格安SIMのサービス提供事業者である楽天モバイルより、時間無制限のかけ放題プランが登場しました。正式には楽天でんわかけ放題by 楽天モバイルという名称です。

これまで、ソフトバンクのサブブランドとなるY!mobileを除き、キャリアプラン(SIM)と格安SIMの大きな違いであった部分ですが、また一歩キャリアプランと格安SIMの提供するサービスの差が小さくなってきているように感じます。

せっかくなので契約条件をできる限り統一し、楽天モバイルとauでの料金を比較してみました。

料金を比較する際の契約・端末等の条件

楽天モバイルはdocomo系の格安SIMですが、キャリアの料金は自身の契約の都合でauで行います。

また端末についても有り無しを比較しますが、楽天モバイルとauでは提供端末が異なるため、端末ありで比較する場合においてはiPhone7 32GBで揃えることし、楽天モバイル用の端末に関してはヤフオク等で新品未使用の状態の物を調達することを前提に算出します。(価格などは2017/4時点の情報を利用)

その他契約プラン等に関しては以下のとおりとする。(表の価格は税抜き価格)

項目 キャリア(au) 楽天モバイル
 通話プラン カケホ(誰でも割加入)
2700円/月
無制限かけ放題
2380円/月
データ通信 データ定額3+LTE NET
4500円/月
通話SIM 3.1GBプラン
1600円/月
支払時の還元 サービス利用約1%還元+
カード払い1.5%還元
サービス利用1%還元+
カード払い1.5%還元
割引サービス auスマートバリュー
au STAR(10年目)
端末購入サポート等
SPUプログラム
(1000円引き)
端末 iPhone6 16GB(下取り)→
iPhone7 32GB
iPhone6 16GB au(自己売却)→
iPhone7 32GB docomo版

なお契約時の事務手数料やMNP転出手数料・違約金などの費用に関しては考慮しないものとしました。

契約プランのみで比較した場合

楽天モバイルでSIMのみを契約する場合、ならびにキャリアでの契約においては3年目以降など端末に関する割引がない状態での比較を考えます。(キャリアで端末を新規契約・機種変更して2年間経過以降、古い端末を使い続ける場合の料金比較)

キャリア(au)での月額料金

単純に考えると各プランの料金に消費税を掛け合わせ、7776円がキャリアでの通話定額の支払料金となります。

ここから各種割引の影響を考慮していきます。

・auスマートバリューでの割引:1009円(請求額は6767円)
・月額利用料金によるwalletポイント獲得:60円分
・クレジットカード払いでのポイント還元:101円分
・au STAR(10年目)によるポイント獲得:180円分

割引額合計:1351円、実質価格:6426円

楽天モバイル(格安SIM)での月額料金

単純に考えると各プランの料金に消費税を掛け合わせ、4298円が楽天モバイルでの料金となります。

ここから各種割引の影響を考慮していきます。

・SPUプログラムでの割引:1000円
・月額利用料金による楽天ポイント獲得:42円分
・クレジットカード払いでのポイント還元:64円分

割引額合計:1106円、実質価格:3192円

SPUプログラムでの割引額は楽天市場等対象サービスの利用で、auスマートバリューでの割引と同程度の割引が受けられるとして計算している。

基準となる利用額は10万円ですが、実際に比較する場合は各自の利用額に応じた補正を行って考えてください。

なおSPUプログラム、楽天モバイルでの割引に関しては以下の記事で詳細に解説しています。

「楽天市場のお買い物でもっとポイント貯まる!」でおなじみのスーパーポイントアッププログラムについて、利用実績を交えながら紹介していきます! スーパーポイントアッププログラム(SP
現在仕事の都合でスマートフォンiPhoneの3台持ちで運用を行っています。 1つはキャリア(au)で契約した端末ですが、残り2台は中古で入手し別々の格安SIMを使用して運用していま

契約プランのみを比較した場合まとめ

ここまでの計算結果を整理します。

項目 キャリア(au) 楽天モバイル
割引なし 7776円 4298円
割引あり 6426円 3192円

この方法で計算した場合、楽天モバイル(格安SIM)で契約した場合、料金で3000円ほど、うまく利用すれば4000円以上お得になるというのが結論になるかと思います。(価格差については別途説明します)

ただ、この計算結果は見せかけの結論となっている場合がほとんどであるに過ぎず、キャリアプランの契約者の多くは端末とセットで購入し、端末の中古相場での購入価格以上に割引を受けて入手しているため、この段階での比較は一般的な契約方法に合っていません。(キャリア契約で端末を何年も使い続けるマイナーなユーザーを除き、利用実態に即した価格差になっていません)

この段階で楽天モバイルのお得さがPRされている場合もありますが、より実態に即した比較として保有する端末も統一して料金を算出してみます。

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端末を揃えて比較した場合

現在のキャリア契約で一般的な、2年ごとに端末を買い替える場合(24カ月~25か月の利用)を前提に費用を計算していきます。

端末価格の実質費用について

キャリアで端末を購入する場合、24カ月の利用を前提に端末代金の値引きが受けられますが、Apple製品の新品は基本的に値引き販売されないので、端末価格を考える上では定価に近い値段で考える必要があります。

そのためここでの説明においては、端末台に関する毎月の割引をそっくりそのまま通信料の値引きとして扱い、下取り価格・クーポンなどでの割引に関しては端末の代金の値引きとして考えることとしました。

<キャリアで機種変更して新しい端末にする場合>

※時期などにより金額が変動する可能性がある項目

定価:79200円
下取りでの還元:24840円
※クーポンでの割引:5400円
※引き止めポイント(2017/2時点):10000円
クレジット払いの還元:約600円
実質の端末価格:38400円(月額費用:1600円)

<楽天SIM用に自分自身で端末を準備する場合>

※中古 (新品同様):52000~60000円
※自己売却:15000円前後

こちらも変動要因が大きいため、条件によっても異なりますが、条件が良いとキャリアで機種変更する場合と同じ価格で、同等のものが手に入る場合があります。

ゆえに2年間端末を利用し、今回のような条件で機種変更時に最新のiPhoneへ乗り換える場合は、あまり費用に差がないという結果になりました。

今回は結果を比較しやすくするため、端末の費用を揃えることにしました。

他にも色々と考え方があるので、端末代金のとらえ方でも若干値段が異なる場合があります。

2016年は格安SIMが飛躍的に普及してきて、ブログで紹介している方も多く見かけるようになりました。 自身もauのキャリアSIMとは別にBIC SIMと楽天モバイルSIMをサブ端

端末とセットで契約する場合のキャリア(au)月額料金

先ほどの考え方と同じく、端末の値引き分を料金に反映させる必要があります。

違いはiPhone7の毎月割の2455円が先ほどよりも安くなり、端末代金に関しては先ほどの機種代金の項目に含まれるため考えなくて良いということです。

ゆえに5321円が割引等適用前の請求額となります。

ここから各種割引の影響を考慮していきます。

・auスマートバリューでの割引:1009円(請求額は4312円)
・月額利用料金によるwalletポイント獲得:30円分
・クレジットカード払いでのポイント還元:64円分
・au STAR(10年目)によるポイント獲得:180円分

割引額合計:1283円、実質価格:4038

楽天モバイルはSIMのみの契約のため、実質価格には変更がありません。

端末を揃えて比較した場合まとめ

ここまでの計算結果を整理します。

項目 キャリア(au) 楽天モバイル
端末代金 1600円 1600円
割引なし 5321円 4298円
+端末代金 6911円 5898円
割引あり 4038円 3192円
+端末代金 5638円 4792円

この方法で計算した場合、楽天モバイル(格安SIM)で契約した場合とキャリアで契約した場合の差額は1000円ほどに、場合によっては逆転するケースも存在します。

実は格安SIMもキャリアプランも突き詰めていくと、サービス内容に応じた実質価格になっているように思います。

自身は以下の記事で紹介しましたが、基本的には価格相応のサービスとなっており、今回の場合においては通信回線やサポートの内容が1000円ほどの価格差になっているのではないかと考えています。

格安SIMが最近人気で、「8000円ほどする月額料金が2000円になった!」、「半額以下で年間5万円も安くなった!」といった宣伝をしているサイトも良く見かけます。 一方で控えめな

同じ端末(最新のiPhone)を利用する場合、割引サービスをうまく活用できる場合により安価に利用できることになります。

楽天ユーザーにとってはSPUプログラムをうまく使いこなせれば、これまでと同じようにiPhoneを買い替えながら通信費の削減が可能な場合があります。

もちろん単純な価格差は品質やLINEやキャリアメールアドレスをはじめとしたサービスの違いによるものですが、実質的な価格差は見かけ上の3000円程度ではなく1000円程度という計算結果になりました。

もちろんここから買い替える端末によってさらに節約可能なのが格安SIMの特徴で、月額でさらに1500円程度安く利用できる可能性もあります。

この点を考慮すると、単純に端末を揃えるだけでは価格差がほとんど出ませんが、実質的な割引制度であるSPUプログラムの活用と安価な端末の利用で大幅に月額費用を抑えることができるのが、今回の楽天モバイルの無制限かけ放題とキャリア契約との違いという比較結果となりました。

計算の方法にもよりますが、使い方によってはそれほど差が出ないこともあるので、契約前には割引プログラムも含めた価格差を試算し、どちらか考えてみてはいかがでしょうか。自身は月額費用に換算していますが、大手サイトでは2年間の費用総額で計算しているので、そういった計算も参考に。