副業の中でも人気のあるのが「せどり・転売」で、2017年の任天堂スイッチのように品薄人気商品を確保できれば初心者からでも比較的利益を得やすいため、人気があります。

現在はフリマアプリの流行もあり、小規模・月数万円レベルの収入からでも取り組みやすく、転売を始めたばかりという感じの出品者もよく見かけるようになりました。

一方でそんな転売屋さんの様子を見ている限り、品薄+プレミア化商品でない限り、大きく稼ぐことが難しくなっているように感じまます。

最近投稿者が増えているYoutubeのせどり関連動画や、安売り事情をもとに、せどり・転売であまり稼げない理由についてお話します。

店舗・ショップに利益が取れる商品があまりない

Youtubeの動画で、お店で価格差があり利益をとれる商品を紹介している方がいますが、自身は単純にすごいと思ってしまいます。

お店に数千、数万とある商品の中から、買って転売して利益が取れる商品を探し出してくるのですから、スマホを利用した検索を利用するにせよ、難易度は高いのではないでしょうか。

ゆえに、そのような商品がどの店舗にもあることは期待しづらく、単にたまたま見つかった商品をピックアップして紹介されている場合が多くなっています。

加えて、お店側も商売なので単純に安売りしているケースはまれで、ブックオフのようにヤフオクやアマゾンの価格を意識した値付けを行っている店舗もあります。

ネットでもセールやポイント還元をうまく活用することで利益が取れる商品はまだまだあると思いますが、送料や商品価格自体の値上げ等に伴い、利幅は少なくなる傾向にあります。

現時点で十分な価格差が見込める可能性が高いのは以下のようなパターンです。

・商品が在庫処分・決算セールなどで安売りされている場合
・商品がセールやポイント還元で安く入手できる場合
・商品が品薄化orプレミア化している場合
・転売出品者が高く売れる販路を持っている場合
・店頭よりも良いコンディションで販売できる場合

せどり・転売での商品の出品先としてよくアマゾンが選ばれていますが、これは多少高くても便利なアマゾンでお買い物したいという需要があることに加え、コンディションをより良い区分で出品できれば、利益を取るうえで有利になりやすいという面があります。

決して単純に店舗が安売りしており、簡単に利益が取れる商品が残っているわけではなく、せどり・転売屋側の工夫で高く売り抜けているケースがあります。

(場合によってはクリーニング等、一工夫して販売したり、不良個所を修理することで利益を生み出している場合もあります。)

そのため単純にお店に商品を探しに行っても利益が取れる商品が見つからないことがあり、また見つかったとしても薄利だったり回転が悪かったりと条件が厳しいものが多く、単純にせどり関連の動画・ブログ等を参考にしてはいけない理由ともなります。

またここ最近、アマゾンでの新品商品の出品規制が厳しくなったと騒がれていますが、厳密にいえば中古品となるものを新品と偽装して出品できなくなっただけであり、利益のもととなるコンディションの偽装が使えなくなってきていることも少なからず影響しています。

<新品・中古品の分類等に関する参考記事>

自身でオークション等で商品を販売していたり、逆に購入したり、リサイクルショップや質屋に行くと新品と中古品の商品が混在していたりします。 言葉の通り新しいままの未使用や未開封も含め
2017年9月中旬に、Amazonでの新品商品に関する規約変更に対し、せどり業界を中心に「新品規制」だと話題になっています。 ※2019年現在では真贋調査が来たと話題になっている

商品の価格差、粗利益と営業利益の違いに注意

せどり・転売で重要な部分は単純な価格差ではなく、その商品を販売することで、(どの程度の期間で)どれくらいの利益(現金)が手元に残るかということです。

せどり動画やせどりブログでよくある紹介例は、仕入れた段階での価格差や手数料を差し引いた見込み利益を紹介しているというもの。

例えば「仕入れ10000円⇒想定販売価格15000円」というような商品を考えてみます。

価格差は5000円、単純な販売時の手数料を考慮すると3000円~4000円の見込み利益といった形で紹介されることが多いかと思います。

動画やブログではここまでで終わっている場合が多いのですが、大事なのは実際にいくらで売れたかということと、送料なども含めた手数料を考慮した「営業利益」です。

ここでいう「見込み利益(≒粗利益)」=「販売価格-仕入れ原価-販売時手数料」であるのに対し、実際は送料やFBAでいえば大型な商品ほど保管手数料がかかってきますので、実際の「営業利益」は紹介されているものより少なくなることがほとんどです。

さらに商品が売れなくて値崩れした場合も想定すると、利益が残らないこともあります。

前述の通り、高値で売り抜けることを前提に利益が出る(見込み利益○○円)と紹介されているだけの場合もあるので、実際は紹介されているほど稼げないのではないでしょうか。

買い取り価格とせどりでの仕入れ価格の差

さらに、せどり・転売であまり稼げない理由として、元々仕入れ原価が高くなる傾向にあることも挙げられます。

せどり・転売と同じく中古品を取り扱うリサイクル店の場合、仕入れ価格(買い取り価格)は販売価格の1/3~半額以下であることもしばしば。中には販売価格の10%、20%以下で仕入れていることも珍しくありません。

それに対し、せどり・転売で何度も繰り返し確保できる商品の多くは、利益率が低かったり、1商品で数百円~2000円前後の利益と薄利の商品が中心になってきます。利益率で20%もあれば非常に良い方だと思います。

その少ない利益が取れる商品を転売屋で争って仕入れたり、価格競争して販売していれば、当然利益が出る商品があまり見つからなかったり、値崩れであまり利益が取れない、あるいは赤字になるといった状態になります。

なので、プレミア化する商品や、任天堂スイッチのようなわかりやすい転売アイテムが存在しない限り、今後せどり・転売で稼ぐのが難しくなってきているのが最近の傾向のように思います。

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中途半端な転売屋の増加と安売り

フリマアプリが普及し始める2014~2015年ごろと比較し、2018年現在では転売屋人口が増えたように思います。そして匿名発送サービスが、転売行為への敷居を下げてしまった面があります。

一方で転売人口が多くなったため、目立ってしまうのは我先にと安売りで売り抜ける戦略をとっている転売屋の方々。

わかりやすい例は、ネットショップでのセール品が出ると商品が到着するタイミングで一気に値崩れが始まるといったもので、あまり利益が取れずに投げ売りで売り抜ける形で転売する結果となることが多いのがここ最近の傾向のように思います。

自身も取扱商品の価格はチェックしていますが、安売りしている転売屋さんに対して「十分な利益が取れているのだろうか?」と思うことがしばしばです。

そういった安売りする転売屋さんの傾向として、説明文が短かったり、中途半端(不完全)であることが多いのですが、結局のところ時間をかけずにお金が稼げれば良いといった感じで転売しているように感じてしまいます。

商品自体さほど悪いものではなくても大きく値崩れする場合があり、一度相場が崩れると、回復するまでには相場が崩れる以上の時間を要します。

下手をすると安売り自体がその商品の価値を下げてしまうことにもなり、せどり・転売で稼げない理由を転売屋自ら作り出してしまっているように思います。

せどり・転売で稼ごうとする場合、そこそこの値段で買ってもらうことが必要不可欠になりますので、販売力がない場合には今後も安売りしか作戦がなくなってしまい、いつまでも薄利での売買となってしまいがちです。

特商法、古物商許可はもちろんですが、特にヤフオクやメルカリなどの場合、説明文を工夫するだけでも信頼性が増して高値でも購入してもらえる要因になるので、決して薄利で利益が出ない状態だけは避けたいものです。

まとめ

せどり・転売であまり稼げないのは、稼げる商品が限られている中、転売人口やフリマアプリの普及もあり、少ない利益をさらに安売りで削りあっていることが多いからではないかと思います。

単純な安売りは推奨できないので、せどり・転売で稼ごうとするのであれば、十分な仕入れ資金をもとに、価格差が取れる工夫を行ってみたり、卸売での仕入れ、買い取りや古物市場での仕入れなど、利益が見込める方法での仕入れ&販売を目指してみてはいかがでしょうか。