ここ最近、不用品を売買するメルカリに代表されるフリマアプリをはじめ、エアービーアンドビー、ウーバーなどの「シェアリングエコノミー(シェアエコ)」が急速に拡大していますが、副業での個人間取引での売り上げ把握は難しく、税務当局が所得を正確に把握できない状況が課題となっています。

そんな中で、メルカリ、民泊などきちんと納税がなされていないと思われる個人間取引での利益にも、課税を強化するための対策が政府にて検討されるようです。

メルカリ・民泊には違法営業+脱税状態も多いイメージ

シェアリングエコノミーは、個人と個人が遊休資産となるモノやサービスをやり取りする新たな経済システムとして注目されており、響きの良い言葉のように感じますが、それは制度上とサービスそのものの部分です。

良い制度として注目される一方で、法整備が追いついておらずに違法・無許可営業状態となっていたり、所得を申告せずに脱税状態となっている場合も多いといわれています。

例えば、民泊ではその大部分が無許可営業といわれており、シェアリングエコノミーによる副業は手軽に開始できる一方、無許可・違法営業が横行しています。また、たびたびマンションの規約や、賃貸契約(通常は居住専用としての契約)を無視して民泊業を行い、住民や管理組合・管理業者とのトラブルが発生しているなど、自分さえ儲かればという考えの方も多い印象です。

政府が課税強化をするあたり、無許可・違法営業とともに、確定申告や納税が適切に行われておらず、利益をそのまま懐に入れているために儲かる副業としての実践者も多いのではないでしょうか。

メルカリはシェアリングエコノミーとして不用品売買を行う場合には、優れているサイト・アプリの1つなのではないかと思います。

一方で、2017年に入ってからたびたび問題行動が報道されており、利用者の質はもちろんですが、運営側の体制・姿勢に対しても賛否両論です。

<参考記事>
メルカリが泥棒市場化と報道|匿名取引は盗品売買にも便利?
メルカリで現金の出品が流行中?ショッピング枠現金化の温床に
メルカリでトラブルが急増!?取引での8つの違法・注意事項

他にも、無資格者が転売を行っていること(古物営業法違反など)、規約違反となる無在庫での転売横行、売上金を出金せずメルカリ内で循環させることでの課税逃れなど、不正・不適切行為の温床ともなってしまっています。

一部ではフリマアプリ界の西成とも揶揄されるなど、意図せずなのか地下経済のような役割を担ってしまっている側面もあり、また今回の課税強化が検討されるように課税逃れに有利な面があることも利用者を呼び集める一因となっています。

ウーバーは白タク行為も影響して普及していない

先ほどのように、物品売買や宿泊サービスに関しては、法整備が追いついていないこともあり、違法であっても黙認状態であることも多くなっています。

一方で、同じくシェアリングエコノミーの1種として紹介されており、現行法では白タク行為ともなりうるウーバーなど営利目的のライドシェアに関しては、古くから摘発行為が行われていたり、業界団体の反発が起こったこともあってか、日本ではほとんど普及していません。

ウーバーに代わるサービスとして、nottecoやnori-naなどといったマッチング形式の相乗りアプリが存在していますが、こちらは高速代とガソリン代を割り勘し、運転手は実費以内の受け取りとすることで法的には合法(有償での運送に該当しない)とされています。

nottecoやnori-naなどの相乗りアプリ・コストシェアサービスは、タクシーなどの事業者からは売り上げを奪うサービスとしてあまり良い印象はないかもしれませんが、社会的にも意義があり、これからも伸びてゆくサービスのように感じています。

ただ形式上利益は出ず、法律上の有償での運送には該当しなくても、ドライバーの行程に相乗りしているのであれば、ドライバーには利益がでているのではないでしょうか。

簡単な例として、ドライバー1人で高速を利用して遠距離を移動するところに、3人が相乗りして、高速代・ガソリン代をドライバーを含め4人で割り勘するケースを考えます。(1人移動時の高速・ガソリン代はともに1万円、4人で移動時のガソリン代は1.2割増しとします)

ドライバー費用 1人で移動時 4人で移動時
ガソリン代 10000円 3000円 (12000円÷4)
高速代 10000円 2500円 (10000円÷4)
コスト総額 20000円 5500円 (4人で22000円)

すると、ライドシェアして割り勘したことによって、ドライバーにとっては14500円の節約につながります。

が、見方を変えれば、経費は1人で移動する際の費用である2万円との差額となる2000円のガソリン代の追加負担のみで、16500円の割り勘代を受け取り、14500円の収入と解釈することができます。

今後もサービス拡大が予想されるだけに、実際にライドシェアにも課税されるのであれば、課税強化という方針は歓迎です。

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メルカリの場合、転売屋も多数存在

メルカリの場合、元々は家庭の不用品売買としてのフリマサービスであり、生活動産の売買に対しては税金がかからないこともあり、多少転売で利益を得たところで課税とは無縁のことがほとんどです。

一方で現時点では、第三者から見ても、明らかに判別できる転売屋さんが存在しています。

2017年でいえば、iQOSや任天堂スイッチが転売される商品の典型的な例です。

不用品の売買のみであれば、原則課税の対象にはならないのですが、こういった大量かつ繰り返しの販売であれば確定申告が必要な場合があるので、課税強化が必要になってきたのも納得できます。

副業での収益は雑所得に該当するので、仕入れ代金と手数料、送料を除いた利益のほとんどに対して、税金がかかります。

政府が「働き方改革」として正社員の副業を後押ししていることや、副業を容認する企業が増えてきていることもあり、今後副業に取り組む方が増加する傾向にあると思われます。 副業を始める理

フリマとして不用品処分で利用しているユーザーに課税強化はあまり意味がないと思いますが、こういったわかりやすい転売屋さん限定で課税強化(売り上げ等を把握)するだけでも、十分効果があるのではないでしょうか。

実際は、家庭の不用品扱いで取引している転売利用者が多いため、課税逃れ(所得の把握)となっており、利益を得てもごまかし放題のように感じています。

メルカリは銀行口座を登録しなくても売買ができてしまったり、登録住所をごまかして匿名で取引できるなど、利用に対する障壁は限りなく低いので、ヤフオクなどでは後ろめたい転売もより実践しやすくなっています。

古物営業法の適用は難しくても、税務署が取引での収入を把握するとともに、本人確認やマイナンバーなどの登録を行ったうえで、本人口座への出金に対応するようなるなど対策が行われれば脱税行為も改善されると思うので、現在のように違法や違法まがいの行為が実践しやすい状態が改善されていくことに期待したい。

メルカリ等への課税強化まとめ

メルカリや民泊などのシェアリングエコノミーでは、法整備や摘発が追いついていないこともあり、課税逃れ(所得の把握)についても一定数存在するイメージがあります。

これから副業で収益を得る人の割合が増えてくると思いますが、税金を支払わないことで安価にサービスや商品を提供できる状態ではなく、適切な納税を伴って副業が行われるためにも、政府の検討する課税強化対策に期待したい。