2015末~2017年にかけて、クレジットカード還元率の改悪が相次いでおり、元々高還元率が魅力であったカードも、廃止または還元率の改悪が行われています。
還元率の改悪前はリクルートカードプラス、REXカード、漢方スタイルクラブカードなどをはじめ、どこで使っても還元率の良いカードが存在していましたが、今や還元率が低下したことにより利用先によってクレジットカードを使い分けたり、使い方を工夫する重要性が増しています。
2017年までの主なカード還元率改悪
現時点までのクレジットカードの改悪を改めて整理します。
ここ最近は、2~3年前とは対照的に低金利の影響もあってか、還元率が魅力的なクレジットカードの改悪やサービスの停止が相次いでいます。
2~3年ほどの間におこった代表的な事例を紹介します。
JACCS系高還元率カード改悪(2015・2017)
REXカード、漢方スタイルクラブカード、リーダーズカードを中心に、2015年、2017年と2度の還元率改悪が行われました。
REXカードはもともと1.75%還元でサービスが開始したものの、低金利の影響を受けて、2017年の改悪で還元率1.25%となりました。
これまで存在していた、REXカードLiteと同じ還元率となる1.25%となり、REXカードLiteが廃止されるとともに、REXカードがその位置を統合のような形で埋めるような結果となりました。
漢方スタイルクラブカードやエクストリームカードはリーダーズカードに統合されるとともに、還元率が1.26%となってしまい、高還元率カードとしての魅力が失われる形となってしまいました。
リクルートカードプラスが新規募集停止(2016)
還元率2.0%で一時期大人気だったリクルートカードプラスが2016年3月をもって申し込み受付を終了しました。
(年会費有料のため、正確には2.0%若干下回る還元率となる)
現在でも、通常利用時の還元率は2.0%と維持していますが、電子マネーチャージやApple Payでの支払い時のポイント付与対象外となるなど、実質的な改悪が行われています。
普段はポイント還元率が1%のカードでも、自社サイトや特定の店舗では還元率2%となるカードは割と見かけますが、リクルートカードプラスさえ持っていればどこでも2%還元のため、最強の1枚となるカードでした。
ライフカードの誕生日5倍⇒3倍(2017)
2017年7月から随時改定されていますが、改悪のメインは誕生月の利用での還元率が5倍⇒3倍(2.5⇒1.5%)と大きく低下したことです。
誕生日5倍(還元率2.5%)月だけ使うユーザーもいるようでしたので、カード会社側の意向としては、収益につながらない制度を見直し、継続的に利用する顧客向けにサービスに注力していくとも見ることもできます。
そのほかにも、ポイント交換時の大口時の優遇レートが廃止となったりと、全体的な還元率低下にも見舞われています。
年間200万円以上利用することで、ようやく常時還元率1%となりますが、以前より魅力がなくなってしまいました。
誕生月1.5%還元は引き続きお得なので、サブカードとしてはまだ十分に活躍してくれる余地があります。
LINE PayカードへのファミマTカード利用チャージ廃止(2017)
こちらはプリペイドカードのLINE Payカードへチャージする際の、ファミマTカード・収納代行を利用した方法が利用できなくなっただけで、カード自身の還元率は低下していませんが、組み合わせてお得な方法も廃止されてしまいました。
LINE Payカード自身はJCBブランドのプリペイドカードとなるので、それほど使い勝手が良いというわけではありませんが、LINE Payカードの2%還元とあわせて、最大合計3%還元となる手法だっただけに実質的な改悪ともいえます。
現在は2016年3月サービス開始と登場間もないため、還元率2%と大盤振る舞いですが、いずれは還元率1%前後に改悪されてしまう可能性があります。
利用不可のサイトや料金支払いを除き、メインカードとしても十分に使うことができますが、あくまでもプリペイドカードなので、期待しすぎないのが無難です。
自身は、ネットショッピング中心にカード決済を利用するものの、決済不可の利用先があると困る場合があるため導入していませんが、高い還元率は非常に魅力的です。⇒2018年の改定については次項にて紹介しています。
LINE Payカードの利用特典廃止(2018)
2018/3/30付で報道された内容になりますが、LINE Payカード利用特典である2%還元が2018/5月末で終了となります。2018年6月からは利用状況に応じて最大2%還元となります。
理由は、コード支払いへの移行・「LINE Pay カード」のご利用以外のサービスのご利用全体に対する還元を行うためとされており、実質的な改悪とも見られています。
これまでJCBブランドが利用可能な店舗での利用でも2%還元を受けられるので、とてもお得なカードでしたが、今後はサービス全体の利用に対して還元が行われるため、使い方次第では改悪となる可能性も十分考えられます。
今後詳細が開示され次第、こちらでも追記していきます。
2017年の高還元率カードはP-one Wizに
2017年からの10月のJACCS系カードの還元率改悪により、かつて基本還元率1.5%以上の高還元率を誇ったカードは存在しなくなりました。
2017年10月現在で還元率の良いクレジットカードを整理すると以下の通りとなります。
リーダーズカード:還元率1.26%
REXカード:還元率1.25%
リクルートカード:還元率1.20%
ただし、これは純粋なクレジットカードとしてみた数字で、少し範囲を広げればもう少し数字が良いカードも存在します。
P-one Wizカード(還元率1.5%)
元々はショッピングリボ払い専用カードなのですが、「ずっと全額コース」へ変更して利用することにより、手数料がかからず通常のクレジットカードと同じように利用することが可能です。
還元率は請求時の1%off+1000円につき1ポイント(5円相当)で合計1.5%還元となり、2017年10月改悪前のREXカードと同じ還元率で利用できます。
ポイントを利用するのを忘れていても、請求時から勝手に1%offになって引き落としされるため、普段のお買い物用にも重宝しますね。
なお、同じように還元率1.5%となるリボ払い専用カードにJizile(ジザイル)がありますが、こちらに関しては毎月5万円以上の一括払いとする場合には都度サポートセンターへの電話が必要になるので、使い勝手の面からあまりお勧めはできないものの、同じく還元率が良くなっています。
au wallet+Masterカード等(還元率1.5%)
クレジットカード単体での高還元率は難しいですが、プリペイドカードとともに利用することで、還元率を高めることができます。
例えば、還元率が1.0%のMasterブランドの楽天カードやdカードでau walletにチャージすると、クレジットカードの還元率1.0%に加え、au wallet利用での0.5%とあわせて合計1.5%還元となります。
こちらも先ほどのLINE Payカードと同じくプリペイドカードになるので、利用できないサイトもありますが、クレジットカードからチャージできることから、ほぼクレジットカード同様に利用することが可能です。
自身は直近で、楽天カード(街での利用2倍)+au walletで固定資産税をクレジットカード払いしましたが、キャンペーンなどに合わせて利用するととてもお得になるので、auユーザーは覚えておいて損はない使い方です。
LINE Payカード(還元率2.0%)
今後改悪される可能性がありますが、現時点では還元率が2.0%とクレジットカード以上の還元率となります。
au walletと同じくJCBプリペイドなので、利用できないサイトなどがありますが、還元率は文句なしのレベルとなります。
別途ファミリーマートでPOSAタイプのプリペイドカードを、ファミマTカード払いで購入すれば還元率は最大で3%に達しますが、手間暇のかかる手法のため、サクッと銀行口座からのチャージで利用するものとして考えると良いでしょう。
各種クレジットカード+pollet(還元率+0.44%)
※Polletは2018/1/24の改悪に伴い、1回あたりのチャージ上限が5万円までとなるので、還元率は-0.1%(チャージ特典0.5%、手数料0.6%(300円))となります。キャンペーンなどによる高還元率の恩恵を先送りしたい場合には、今後も活用価値のある使い方となります。
こちらもau walletと同じくVISAプリペイドになりますが、クレジットカードと組み合わせて利用することで、ポイントの2重取りが可能です。
Visa、MasterCard、株)セディナが発行したカードから行うことができ、クレジットカード会社独自のポイントは通常通り獲得できるのがポイントです。
ただしセディナカード以外のクレジットカードからチャージする場合には、1回あたり300円の手数料がかかります。
チャージ時の特典はチャージ金額の0.5%、1回あたりの上限は50万円までなので、50万円チャージすると2500円分が特典として獲得でき、手数料が300円かかるので、差し引き2200円=0.44%相当のボーナスが獲得できます。
例えば1%還元の楽天カードを使用すれば、還元率が最大で+0.44%の1.44%還元に、ライフカードの誕生月特典やP-one Wizが利用できれば1.94%還元となるなどお得な活用法の1つとしても有力となります。
還元率1%のカードがメインでも十分
還元率ではP-one Wizカードや、プリペイドカードを活用する場合に比べると低くなりますが、特定の利用先での使用がメインの場合には、還元率1%がメインのカードでも十分に活用可能です。
例えば楽天カードを楽天市場で利用する場合、カード決済分に対して最低でも3%還元となり、先ほど紹介した方法よりも良い還元率となります。
どこでも高還元率とはなりませんが、ネットショッピングを中心に、特定の利用先やキャンペーンで還元率が良くなるカードは以下の記事で紹介しています。
まとめ
2017年までにクレジットカードの改悪が相次いでいますが、2017年10月現在利用可能な高還元なクレジットカード・プリペイド式カードでの支払いについてまとめました。
これまで以上にややこしい面もありますが、うまく使いこなせば、これまでとあまり変わらず高還元の恩恵を受けることができるので、実践可能なものは導入してみてはいかがでしょうか。