荷物の量や依頼する時期・方法・引っ越し会社によっても大きな差があるのが引っ越し費用です。
各社のサービスも様々なので、「単純な比較は難しく、相場があってないようなもの」というイメージがある方もいるのではないでしょうか。
また単純に「引越しってどこが安いの?」と思っている場合も多い思いますが、どの会社が一番安いと言い切るのはかはそれぞれの事情もあるため困難です。
過去にアルバイトで引っ越し屋で働いたり、繰り返し引っ越しした経験から、上手に費用を抑えて安くする方法を紹介します!
引っ越しの費用を決める項目
費用を安くするにはもちろんですが、自分で車の手配から荷物の輸送までを行う場合を除き、費用が掛からない方法で引っ越すことが大前提になります。
引っ越し費用に影響してくるコスト面の内訳をまとめます。
<引っ越し料金に影響する要素>
・基礎運賃部分(作業時間や距離・トラックの大きさ(≒荷物量))
・人件費・固定費等(作業員の人数・拘束時間や作業内容により変動)
・梱包資材および不用品の有料処分費用
・オプション料金(梱包作業・エアコン取り外しなど)
・営業費・広告費(CMやネット広告)など
区分は様々ですが、これらにかかる費用を踏まえて引っ越し料金が決まってきます。
言い換えれば、引っ越しにかかるコストを削ることで料金を安くすることが可能になります。
実際、引っ越し業者に見積もりを依頼して、日程および引っ越し会社を決めるまでのポイントを時系列に沿って紹介していきます。
引っ越し屋に運んでもらうものを決める~不用品は早めに処分
引っ越し料金を決める要素の1つに「荷物量」があります。
トラックのサイズや、作業時間(人件費)に影響するため、荷物が少ないほうが料金も押さえることが可能です。
特に賃貸を引き払って引っ越しする場合はすべての荷物を部屋から運び出すので、自宅の不用品を整理・処分する良い機会です。
小物はあまり気にしなくてもOKですが、家具類などの大型の不要品は引っ越し後も邪魔になってしまうだけなので、早めの判断が求められます。
自身がこれまで引っ越し時期に処分したもので比較的大きなものは「カラーボックス、靴箱、ガスコンロ、本棚、オフィスチェア、旧型テレビ、タンス、台車、キッチンラック、折りたたみパイプベッド」といったものです。
どれも見た目が悪くても利用できるものではありましたが、最新の家電製品や高級家具などの需要のあるもの以外は原則として廃棄処分として費用が掛かってしまう場合がほとんどです。
自身はかつて購入から3年以上たったものは引き取り不可といわれ、新品・1万円ほどで購入したタンスを処分量をかけて引っ越しのタイミングで廃棄したこともあります。
今思うと有料(最低でも無料)でも十分に買いたい方はいたと思うのですが、処分のタイミングを逃すと余分な費用が掛かってしまいます。
あまりにボロいものは難しいですが、使えそうなものがあればリサイクルショップでもわずかながらお金になったり、無料で引き取りしてくれるところもあります。
自分でヤフオクやメルカリで販売するという手もありますが、大型の引っ越し荷物はジモティーを利用するのがおすすめです。
売り方や説明文の記載に気を使えば意外と早く引き取り手が見つかります。
以前ジモティーを利用した際の体験談はこちらにまとめています。
ちなみに処分品は見積もり時に荷物として認識されるので、特に大きなもので処分するものが多い場合には、訪問見積もり依頼時にできる限り減らしておくと荷物量・処分費の両面から金額に反映される場合があります。
引っ越しできる日を確定させる~できれば1か月前までに
異動などで引っ越し日の1、2週間前から突然引っ越しを計画する場合も多いですが、特に繁忙期の場合はどこもトラックが満杯に近く、金額が高くなりがちな傾向があります。
一方で引っ越しの1か月前後前に引っ越しできる日にち・時間帯を決めてしまうことで、業者側でも引っ越し料金が安い日程で
の案内をしてくれる場合があります。
<引っ越しが安くなる可能性がある条件>
・繁忙期(3~4月、8~9月)を避ける
・月末を避ける
・平日(火~木)または日曜日(長距離の場合)
・大安を避ける
・日程・時間帯指定無し(積み込み・積み下ろしともに)
繁忙期の場合は深夜帯に入る直前まで作業をすることもあり、午後の最後の便で引っ越しをする場合には覚悟が必要な場合もありますが、引っ越し屋のスケジュールに合わせることで、大幅に割引が受けられることもあります。
スケジュールに余裕がある場合は引っ越し料金を大幅に安くできるチャンスなので、調整できる場合には早めに見積もりを行ってしまうと良いでしょう。
賃貸の場合、解約の手続きが1~2か月前の申し込みとなっていることもあるので、引っ越し日に賃貸を日割り清算で引き払うことができれば、余分な家賃分も節約になります。
引っ越しを安くする見積もりの依頼条件
先ほど紹介した通り、引っ越しの安い日に合わせて業者に調整してもらえるように、必要な情報を記載して依頼をすることで提案を安いプランの提案を受けられる場合があります。
自身はこうして依頼しています。(依頼後に補足説明する場合もあります)
引っ越し希望日:○月△日~○月◇日の間(△日以前も調整可)
引っ越し時間:指定無し・都合の良い時間に合わせます
その他:安く引っ越しできるプランを希望することを伝える
混載便、戻り便という安くなるプランもありますが、要点を絞ると上記の3点を伝えればOKのように思います。
単身パックなど少量で済む場合を除き、積み残しが出ないように1人暮らしでも訪問での見積もりをお願いすると良いでしょう!
引っ越し会社の決め方・依頼方法
引っ越し会社といっても、大手から中小までたくさんあるので、調べて探すのは意外と大変です。
引っ越し会社を探すために実施した方法を紹介します!
一括見積サービスでの見積もり依頼
探すのが面倒な方に便利なのが、一括見積サービスを利用して複数の業者から見積もりをとることです。
地域に合った複数の引っ越し業者をピックアップしてまとめての見積もり依頼ができるので、探すという手間を省くことが可能です!
どこのサービスでも提携会社を5社前後~最大10社ピックアップして依頼を出してくれるので、見積もりサービスを1つ、よりたくさんの意見を聞きたい方は2つを目安に利用すると良いでしょう。
会社探しの手間や、引っ越し情報の入力の手間が省けるため便利ですが、その反面電話の嵐になります。
10分間に3~4社電話といった具合で、サービスを利用した分、営業の電話がかかってくるので電話を受けたり・見積もりのスケジュールを調整できるように準備をしておきましょう!
情報を入力してから30分もたたずに電話がかかってくるので、応対できる時間に依頼するのがおすすめです。
なおどうしても引っ越し会社からの電話攻撃が苦手という方向けに、サポートセンターが間に入って対応してくれるサービスもあります。
上の2つのサービスよりも利用しやすくなっているので、こちらからの利用も合わせてご検討ください!
自分自身で引っ越し業者を探す場合
あまり利用しない方にとっては、自分で探すと時間がかかるばかりですが、直接依頼することで広告費や紹介料といった中間マージンをカットできるため、料金が抑えられる場合があります。
といっても闇雲にCMなどで知っている引っ越し会社をあたっても良い条件には当たらないので、いくつか役立ちそうなポイントを紹介していきます!
引っ越し前後の自宅から近い本社・支社がある会社を選ぶ
引っ越し会社のほとんどは各営業拠点に複数台のトラックを所有しているため、広い土地を確保できるところに本社・支社があります。
引っ越しのトラックは原則、所属する拠点を出発して作業を行った後に所属する拠点へ戻ります。
拠点がないところから向かうとなるとその分余計な時間・距離がかかるので費用に反映されてきます。
拠点から片道1時間くらいかけて積み込み場所へ向かい、拠点と反対側の方向へ荷物を輸送する場合、往復で2時間の人件費がかかってきます。
作業員がドライバーも含め5人いれば、積み込みに来てもらうために最大で2時間×5人分かかってしまいます。
時給2000円換算すると2万円分に相当するので、特に支社の少ない地域の場合は差が出やすいです。
最近頼んだ引っ越し会社の場合、地方への引っ越したこともあり、積み下ろしのための人員を支社から2時間かけて送り込むといわれたので、地域によっても料金に差が出ることは大いにあり得ます。
長距離便では積み込みと積み下ろしのドライバー以外の担当者は管轄地域のスタッフで調達しているので、積み下ろしの地域の
支店から近いかどうかも影響する場合があります。
自身が以前アルバイトしていた引っ越し会社では、作業の進捗度合いによって積み下ろしの応援のためにスタッフの融通を頻繁にしていました。
1日で完結する引っ越しでも営業拠点のない地域へ向かった場合は、片道で2~3時間車に乗ったままということもあったので、スタッフの融通が可能で、無駄なく運営できる場合には料金の割引につながるものと思われます。
特定の地域に強い、または単純な取扱件数の多い大手業者を選ぶ
どちらも共通しているのは、同一地域発着の引っ越し依頼をまとめて引き受けできることにあります。
先ほど紹介したようにトラックはカーシェアなどのように乗り捨てではなく、必ず所属する拠点に戻ってきます。
そのため、引っ越しで荷物を積み下ろした近くの場所で次の積み込みができる等、1日に複数件の引っ越しができる場合や、大阪⇒東京と移動して引っ越しを終えたトラックが、東京で荷物を積み込んで再び大阪へ帰るといったピストン輸送が可能な場合においては、費用の削減が可能になってきます。
また大きなトラックで同じ方面の荷物をまとめて運ぶ「混載」という手段もありますが、これも同じ考え方で、こういった条件に合うタイミングで依頼できれば、料金が大幅に下がる可能性があります。
長距離での引っ越しの場合、輸送する分の費用が片道分で済むので、東京⇔大阪間であれば単純に3~4万円は安くなってもおかしくないでしょう。
直前の見積もりの場合は調整が効かない場合もあるので、1か月以上前の見積もりで安くなるのはこういった事情もあります。
2016-2017年現在引っ越し件数が一番多いのが「サカイ引越センター」なので、依頼する会社の1つに入れておくと良いと思います。
先ほどの一括見積サービスにも入っていることが多いので、引っ越しにあまり慣れていない方は一括見積サービスの利用でも十分に安くなります。
大手引越業者のプランを徹底比較
複数社見積もりを活用して引っ越し会社を決定する
一般的に高額なものを購入・導入する場合は複数社見積もり(相見積もり)をすることも多いので、2~3社は見積もりを依頼すると良いでしょう!
慣れてる場合は1社目で即決で決めてしまった方がいい場合もありますが、基本的には2~3社程度見積もりを出してもらい判断すると良いでしょう。
1日訪問見積もりを依頼する日を準備しておき、保留の場合もできればその日中に、遅くとも翌日までに決めてしまうとその後の準備も含めてスムーズです。
価格とともに注意したいのが、段ボール等の梱包資材や、保険の部分で、会社によっても内容がまちまちなので見積もりの際に確認しておきましょう。
交渉を行う際の注意点は以下のとおり。
1.本命の会社には最後に見積もりに来てもらう
2.他社を引き合いに出しながら、できる限り訪問時に契約する
3.現金払い(銀行振り込み)を利用する
訪問時に成約した場合、段ボール等の梱包資材の配達の手間も省略でき、またその時点で引っ越しに使用するトラックを確保できるため、見積もりの金額にも反映してもらえる場合があります。
東京⇔大阪間くらいの距離で引っ越しする際に、4tトラック一台の荷物量で比較してもらった場合、3社で「20万、18万、13.5万」という形の見積もり額で、価格差が6万円近くありました。
もちろん人員の数によって定価自体が違ったので単純な比較はできませんが、同じ荷物でも良い条件が重なれば価格差が生じる場合があります。
もちろん商売のため、赤字で引き受けることは原則ないので、交渉はほどほどにとどめ納得のいく条件であれば申し込むという形でOKです。
余分なオプションサービスを利用しない
費用がかかるものの代表例が、小さい荷物の梱包と、テレビなどの電源周りの配線の設定サービスです。
楽をしたい場合は頼むべきですが、「安く済ませるためにはできる部分は自分でやる」ことが必要になってきます。
不用品処分とともに料金を低減できるサービスなので、費用面にこだわる方は利用しないを徹底しましょう。
他にも引っ越し時に出た細かなゴミや、段ボールの引き取りも有料の場合も多いので、引っ越し先で処分しましょう。
引っ越し費用を安くする方法まとめ
コストカットのためにできることをまとめます。
・不用品は事前に売却・譲渡または行政処分
・梱包を自分自身で行う(オプションを極力使用しない)
・引っ越し日、時間は業者に合わせる(混載便・戻り便を狙う)
・1か月以上前を目安に一括見積もり依頼
(慣れている場合のみ直接依頼)
・見積もりはできる限りその場で現金価格で即断
引っ越しまで1か月以上ある場合はすべて達成することもできるので、引っ越し費用を安くお得にしたい方は、できる部分だけでも実践してみると意外と安くなる場合がでてきます。
どこが一番安くなるかは引っ越し業者の都合が大きくかかわってきますので、上手に見積もり・交渉を行って良い条件を引き出しましょう。