ビジネスでの長距離移動や、帰省・旅行に欠かせないのが新幹線での移動です。

夜行・高速バスや飛行機と比較して料金の変動が少なく、ピーク時には自由席を中心に込み合う印象があります。

今回はJR東海の東海道新幹線区間である東京-新大阪の料金を中心に解説します。

新幹線の定価料金と指定席の料金変動

料金解説にあたって、東京-新大阪、東京-浜松、東京-三島の3つの区間に対しての料金を紹介します。

新幹線の料金は、運賃+特急料金+指定席料金の合計で決まります。

特急料金は営業距離100km毎に計算され、近距離の1~2駅の利用の場合は自由席利用に限って割引が適用されます。

東海道新幹線区間の指定席料金は、「のぞみ」と「ひかり・こだま」で異なり、「のぞみ」は利用区間に応じて730円または830円、「ひかり・こだま」は520円が通常期の料金ですが、繁忙期は200円加算され、閑散期には200円引きになります。(※近距離の1~2駅の利用時を除く)

指定席利用時も含めた新幹線料金は以下のとおりです。
(記事作成時の料金)

新幹線料金 東京-新大阪 東京-浜松 東京-三島
自由席
(のぞみ/ひかり/こだま)
合計:13620円
運賃:8750円
特急:4870円
合計:7770円
運賃:4430円
特急:3340円
合計:4000円
運賃:2270円
特急:1730円
のぞみ
指定席
通常期 14450円 対象外
繁忙期 14650円
閑散期 14250円
ひかり
こだま
指定席
通常期 14140円 8290円 4520円
繁忙期 14340円 8490円 4720円
閑散期 13940円 8090円 4320円

※指定席料金は合計料金のみ記載
※閑散期:1月16日~2月末日・6月・9月・11月1日~12月20日の期間の月~木曜日
(祝日、祝前日、振替休日を除く)
※繁忙期:3月21日~4月5日、4月28日~5月6日、7月21日~8月31日、12月25日~1月10日

高速バスや宿泊施設では繁忙期には料金が通常期の2倍以上になることも珍しくないですが、新幹線の場合、通年でほとんど料金変動が無いのが特徴の1つです。

続いて、各種割引サービスとの比較を行います。
(☆or★付きの方法は繁忙期も利用可能)

金券ショップや窓口での回数券購入

新幹線をお得に利用する方法の1つに、回数券を利用する方法があります。

販売されている定価や、金券ショップでの相場価格を整理しておきます。

新幹線料金 東京-新大阪 東京-浜松 東京-三島
自由席定価 13620円 7770円 4000円
回数券1回分 13690円 7120円 3660円
金券ショップ
(参考価格)
13100円
(指定席)
7030円 3610円

※JRで販売されている回数券は6枚セットかつ3カ月間有効
※4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日は利用不可

東京ー新大阪間は指定席料金込みになるため割引率は低めですが、指定席利用時で1000円ほど、自由席でも数百円安く利用できます。

東京ー浜松、三島などのぞみ以外の停車駅では、1割引き程の値段で金券ショップで売られてることもしばしばで、自由席利用時は金券ショップを利用することで節約が可能です。

回数券を高還元率のクレジットカードで購入すればそちらの方がお得になるケースもありますが、ショッピング枠の現金化の関係で利用制限がかかってしまう場合があるので、クレジット払いでJR駅窓口にて購入する場合には事前にカード会社に確認をとると無難です。

普段は駅前の金券ショップ自販機や金券ショップで入手するだけの数分~10分ほどの時間で、数百円~1000円ほどの節約になるため、節約には欠かせないアイテムなのですが、繁忙期で混雑する期間には利用できないことには注意が必要です。

☆EX予約サービス等ネット予約

いわゆるエクスプレス予約と呼ばれるサービスで、会員登録やクレジットカードの発行が必要になるほか年会費はかかりますが、通年で利用可能で、自由席価格より若干安い値段で指定席を利用できます。

2017年9月より現行のEX-ICサービス、EXきっぷが名称変更となり「EX予約サービス」になります。

料金の違いを表にまとめます。

新幹線料金 東京-新大阪 東京-浜松 東京-三島
自由席定価 13620円 7770円 4000円
EX予約
(指定席・自由席)
13370円 7570円 3800円

※EX予約での価格は指定席・自由席の値段差はありません。

値段は金券ショップでチケットを買って乗車するよりもやや高くなりますが、乗車4分前までの新幹線の予約も可能で、直前でも予約変更が可能であったり、繁忙期でも駅の窓口で並ぶ必要が無く割引価格で指定席に乗車可能などメリットも大きいです。

一方で、利用できるのは新幹線区間に限られてしまうので、在来線区間は別途料金が必要となることには注意が必要です。

東京-新大阪で通常の乗車券を買ったり、回数券を購入すると、東京23区内-大阪市内の乗車券となるので、新幹線の乗車前や、乗車後の在来線も同じ料金で利用可能です。

例えば、新宿⇒東京⇒新大阪⇒大阪と移動する場合、通常の乗車券や回数券であれば追加料金は不要ですが、EX予約の場合には新宿⇒東京で194円、新大阪⇒大阪で160円の合計354円が追加で必要になるので、節約の効果は指定席料金の一部にとどまってしまう場合も。

目的地が新幹線駅間の場合には節約になるので、サービスの使い分けが必要になってきます。

ネットでの早期予約(EX早得21)

2017年9月より東海道新幹線区間ののぞみの早期予約割引は、21日前までの早期予約で割引になるEX早得21のみの取り扱いとなります。

比較的混雑の少ないと思われる、乗車駅を6時台、11時台~15時台に出発する普通車指定席限定で利用できます。

東京・品川・新横浜・名古屋~名古屋から博多までののぞみ停車駅が設定区間となっています。
(※名古屋の場合、小倉、博多のみ)

東京-新大阪の場合、指定席料金込みで11000円で利用可能で、自由席の定価と比較しても2000円以上お得に利用可能です。

注意点は、EX予約と同じく新幹線乗車区間のみの料金となること、繁忙期には利用できないという点です。
※直近では12/28~翌年1/4までが対象外

ピークシフトとしての意味合いが高いですが、数少ない割引サービスの1つなので、時間や予定が合えば早めに確保したい割引プランです。

同じく3日前の2名様以上の予約で、土休日の「のぞみ」限定で利用できる「EXのぞみファミリー早特」というサービスもあり、こちらはやや割引額は下がりますが東京-新大阪間では指定席料込みで12340円で、自由席の定価より1000円以上安く利用が可能です。(2017年9月9日~)

いずれも数量限定での販売のため、予約が取れない場合もあることには注意してください。

EXこだまグリーン・ファミリー早特

旧こだま☆楽旅IC早特、一緒に☆こだま早特から商品名称が変わり、2017年9月よりEXこだまグリーン早得、EXこだまファミリー早得としてサービスが提供されます。

節約して長距離を移動する観点から言えば、利用する価値があるのは東京-新大阪、京都などの長距離をやや時間をかけても大丈夫な場合で、EXこだまグリーン早得では、東京駅からの場合には豊橋以遠で自由席の定価料金よりも安くこだまのグリーン席に乗車可能です。

3日前までの予約が必要になり、また新大阪間までであれば所要時間は伸びますが、その分料金もお値打ちになります。EXこだまグリーン早得の場合で、のぞみ自由席との差額2000~3000円を1.5~2時間で確保する形なので、少しの労働・アルバイトを伴いながら移動するイメージでしょうか。

2名以上での利用となるEXこだまファミリー早得では、東海道新幹線区間ののぞみ停車駅間限定になりますが、普通車指定席、グリーン車がEX予約サービスの中では最も安く利用できます。

東京-新大阪間の料金は以下のとおりです。

新幹線料金 東京-新大阪
自由席定価 13620円
EXこだまグリーン早得 11200円
EXこだまファミリー早得 普通車指定席:9900円
グリーン車:10900円

注意点は先ほどと同じく、新幹線乗車区間のみの料金となること、繁忙期には利用できないという点です。
※直近では12/28~翌年1/4までが対象外

★ぷらっとこだま~うれしいワンドリンク付き

こちらはJR東海ツアーズやJTBが取り扱うサービスになりますが、主にこだまの普通車指定席+1ドリンク引換券付きで安価に利用できるサービスです。

東海道新幹線内ののぞみ停車駅+静岡・浜松間で利用でき、お得な値段で利用できます。

新幹線料金 東京-新大阪 東京-浜松
自由席定価 13620円 7770円
ぷらっとこだま 10500円
(繁忙期:12000円)
6600円
(繁忙期:7700円)

数日前までの予約が必要であったり、予約変更ができなかったりと制約は多いですが、1ドリンク付きで自由席の定価より安いとなれば利用するメリットは出てきます。

繁忙期はおそらく回数券と同じ4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日ですが、こちらは料金は上がるものの繁忙期でも利用が可能になっています。

東京-新大阪間であれば、繁忙期でも自由席定価より安く利用することが可能です。

☆株主優待券利用での割引購入

東海道新幹線切符のお得な購入方法の1つに、JR東海の株主優待券を活用する方法があります。

1枚で1割引きとなる優待券が1度に2枚まで利用可能です。

一方でヤフオクの取引相場は1枚当たり900~1000円ほどです。

今回は1枚当たり900円として考えてみます。

その際、割引を受けて効果があるのは運賃+特急料金が9000円以上のとなる区間のため、今回の区間でいえば東京-新大阪間が対象になります。

自由席での2割引き後の価格は10890円のため、株主優待券をオークションなどで調達した場合には、実質12690円で利用できることになります。

株主優待券の入手は必要になりますが、通年で繁忙期も気にせず利用できます。

近い区間では節約の効果が出ませんが、東京-新大阪・京都間で利用する場合にはメリットのある節約方法です。

利用する区間によってはあまりお得じゃないこともあり得るので、事前に割引額を計算したうえで調達するようにしましょう。

☆乗車券の学割

各学校によって手続き方法は異なりますが、発行してもらった学割証明書と学生証(生徒手帳)とともにJRの駅窓口で手続きすることで、片道100kmを超えて乗車する場合、運賃が2割引きとなります。

割引後の運賃は以下のとおりです。

新幹線料金 東京-新大阪 東京-浜松 東京-三島
自由席
(のぞみ/ひかり/こだま)
合計:13620円
運賃:8750円
特急:4870円
合計:7770円
運賃:4430円
特急:3340円
合計:4000円
運賃:2270円
特急:1730円
学割自由席 11870円 6880円 3540円

※指定席料金は合計料金のみ記載

利用できる方は限られますが、こちらも季節関係なく利用できるので、学生の方は格安きっぷ(回数券)を利用するよりメリットがあります。

新幹線料金の節約術と価格変動まとめ

新幹線の料金は繁忙期・閑散期の指定席料金をはじめ、利用時期によって高速バスほどではないですが変動します。

新幹線料金の節約方法で、繁忙期に利用できるできないで分類すると以下のとおりとなります。

繁忙期利用可能 繁忙期利用不可
・EX予約サービス
・ぷらっとこだま(料金変動あり)
・優待券利用(遠距離区間のみ効果有)
・乗車券の運賃学割
・金券ショップ等での回数券
・早期予約サービス(EX早得21等)

割引額が良い節約方法ほど、繁忙期には利用できないor繁忙期には値上げがあります。加えて、乗車できる新幹線・時間が限られるなど、ピークシフトの意味合いが高くなってきます。

繁忙期は近距離を中心に普通に乗車券を買って利用してもあまり値段は変わらないので、無理に節約を行う必要はないと思いますが、繁忙期の長距離利用や通常・閑散期にはメリットが大きくなります。

個人的なお勧めは、実践しやすい以下の3つの方法です。

・格安チケット(回数券):繁忙期は不可
・ぷらっとこだま:繁忙期は値上げ有、一部区間限定
・株主優待券:東京-新大阪など遠距離区間で有効

東海道新幹線の場合、お得なきっぷでも割引額は少ないか、時間がかかるものがほとんどですが、利用可能期間などの注意点や時間的なメリット・デメリットにも配慮しながら、可能な範囲で節約を実践してみて下さい。