フリマアプリのラクマ(旧フリル)が、2018年6月4日 10時より、「販売手数料」を現行の無料から商品価格の3.5%へと改定することを発表しました。
個人的には少し残念なニュースでしたが、カード決済等の支払い時における最低限の手数料の導入と捉えることもでき、仕方がない面があります。
今回は改定の内容、これまでの販売手数料やキャンペーンの内容とともに、今後のお得な使い方を紹介します。
販売手数料は無料から商品価格の3.5%へ
改定内容は2018年6月4日10時以降の出品より、販売手数料が3.5%になるというものです。
ただし、6月4日10時までに出品された商品には移行期間が設けられるようで、最長で2018年6月11日10時までは販売手数料が無料となります。
といっても、競合となるメルカリ(手数料10%)、ヤフオク(手数料8.64%)と比べると、まだまだ手数料率は少ないため、同じ商品を出品する上では価格を比較的安価にできるメリットは存続します。
ただし手数料無料で人気になっていた面があり、メルカリと比較して集客(利用者数)に劣る部分があるので、単純に手数料分を出品価格に上乗せすると、これまでよりかは販売しにくくなる可能性は十分あります。
フリル時代からの手数料や還元率について
今回の販売手数料の改定は大々的に報じられていますが、現在の状況把握のため、過去の手数料やキャンペーン等での還元率についてまとめておきます。
販売時手数料の推移
新ラクマ(旧フリル)の販売手数料は2016年の楽天グループ入りと、新ラクマへの移行に伴って改定が行われています。
2016年10月まで:販売手数料10%(キャンペーンによる割引あり)
2016年10月以降:販売手数料無料
2018年6月以降:販売手数料3.5%
販売手数料無料化は、楽天グループ入りに合わせて行われたのち、当初の2016年末までの期間限定だったものを継続して、2018年6月の改定まで行われることとなりました。
手数料無料期間中に利用を始めた方にとっては改悪と感じられる場合もありますが、手数料3.5%でも元々の10%時代よりはお得になっているというのが本来の姿です。
購入時還元率の推移
フリル時代から様々なキャンペーンを開催していますが、自身がフリルを使いだした2017年6月以降の推移について紹介します。
2017年6月はフリルの決済手段に楽天ペイが導入されたタイミングで、6-7月の2か月間のみだったと思いますが、楽天お買い物マラソンの買い回り対象になっていました。
自身もフリマアプリではあまり買い物しないのですが、楽天ぺイ(オンライン決済)を使うととてもお得に商品が買える状況だったので、新規利用者登録して使いだしたのがフリル利用のきっかけです。
この時は楽天ペイのキャンペーンも開催していたように思うので、購入の還元率は最大で10%を超える状況でした。
商品券や切手類など現金に近い形で売買される商品を購入する際は、非常にお得になっていました。
その後、大きな転機となったのがd払いが2017年8月後半に導入されたことで、導入された8月は最大で13%還元となりました。
その後9月は下旬まで最大約6%還元で推移したものの、9月下旬からd払い導入記念キャンペーンが開催されたことにより、還元率は最大で約16%に達しました。
10月はd曜日側のキャンペーンが強化されたことにより、還元率が最大で約21%に達する日があるなど、手数料無料で買い物ができるうえに、購入額の2割近くに相当するポイントが獲得できる状況となっていました。
11月はd払いのキャンペーンが落ち着いたため最大約6%還元となっていましたが、12月~2018年1月上旬までは、d払いの「冬のスーパァ~チャンス」で最大23%還元となりました。
あまりにお得なキャンペーンだったのか、フリルで多数売買された商品券類が2017年12月15日ごろに突如出品禁止物になるといったことも見られました。
「冬のスーパァ~チャンス」終了後も還元率は最大で6%~10%くらいだったのですが、2018年2月26日からの「フリル⇒新ラクマ化」以降、d払いは使えるものの、d払いの買い回りキャンペーンやd曜日の対象サイトから外れてしまい、以前ほどの還元率は期待できなくなってしまいました。。。
現状で期待できるのは楽天ペイを利用する場合で、最大で約6%還元までであり、d払いの買い回りキャンペーンによる高い還元率は期待できなくなってしまいました。。。
新ラクマのお得な利用方法
出品者側、購入者側の両面から紹介します。
出品者側のメリットは手数料の安さと発送サービス
利用者がメルカリやヤフオクに比べて少ないという点はありますが、うまく活用できればお得になるのは手数料の安さと、全国一律料金の発送サービスがある点です。
例えば送料60サイズで、送料込み5000円、10000円、25000円の商品を販売する場合の受取額を考えます。
競合するメルカリは手数料10%かつメルカリ便600円、ヤフオクは手数料8.64%(※)かつヤフネコ料金、新ラクマは手数料3.5%かつラクマパック800円の場合で考えます。
※ヤフオクの場合、別途請求する送料分に対しては手数料負担がないこと考慮するため、最も送料が安い発送先への送料分のみ別途請求しているとして考えます。(送料は486円~1836円)
メルカリ | ヤフオク | ラクマ | |
---|---|---|---|
5000円 | 3900円 | 2774円~4124円 | 4025円 |
10000円 | 8400円 | 7342円~8692円 | 8850円 |
25000円 | 21900円 | 21046円~22396円 | 23325円 |
ヤフオクの場合、近距離へ発送する場合にはそれなりにお得になるのですが、発送サービスが地域別送料のため、遠方ほど負担が大きくなります。
なので、宅配サイズの荷物では送料一律設定しにくいばかりか、出品・落札側両面から送料・手数料の高さを実感することにもなります。
一方で、送料体系の件でメリットがあるのがメルカリ、ラクマの発送サービスで、近距離であっても遠方へ送っても料金は同じです。
ヤフオクと比較した場合、近距離宛ではあまり差がないものの、遠方へ発送する場合には同一料金であればメルカリやラクマの方が受取額が大きくなる場合が出てきます。
そしてメルカリとラクマでは手数料率に差があるため、同じ価格で販売できた場合、フリルの方が受取額が大きくなることがほとんどですし、またメルカリベースでの受取額を考えた場合、手数料の安いラクマの方がより安価に出品できて、購入者にとってより魅力的な価格設定ができるといったメリットもあります。
購入者側のメリットはクーポンや楽天ペイなどのキャンペーン
ラクマでの購入者側に大きなメリットがあるのが、クーポンや支払い手段を工夫することで、5~6%還元が期待できる点です。
2018年5月現在で代表的なのは以下の3つです。
1.3%offクーポン(不定期発行)
2018年3~5月の傾向ですと、利用対象日は月曜~水曜日となっていますので、2つ目の楽天ペイのキャンペーンとは併用できないのが残念なところです。
2.金曜日・土曜日に楽天ペイ利用でポイント3倍
3.楽天ペイ|2サイト以上購入でポイント3倍
(ラクマ+他サイトでの楽天ペイ オンライン決済でのお買い物が必要となります)
これらのクーポン、支払い手段のキャンペーンを組み合わせて利用することで、毎月特定の日には5,6%還元でお買い物できるチャンスがあります。
メルカリでもd払いのキャンペーンが開催されることがありますが、販売時手数料がメルカリの方が高いため、通常時はラクマの方がお得に買える機会が多くなります。
(d払いの買い回りキャンペーン時を除きます。。。)
ヤフオクと比較して、切手や株主優待券などの金券ジャンルにおいてもクーポンやキャンペーンの対象となるのはお得な部分であり、商品の絶対的な安さと合わせて購入する際にメリットがある点ではないかと思います。
購入申請制度はラクマ独自の特徴
ラクマでは「購入申請制度」があり、ヤフオクやメルカリなどと比較して便利に活用できる場合があります。
例えば、あまり評価がよくない出品者と取引を避けたい場合が代表的な例で、メルカリやヤフオクなどでは事前にブロック等を行っていない限り、悪質な利用者/いたずらを避けることが出来ませんが、ラクマの場合は「購入申請あり」に設定しておくことで、購入者の評価等をもとにお取引を行うかどうか、出品者側でも判断することが可能です。
ほかにも出品内容を取引相手に応じて変更した際に、先着順での先取りを回避するなど、トラブルを避けるという意味では有効に活用できる場合があります。
最近では他サイトとの多重出品のために、「購入申請あり」を利用している方もおり、また購入者はいちいち承認を待たないといけないなどのデメリットも存在しますが、制度に沿って出品者側が相手を選んで取引を行いたい場合にはお勧めの機能となります。
まとめ
新ラクマが手数料無料⇒3.5%への改定に伴い、手数料の変更前後の話や、過去にはキャンペーン等で購入時に最大20%以上の還元率があったものの、改定に前後して還元率が最大で5、6%までとなってしまったことを中心に紹介しました。
改悪ともとれる状況ですが、他サイトを利用する場合と比較した場合、購入時のキャンペーン次第ではラクマがお得に利用できる場合もあるので、特徴・メリットを踏まえながら利用してみてはいかがでしょうか。