発送する場合の適切な方法と注意点について紹介します!

お取引の流れ

※オークションでの代金先払いでのお取引を前提に説明します。

①商品落札、住所など個人情報を連絡(購入者)
※必要に応じて発送方法などを出品者とやり取り

②指定期日までに代金支払い(購入者)

②商品を梱包(最低限の汚損・破損対策は不可欠)(出品者)

出品者・購入者の住所を記入し郵便局へ引き渡し(出品者)
(切手貼り付けのポスト投函含む)

自身は念のため、この段階での荷姿・宛名部分を写真で撮影し、未着となった場合でも調査等に協力できるように心がけています。

記載された購入者の住所あてに商品を配達・投函(郵便局員)
※この部分に起因する破損、未着に関しての補償なし

⑥商品の到着後、出品時の説明と相違がないことを確認(購入者)
⇒相違・事故などがあった場合、必要に応じて出品者へ連絡

自身はこのような考えでお取引を行っております!重要な部分は赤字で表記しています。

郵便事故・郵送事故率は?

色々とデータはあるようですが、おおむね0.1~0.5%(1000通に1~5通)が目安のようです。
※どの程度から事故ととらえるかにもよりますが、実際には上記のものよりも低いということも十分にありえます。

原因として多いのは、郵便局側より、宛名間違えだったりと発送側の人為的なミスの割合が多いようです。

また差出人の名前を書いていないのに、あて先不明や切手不足で返送となり返却できないケース(郵便局で迷子扱い)となる場合もあります。

自身の場合もそうですが、普通郵便やクリックポストなど届かないといってお問い合わせすると意外と、差し出した自分自身のほうに問題があるケースが多々ありました。

発送側の問題で出荷していない場合も含めて郵便事故の割合と構成比率は気になるところです。
(知り合いに配達担当の郵便局員がいれば裏話を聞いてみたいところです)

お取引での注意点

主に前項で赤字で記載した部分について説明します。
お取引の各段階で未着・破損の原因となる不手際があった場合の責任の所在に関しては以下の通りと考えています。
(事前に普通郵便で発送することが明らかな場合)

<不手際が落札者に由来する場合>
・住所の連絡ミス⇒落札者
(ただし発送時の外観等、郵送事故調査に必要な情報は、可能な限り出品者より提示すべき)

<不手際が出品者に由来する場合>
・梱包不備による汚損・破損⇒出品者(※)
・発送時の住所の記載ミス⇒出品者
(社会通念上必要な責務を果たしていないと考えられる場合)
・お届け先の住所ラベル剥がれやインクにじみにより迷子(または返送)になる
・切手の不足(自宅地域管轄郵便局のポストに出した場合には戻ってきます)
※返送となった場合に、差出人が不明で返却不能な迷子郵便になっている場合もあり得ます

<不手際が郵便局員等に由来する場合>
・誤配達
・配達時の破損・紛失⇒購入者
・家族の方の持ち去りや配達後のポストからの盗難⇒購入者
(補償がない発送方法であることを明記していない場合や、補償のある方法で合意していたところを補償のない方法で発送した場合には、出品者側の責務となる場合があるようです)

※一般的には破損・汚損がなくお届けするための梱包ができることを前提に普通郵便でのお取引が成立しているので、落札者様が送料を抑えるため等、特別に適切な梱包を行わないことを要求した場合を除いて、出品者側に責任があります。

法的な解釈・民法534条

近年改正・削除が議論されていますが、現行法では以下の通りの解釈となるようです。

特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。

(民法第534条1項)

ネット販売の場合、「債務者=出品者」、「債権者=購入者」になります。

民法534条より「債務者の責めに帰することができない事由」を満たすのは以下の3つの条件がそろっている場合ではないかと思います。
1.充分と認められる梱包の実施
2.住所等個人情報の正確な記載
3.補償のない発送方法での商品提供の合意
(+発送時の発送状況(色・サイズ・使用郵便局)等開示)

3.に関しては発送方法を指定・設定した出品者側に責任があるとの考え方もあるようですが、自身は出品時に明記してあればそのリスクを踏まえて取引が成立していると考えているので、購入後の発送方法の選択可否や特約事項の記載に関係なく落札者様責任になると解釈しています。

一方で、フリマアプリで多い事例になりますが、送料無料・発送方法未定で出品していた商品について、送料節約のために勝手に普通郵便で発送して破損などでトラブルになった場合、責任の所在があいまいになるために、もめるケースが多いようです。

購入時はトラブルを避けるには入札・購入を見送ったり、ゆうパックなど補償のある方法での提供を事前に交渉するのがベストと思います!

また発送する際は差出時のレシートの保管や、梱包して住所記載・切手貼り付けを行った状態で写真を撮って保管しておいたりしておくと、後々トラブルが発生してしまった場合にも責務を果たしたことが主張しやすいかと思います!

自身の発送時の対策

自身がオークションで普通郵便で発送することになった場合には、封筒等に入れて梱包し、住所記入・切手貼り付けした状態で取引情報が記載された画面上に、梱包した郵便物を合わせてスマートフォンで写真撮影します。一番いいのはポスト投函まで動画に撮影しておくことだと思いますが、これをやるだけでも発送したことへの信用性が増し、郵送事故のお問い合わせに必要な情報も残るので、万が一の対応をよりスムーズに進められると思います。

ただ一番の対応は、補償のある発送方法のみを選択することと思いますので、普通郵便を使うという方は上記必要な責務を行うように心がけて下さい!

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ネット販売時によくある記載・トラブル

出品時の記載から間違っていたり、合意の部分があいまいになっていて、後でもめるケースもよく見かけます。
実際にあるケース・自身の体験をもとに紹介していきます。

補償なしの発送方法のため~対応は致しかねます

よくあるパターンですが、ここまで書いた通り出品者が責務を負う必要がある場合もあるので、厳密にいうと出品者側の責任を明記していない不十分な記載となります。

もちろん一般的な常識のある方の場合には、「出品者側に不備のない場合」という記載が省略されているだけになりますが、中には「いかなる場合においても対応致しかねる」という記載で、出品者側のミスに関する対応を放棄(=売り逃げ)するという記載も多く見かけられます。

「いかなる場合においても対応致しかねる」という記載をしている場合、出品側の都合の良い方向で捉えると、「商品を送っていなくても、どんな雑な梱包状態でも出品側の責務を完了したと見なす」ということになるので、あまり響きがいいものではありません。また自身が購入する場合にはそういった出品者の方は相手にしないようにしています。

しっかりと出費者側の責務を果たして商品を提供することができるのであれば、「出品者側の不備のない場合」といった内容を加えて、リスクを負う範囲を明確にしておくと購入者側のほうも安心して取引ができるのではないでしょうか?

丁寧な方だと、普通郵便の発送時に撮影した写真を何らかの方法で落札者様に提供したりしているそうです!

破損等心配される方は補償ありの発送方法もお選びいただけます

よくある記載のパターンなのですが、気になるのは補償のない発送方法を購入者が選択したことを理由に、一切の出品者責任を放棄することです。

送料節約に加え、通常であれば破損がないように梱包・お届けできるのが前提で普通郵便という発送手段が選択されるので、梱包不備の場合には出品者側が責任を負う必要があり、事前に無梱包や簡易梱包であることに同意がない場合、出品者側の責任免除となるケースではないと思われます。

このケースにおいても、「破損なく必要な梱包は行う」ことを前提にしていることを明記しておくと、より安心してお取引ができるのではないかと思います。

個人的には補償なしの方法であっても、「商品が足で踏みつけられて粉々になる」といった酷い状態にならない限りは、その方法での発送方法を選択した出品者側の責任になると考えています。

自身の発送事故体験談

といっても、商品の破損が起こりそうな商品は普通郵便で発送しないので、梱包不備での破損というのは今までには体験しておりませんし、通常の梱包で破損が起こる時点で発送時の梱包に問題があるとの認識です。

自身は「未着」に関してひやひやしたことがあるのでその件について紹介します。

起こった原因はずばり「購入者の住所の連絡不備」によるものです。

取引したものはコンビニで売られているギフトコードで、実物を郵送することになったのですが、購入者の方が普段コードのみをweb上でのみやり取りしていたため、住所が最後の番地まで記載されていないというものでした。お近くの方で届かないという報告を受け調べたところ、発送後に番地が不足していることに気づいたという始末です。

自身がとった対応は以下の通りです。
1.購入者に正確な住所を連絡いただく
2.集荷担当局に電話で問い合わせ(返送されてきていないかどうか)
3.配達担当局に電話で問い合わせ(配達できない荷物があるかどうか)
4.郵送事故の調査依頼をweb上にて申請準備中に配達担当局で該当するものがあったという電話をいただきました。

配達担当局担当者へ、お届け先の情報、不足している番地、荷物の形状、発送した本人の情報を細かく伝えたところ、不足した情報を補って配達できると判断いただけたため対応した時期の関係もあり自身の場合は返送なくお届け先へ配達してもらえました!!ただ基本的には時間がたってから発覚するため返送されてくる場合が多いのではないかと思います。

まとめ

郵送事故の責任有無と実際の事例について紹介しました!
正しい記載と不備のない対応で、出品商品を無事に購入者へ届けるという方針で記載しております。
解釈が分かれる部分もあると思いますが、トラブル時や出品説明文を書く際の参考にしていただければ幸いです。