2016年は格安SIMが飛躍的に普及してきて、ブログで紹介している方も多く見かけるようになりました。

自身もauのキャリアSIMとは別にBIC SIMと楽天モバイルSIMをサブ端末用に利用していますが、価格相応のサービスで安いなりにサブ端末用として十分活躍くれています。

一方で、家計の節約、通信費の節約として安くなる部分が強調されて紹介されている場合(例えば年間5万円、夫婦2台で10万円分節約)があります。

また実際利用しているBIC SIMでも格安SIMのお得さを以下のような広告でPRしています。

ただし必ずしも条件が一緒ではない部分があり、実際疑問に思う部分もあったので調べてみました!

キャリアで契約する場合の条件と金額

疑問に思う点の1つは、料金を比較する際の条件がそろっていないという点です。

ハードルになっているのはキャリア各社のプラン方式で、端末代金を極端に割り引く代わりに通話料・データ通信料は割高に設定されているので、単純に比較できるケースは端末代金の影響がない3年目以降の話になってしまいます。

一方で1~2年目は端末代金分の影響や、各種割引サービスの影響もあるので、「SIM同士の価格」として比較するのであれば端末の影響を考慮した月額代金や、2年間の総額費用などで比較する必要があります。

自身はauユーザーなので、au⇒auとau⇒IIJ mio(au系SIM)で移動することを考えてみました。

auの月額費用

比較用には以下の条件を採用しています。

<検討する利用条件>
キャリア:au(10年以上継続利用)
機種:iPhone6⇒iPhone7 32GB
通話プラン:スーパーカケホ (税抜1700円/月)
データプラン:データ定額5 (税抜5000+300円/月)
(※300円はLTE NETのための費用)
有料オプション:無し
割引サービス:auスマートバリュー有無の2通り、毎月割適用
契約:原則2年間、機種変更時を想定
その他:事務手数料などの細かい部分は除外

単純な月額費用は税込み7560円です。

ここからポイント還元や端末代金の影響を考慮すると(新しい端末を売却して条件を合わせると)、中古のiPhone6を機種変更後も使用する場合、自身の想定では月額費用は税込みで5000円、スマートバリュー有の場合は4000円程度(いずれも税込み)に落ち着きます。

スマートフォンの月額料金について、格安SIMを使って節約する方法が人気になっていますが、キャリアで新規契約・機種変更すると端末代金分の影響がある代金になってしまいます。 格安SI

格安SIMの月額費用

IIJ mioで対応するSIMのタイプ・オプションは以下の通り。

<対応する利用条件>
タイプA(au用)
データ通信:ライトスタンダードプラン、1520円(6GB)
音声通話機能:みおふぉん、700円
通話定額オプション:誰とでも5分&家族と30分、830円
消費税:254円
合計:3294円(税込み)
(mio割適用時:2646円(税込み))

データ通信や音声通話の条件をできる限りそろえた場合、通常時で3300円程度、光コラボのIIJ mio光(BIC光)の割引を考慮した場合は2650円程度となります。

auスマートバリューの場合は複数回線の電話回線の割引が利くのに対し、mio割の場合は光回線の契約数1に対し、割引可能なSIMデータの回線数は1までなので、家族でまとめて格安SIMへ移行する場合には無視しても良いでしょう。

キャリア(au)と格安SIM(IIJ mio)の月額費用まとめ

最後に料金を表に整理してまとめます。
(データ通信容量5GB・5分間無料通話OKな条件での実質の月額料金)

契約種類 割引なし 割引あり
キャリア(au) 税込5000円 税込4000円
格安SIM(IIJ mio) 税込3300円 税込2650円

この時点でもすでに格安SIMが安くなっていますね。

さらに安いプランや、通話定額を外すプランなども自由に組めるのが格安SIMの特徴で、上の表の「割引なし」の項目に合わせた場合、最安1728円~で通話可能なSIMが契約できるのに対し、キャリアの場合はプランの制約上4000円以上になってしまうので、数万円単位で料金が変わってくる場合もあり得ます!

条件によっては大きく節約につながる場合もあるようですが、同じようなプランで契約した場合の単純な月々の価格差は1000円前後~2000円程度にとどまるというのが今回の計算した結果です!

さらに言えば、新品同様のiPhone端末を導入した場合、売却する端末と下取りとの価格差を含めるとキャリアと格安SIMの差は月額で数百円縮まります。

データ容量抑えたり、旧端末を利用することで大幅な料金低減につなげられるのが格安SIMの魅力なのだと思います。

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キャリアと格安SIMの違い、メリット・デメリットを比較

価格的にはキャリア契約よりも安くなる可能性が大きいですが、導入前に確認しておきたいキャリアと格安SIMの一般的な違いを紹介します!(価格や通信速度面を除く)

格安SIMでも利用できる項目(メリット) 格安SIMで利用できないこと(デメリット)
・インターネット閲覧、電話

・フリーメール、独自メールの利用

・各種アプリ、smart talkなどの通話アプリ

・MNP転出、転入

・緊急電話、緊急通報

・通話定額(~5分まで)

・キャリアメール

・年齢認証(LINEのID検索など)
※LINEのSIMカードは対応

・auスマートパスなど各社提供コンテンツ

・キャリア決済(auかんたん決済など)

・銀行口座引き落としに対応してない場合有
クレジットカード払いのみの場合も

自身は影響のあるコンテンツはありませんが、不便になってしまうのはLINEのID検索など年齢認証が必要な場合や、クレジットカード払いのみ対応可能な場合で導入できないというデメリットもあります。

LINEのID検索は以前は、iPadのwifi版を利用するなどで利用可能にする方法もあったのですが、2017年1月をもって利用できなくなってしまうようです。

キャリアメールも使えなくなってしまうので、利用しているサービスの会員登録などが利用できるかはあらかじめ確認しておく必要があります。

基本はGmail等で代用可能なので、メールとしての機能は格安SIMでも問題なく利用可能です。

通信速度の違いや電話回線への影響

店舗が少ない(またはネット上で手続きをする)ことや、一部の機能が利用できないことによって、低価格化に貢献していると思われますが、最も気になる部分はスマートフォンの通信速度や電話回線の品質です。

混雑していない場所や、電波の良い地域、データ通信の大部分をwifiで行う際はあまり問題になりませんが、利用する環境によっては通信速度に影響しやすいのが格安SIMです。

検証結果を公開してくださるサイトもいくつかあるので、検討時の参考にはなると思いますが、一般的には通信速度は「キャリア>格安SIM」を想定しておけば良いでしょう。

自身は移動中に速度が落ちてほしくないので、メイン回線はキャリアのSIMを使用しています。

格安SIMの高速通信でも基本は問題なく使えることが多いですが、テザリングでパソコンにつなぐと差がはっきりする場合があります。

ちなみに高速通信の無いプランで契約した楽天モバイルSIMの場合、電波が弱い環境で電話を受けたものの回線が悪いせいか通話品質がいまいちでキャリアの電話機からかけなおしたことがありました。

現在もキャリアSIMのほうが安定していて信頼度があるので、通信速度や電話の品質にこだわりたい場合はキャリアSIMを利用することをお勧めします。

個人的には、通信速度や電話品質の目に見えない差も、キャリアと格安SIMの価格差に反映されていると思います。

データ通信速度などにこだわっていない場合にはあまり問題にならない部分のため、価格を優先するか、総合的なサービス面を優先するかは使い方次第です。

まとめ

なるべく条件をそろえて月額料金を算出した結果、一般的には格安SIMの代金のほうがキャリアより1000円前後~2000円程度安いという結果になりました。

これを2年総額にすると1人2.5万円~5万円、2人で5万円~10万円となります。

この金額差に対して、通信速度や電話時の品質などで価値を見いだせるのであればキャリアSIMを選ぶのが良いでしょう!

ここから機能を削ってさらに安くできるのが格安SIMの魅力で、格安SIMがお得かどうかは人それぞれということになります。

格安SIMの登場により様々なプランが契約できるようになったおかげで、大幅な節約につなげられるケースも増えてきましたが、価格相応のサービスというのが自身の印象です。

あまり使用しない方や、サブ機として安価で運用したい場合には非常に便利でお得なサービスだと思います。

単純な価格差だけでお得度をPRしている微妙なケースも多いですが、価格差分の価値も含めて評価したうえで導入・切り替えの判断をお勧めします。