青春18きっぷは、1回(1日)あたり2370円と安価な値段で全国のJR線が乗り放題になり、夏休み、冬休み、春休みといったシーズンに合わせて発行してくれるため、期間中は長距離移動の手段の1つとして人気があります。
長距離を青春18きっぷで移動する場合、1日の移動は原則終電までとなってしまいますが、現在は臨時で運行している夜行快速を利用すれば、夜行バスのように移動することが可能です。
現在は期間限定で夏休み、冬休み、春休みに運行されている、東京-大垣間のムーンライトながらを利用してお得に移動する方法を紹介します。
ムーンライトながらの運転日等の情報
現在は臨時の夜行列車となっているムーンライトながらの基本的な情報を整理しておきます。
過去には373系で運転された時期もありましたが、現在は写真のとおり185系で運用されています。
項目 | 詳細 |
---|---|
運転区間 | 東京駅~大垣駅 |
運転日 | 春:3/17〜25(大垣発は3/18〜26) 夏:7/21〜8/19(大垣発は7/22~8/20) 冬:12/22~1/2(大垣発は12/23~1/3) ※直近2016年末~2017年夏季の実績 |
料金 | 指定席:520円(全車指定)+別途乗車券 |
日付変更後 最初の停車駅 |
東京発:小田原(JR 東京-小田原間運賃:1490円) 大垣発:豊橋(JR 大垣-豊橋間運賃:1940円) |
停車駅(東京発) | 品川-横浜-小田原-沼津-静岡-浜松-名古屋-岐阜-大垣(5:50着) |
停車駅(大垣発) | 岐阜-名古屋-豊橋-浜松-静岡-沼津-横浜-品川-東京(5:05着) |
青春18きっぷの利用開始となる日付変更後、小田原から出発して西(関西・中国方面)へ移動する場合、ムーンライトながらを利用すれば、青春18きっぷの代金とは別に520円の指定料金で終点の大垣に朝の5時50分に到着します。
小田原を始発の電車で出発した場合、大垣へ到着するのは11時17分となるので、ムーンライトながらを利用することで5時間ほど早く目的地に到着できたり、同じ青春18きっぷの代金分+520円でより遠くまで移動できます。
別途日付変更後最初の停車駅までの電車代が必要になってきますが、かかったとしても最大で青春18きっぷ1回分の2370円で済みます。
東京-広島間を普通列車で移動すると11660円かかってくるので、青春18きっぷ2回分の代金を支払っても半額以下で移動することが可能です。
遠距離をお得に移動したい場合に有効
ムーンライトながらの利用は、夜行バスの停車箇所がターミナル駅等に限られるため、電車での移動の方がより小回りが利くなどメリットがあります。
東京⇒京都・大阪というように都市間を移動したい場合には、夜行バスの方が優れている面もありますが、より遠方へ移動したい場合には青春18きっぷが効果を発揮します。
特に繁忙期を中心に、高速バスの値段は高くなりがちなので、東京-大阪や東京-名古屋であっても、青春18きっぷ+指定席券+日付変更駅までの乗車券の値段のほうが安くなる場合も出てきます。
東京-大阪間ではほとんど差が無い場合も有りますが、さらに西へ移動する場合を考えてみます。
ムーンライトながらを利用すれば朝の5時50分に大垣駅に到着します。
そこから新幹線沿線に沿ってさらに西へ移動すると、時刻表上は熊本駅付近まで1日で移動が可能です。
例えば、広島県や山口県、福岡県へ移動する場合、夜行バスだと1万円を超えてしまうことも珍しくないですが、青春18きっぷでのムーンライトながらを活用すれば、2890円+α(小田原駅までの電車代)で移動でき、時間はかかりますが大きな節約が可能になります。
東京駅始発だと、青春18きっぷ利用で福岡県の小倉駅まで19時間かけて行くことができるようですが、体力的には相当ハードになるので、最初の5、6時間ほどの移動を体力を温存できるメリットは大きいです。
乗り心地は安い夜行バスの4列シート程ではありませんが、あまり快適とは言えないので、安い分疲れが貯まりやすい移動手段と認識しておくと良いでしょう。
途中下車を活用した長旅にも
青春18きっぷのもう1つのメリットは、途中で何度下車してもOKということです。
移動の途中で買い物・食事のために下車して、用事が済み次第最終的な目的地へ移動しても、日付をまたがなければ料金は変わりません。
西へムーンライトながらを利用して移動する場合、京都駅に7時台、大阪駅にも8時ごろには到着可能です。
少しゆったりと朝食をとり、体力を温存した状態で買い物や観光をすることもでき、またJRでの移動であれば電車代は青春18きっぷ分で済みます。
夜行バスに比べて移動にかかる費用を抑えられるので、その分食事代や買い物代、お土産代に回すといった方法もありです。
指定席券は入手しにくいので要注意
ムーンライトながらがお得なのは間違いないので、積極的に活用したいところですが、現在は全車指定席化されており、お盆付近などの帰省ラッシュ時期と重なる行程の指定席は予約が取りにくくなっています。
人気のある座席ほど瞬時に売り切れてしまうので、旅の日程が決まった際は真っ先に指定席券を確保することが必要となってきます。
2017年夏の場合、8/10、8/11のチケットは高沸傾向にあり、連番での2枚1セットで定価1040円のところ、5000円、6000円程の落札価格となっている物も存在しました。
不人気な日程であれば、定価+送料ほどの値段で入手できるものもありますが、定価以上の値段で出品している方の中には、明らかに転売目的の多数の出品が見られる方もちらほらでした。
やむを得ず手放す方から入手するのはあまり問題ないと思いますが、複数の日程で大量の転売目的での出品がある場合はダフ屋行為や古物売買の無許可営業での違法行為となる可能性が高いので、犯罪行為を助長しないように購入を控えるといった、購入者側のマナーも問われる部分だと個人的には感じています。
一番の理想は、JR販売窓口での購入または「えきねっと(JR東日本)」や「e5489(JR西日本)」といったネット予約で販売元から直接購入することです。
発売日が過ぎた後はサイバーステーション(http://www.jr.cyberstation.ne.jp/vacancy/Vacancy.html)や上記予約サイトなどでも空席状況が確認可能です。
サイバーステーションで調べる場合には以下のように入力すればOKです。
行き当たりばったりの計画だと、乗車するための指定席券すら入手できなくなってしまいますが、早めに旅行や帰省の日程が確定できる場合には、ムーンライトながらでの移動をうまく組み入れてみてはいかがでしょうか。
18きっぷをお得に入手する方法以下の記事にて解説していますので、あわせてお読みいただければ幸いです。
ムーンライトながらのお得な利用法まとめ
青春18きっぷとともに利用することで、安く長距離を移動することができるムーンライトながらについて紹介しました。
移動に時間がかかるため、他の移動手段と比べて一長一短ではありますが、移動手段以外のお金を使いたい場合や、節約をして遠方へ旅行・移動したい場合には積極的に活用してみてはいかがでしょうか。