年末はクリスマスや正月準備などで消費が増加する傾向にありますが、締め切りの関係で同じく年末に注目されるのが、ふるさと納税です。

今回は、一般的な収入がある方がふるさと納税をすると、返礼品としてどんなものをもらえるか&どれだけポイントが獲得できるか、楽天市場を使いこなしてふるさと納税するケースを例に調査してみました。

会社員の平均年収でのふるさと納税目安額

シミュレーションを行うにあたり、ふるさと納税の制度をお得に利用するためには、実質的な自己負担金が最低額となる2000円で済む範囲までの納税が必要不可欠になります。

会社員の平均年収は400万円台前半となるため、今回は年収400万円の場合でシミュレーションします。

計算を簡略化させるため、楽天市場内の寄付金控除シミュレーターを活用し、自己負担金額が2000円となる範囲を計算してみました。

<シミュレーション条件>
・年収:400万円(会社員)
・世帯:独身(1人世帯)
・控除:給与所得者に対する必要最小限のもののみ

<シミュレーション結果>
43905円
(自己負担2000円における寄附上限額)

会社員の平均に相当する年収400万円の場合、4万円前後までが、自己負担が最小限の2000円となる上限の年間ふるさと納税額になります。

実際は、この4万円から前後するケースもあると思いますが、年収の上位20%以内の境目となる年収600万円の場合でも約8万円が上限となるので、ふるさと納税目安額が10万円未満になる方が大多数ではないかと思います。

ふるさと納税時の最適化と獲得ポイント

ふるさと納税を行う上で欠かせないのが、楽天市場でのポイント還元率を最適化させることです。

楽天市場でのふるさと納税は、他の商品と同じく「ショッピング感覚で利用できるように販売されている」ため、SPUプログラムや、買い回りキャンペーン、ブラックフライデー、ポンカンサービスなどの各種キャンペーンの対象となります。

ゆえにポイント制度を使いこなせば、それだけふるさと納税を行った際に商品とは別に獲得できるリターン(主に楽天ポイント)が大きく、より一層ふるさと納税をお得に行うことが可能です。

今回は、SPUプログラム(全条件達成+5の倍数日)+お買い物マラソン(+9倍)+ポンカンサービス(+2倍)の3つの条件を満たして購入する場合を考えます。

ふるさと納税額は、1万円ピッタリで設定されているところも多いことから、1万円のものを4か所で行うことを前提に考えます。

<まとめ買い・購入時の条件例>
・ふるさと納税4か所、合計40000円(買い回り)
・楽天ブックス1000円以上(SPU,ポンカン,買い回り)
・kobo100円以上(ポンカン,(買い回り))
・楽天市場アプリ1000円以上(SPU,ポンカン,買い回り)
・楽天市場通常購入(1000円以上)×3~4店舗(買い回り)

還元率を最適化するには、ふるさと納税の他に最低でも楽天ブックス、Koboを含む6か所で1000円以上の消費、すなはち6000円分の買いものが必要になってきますが、必需品などをふるさと納税時に合わせて購入することで、大きな負担なく還元率を高めることが可能です。

最終的なポイント還元率は以下の通りです。

還元率内訳

<①SPUプログラム>
・通常ポイント:1%還元
・楽天カード:+3%還元
・楽天市場アプリ:+1%還元
・楽天プレミアムカード:+1%還元
・楽天モバイル:+1%還元
・楽天ブックス:+1%還元
・5の倍数日(楽天カード決済):+2%還元
※5の倍数日は買い回り期間中最低でも1回は対象となる

<②お買い物マラソン>
・10店舗買い回り:+9%還元

<③ポンカンキャンペーン>
・4サービス利用:+2%還元
(楽天市場、ケータイ版楽天市場、ブックス、楽天Koboの4つ)

⇒合計21%還元

ここで、貯まったポイントでさらに次回以降の楽天市場内での支払いを利用すると、クレジットカード払いで支払う場合と比較して、獲得できるポイントが4%少なくなるので、実質の還元率は約20%とみなすことができます。

つまり買い回りキャンペーンなどで上限に達しない限り、合計4万円のふるさと納税とともに約8000円分の楽天ポイントが獲得できます。

自己負担額2000円を考慮し、またふるさと納税以外に買いたいものが無くても、買い回りで1店舗1000円で6店舗購入することで、実質的な負担がなくふるさと納税が可能な場合があります。

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おすすめの返礼品と返礼品を含めた収支

最後に、独断ながら楽天市場で納税可能な自治体の中より、おすすめの納税先(および返礼品)と、返礼品と獲得できる楽天ポイントを含めたトータルの収支を算出します。

ビール類(24缶・1ケース)

いくつかの自治体で返礼品に設定されていましたが、条件が良いところで、1万円のふるさと納税につき1ケース24缶となっています。

例えば、佐賀県基山町、大阪府貝塚市、同泉佐野市などでは、アサヒスーパードライを返礼品に設定しており、市販価格で見積もると直近のお酒の安売り規制の影響もあり、返礼品の価値は約5000円となります。

納税の際の工夫次第では、自己負担分はポイント還元で相殺できるので、実質限度額までは無料で購入できるビールのような扱いになっています。

返礼品の目安として、納税額の3割までとの指針が総務省より示されていますが、市販価格ベースでいえば安売り規制も関係ない大判振る舞いになっている模様です。

ちなみに、もらったお酒をそのままオークション、フリマアプリ等で不用品として販売しても、3000円ほどの収入にはなるので、返礼品としての価値は十分にあることが、こういった面からも読み取れます。

肉類(国産豚こま切れ肉・5kg)

肉類の産地がある自治体では、返礼品として地方ブランドの鶏、豚、牛肉が返礼品に設定される傾向にあります。

中でも、お得と感じたのがわずか1万円の納税で、5㎏、あるいはそれに近い重量のお肉を返礼品としてもらえる自治体があることです。

例えば、国産豚のこま切れ肉を返礼品として設定している自治体では、1万円の納税で5kgのお肉が返礼品としてもらえます。

豚こま切れの値段は、販売するスーパーによっても価格が変動しますが、国産となると100g100円を切る方が珍しくなってきます。

産地直送または産地直送に近いの場合、肉自体の原価はあまり高くないのかもしれませんが、冷凍便を使用するなどコストもかかっているので、消費者にとっては5000円近い価値がある返礼品になっています。

お米 20kg

お米も、ふるさと納税の返礼品として人気がありますが、条件の良い自治体となると、たった1万円のふるさと納税で、20kgのお米がもらえます。

岡山県笠岡市の場合、銘柄などが指定できないため、正確な値段、価値を評価することはできませんが、楽天市場で販売されるお米20kgを調べると、安いもので5000円台後半~となっていたので、5000円ほどの価値がある返礼品と考えることができます。

いずれも市販価格で評価すると、納税額の半額程度に相当する返礼品が獲得できるので、納税先の候補としておすすめです。

他にも市販価格の半額相当の返礼品を設定している自治体もあるので、今回ピックアップした返礼品に限らず、探してみると良いでしょう。

返礼品を含めたふるさと納税の収支

最後に、返礼品も含めたふるさと納税の収支のシミュレーション結果をまとめます。

1.楽天ポイントによる収入

4万円(1万円×4か所)×20%=8000円分

(納税額の約21%のポイント≒納税額の約20%に相当する収入)

2.返礼品の市販価格相当額

5000円×4か所=2万円分

3.自己負担金

2000円(限度額内で納税する場合)

4.収支

8000+20000-2000=26000円

よって、平均的な収入のある会社員がふるさと納税することにより、実質26000円相当のポイント・返礼品を獲得することができます。

収入さえあれば、リスクなく実質無料で報酬を得ることができるので、報酬目当てでふるさと納税を行う方が後を絶たないのも納得できる結果になりました。

逆にいうと、様々な理由もありますが、儲かるという意味では現在でも税金のバラマキ状態になっているので、自腹を切らない限度額までの納税であれば非常にお得な制度となります。

自身は以下の記事でまとめたように、本来の趣旨を外れている現在の返礼品合戦には興味がないのですが、制度上使えるうちに活用してしまうのも1つの手です。

ここ最近、ふるさと納税の人気が高まっており、2016年の納税総額は3000億円に達するともいわれています。 一方で、システム上ふるさと納税の利用者負担が必要になる、2000円以上

また、寄付制度としてはもちろん良いと思いますが、見返り目当てのふるさと納税は「身銭を切らないという意味で消費をしない方を優遇している点」、「返礼品を提供する一部業者を優遇することになりうる点」であまりふさわしくない側面もあります。

例えば、ふるさと納税で実質無料で買えるビールと、1ケース5000円程するビールがネット上での商品画面で隣同士で並んでいた場合、実質無料で買えるビールを選ぶ割合の方が圧倒的に高いのではないでしょうか。

まとめ

楽天市場でのふるさと納税は、ポイント還元率の最適化、返礼率の高い返礼品を選択することで、平均的な年収のある会社員の方で、約4万円の納税に対し2万6千円分の商品・ポイントが獲得できるお得な制度となっています。

返礼品目当てとなってしまっている制度の是非はともかく、楽天でお得に納税したい場合には、ポイントアップ制度のフル活用ならびにお得な納税先を選んでふるさと納税を実践してみてはいかがでしょうか。